シン雪女伝説

 (笑)

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雪山とクリスマス

ロッジの暖炉とクリスマス逸話

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ロッジのバーでくつろぐ三人。窓の外では吹雪が激しさを増し、白銀の世界が広がっているが、ロッジの中は暖かく、心地よい静けさが漂っている。

「それにしても、暖炉とは、風情があるものじゃのう」と雪姉がつぶやき、揺らめく炎をじっと見つめる。燃え盛る薪がパチパチと音を立て、暖かい空気がロッジ全体に広がっていく。その光景に、外の嵐の厳しさを忘れさせるような安らぎが感じられる。

真魚もカップを両手で包みながら頷き、微笑む。「本当ですね。この暖かさと静けさが、外の寒さを忘れさせてくれます。」

お雪も同意するようにほころんだ顔で、「こんな日にこそ、暖炉の前でゆったり過ごすのが最高よね。外の嵐とは対照的に、ここは別世界みたい」と言う。

炎は暖かいオレンジ色の光でその場にいる全員を包み込み、まるで時が止まったかのような穏やかな空間が広がる。三人はそんな心地よい時間を共有しながら、自然に会話が弾んでいく。

「サンタさんが丸焼きにならないか、心配です」と真魚が冗談っぽく言いながら、暖炉の炎を見つめた。彼女の表情には冗談半分、本気半分の心配が見え隠れしている。

「確かに、こんなに火力が強いと、サンタさんもびっくりして飛び上がるかもしれんのう」と雪姉が、いつもの涼しい顔で返す。

お雪も微笑んで、「でも、サンタさんは煙突の中をスイスイと降りてくるんだから、大丈夫よ。ちょっとぐらい熱い思いをしても、プレゼントを届けるのがサンタさんの使命だからね」と優しく言葉を添える。

真魚はその言葉に少し安心したように頷き、暖炉の前で温まる手をもう少しだけ火に近づけた。「そうですね、サンタさんはきっと、どんな暖炉でも乗り越えられるはずです」

三人は暖かい炎の前で、サンタさんの安全を祈りながら、クリスマスの夜を楽しんでいた。

「火災保険に入ってるに違いあるまい」と雪姉が言うと、真魚が疑問そうに首をかしげる。「あれって建物だけじゃないですか?」

「火傷なら、対象になるかもしれないわ。でも、どっちかっていうと労災の方が適用されるかもね」とお雪が冗談混じりに返す。

三人はそんなおかしな話で盛り上がりながら、暖炉の前で温かいひとときを過ごしていく。外の吹雪は次第にその勢いを増していたが、ロッジの中での穏やかな時間はそれを忘れさせるほど心地よく、特別なクリスマスの夜が流れていった。

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この夜の静けさと暖かさは、三人にとって忘れられない思い出となり、彼女たちはそれぞれに微笑みながら、またいつかこんな夜を過ごせることを心待ちにするのであった。
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