シン雪女伝説

ハロウィン

ハロウィンの計画

お雪と真魚が登校すると、クラスの雰囲気が妙にざわついていた。

「おはようございます！」　

真魚が元気よく挨拶しながら、ざわつきの中心に向かう。

「おはよう」

お雪は淡々と挨拶しながら、自分の席に向かう。

「お雪さーん、クラスのみんながハロウィンパーティーをやろうって言ってますよ！」と真魚が嬉しそうに報告する。「いいんじゃない。参加すれば？私は出ないけど」とお雪は冷たく返す。「え？どうしてですか？」と真魚が尋ねる。「面倒くさいわ」とお雪があっさり言う。

「えー？お雪さんも参加してよ！」と友人たちが誘ってくる。「騒がしいのは嫌いなの」とお雪が答える。「そう言わず、絶対楽しいよ」と真魚が応じる。「大体、ハロウィンパーティーって何をやるつもり？」とお雪が尋ねる。「仮装して、お菓子を持ち寄ってパーティーするの」とたか子が説明する。

「絶対いや！」とお雪が強く言う。クラスメイトたちは、お雪が文化祭でメイド喫茶のメイドをやるのを嫌がったことを思い出し、黙り込む。その中でただ一人、たか子だけが何か打開策を考え込んでいる様子だった。

「それに、会場はどうするつもり？」とお雪がさらに尋ねる。「教室を借りて」とクラスメイトの一人が答える。「誰が許可取りをするの？」とお雪が続けると、クラスメイトたちは再び沈黙してしまう。沈黙が続いた後、許可取りの件で揉め始める。

「私、そんなの無理よ！」と一人が叫ぶ。「いや、君が代表だろ？やるべきだよ」と別のクラスメイトが反論する。「でも、私には時間がないんだ！」とまた別のクラスメイトが叫ぶ。「誰が許可取りをやるんだ！」とクラス全体が混乱し始めた。

たか子は、その様子を見ながら、何か解決策がないかと考え込んでいた。お雪はその様子を横目に見ながら、教科書を開いて予習を始める。クラスメイトたちの議論が白熱する中、結論が出ないまま授業が始まってしまった。