シン雪女伝説

 (笑)

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真魚

転校初日

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「真魚ちゃんは、どこから転校してきたの?」
真魚を取り囲む大勢のクラスメイト。
 「デンマークです」
「帰国子女じゃん。かっこいい」
「帰国子女?帰国子女ってなんですか?」
一瞬、ぽかんとするクラスメイト。
「ほら、海外育ちだから、日本語が話せても知らない単語もあるのよ」
「なるほど。そうだよね」 
さりげなくフォローするお雪の言葉に納得するクラスメイト。
「帰国子女は、海外にいた子が日本にかえってきた時に言われる言葉よ」
『雑な説明ね』
クラスメイトの説明を内心で突っ込むお雪。
「そうなんだ。私帰国子女なんだ」
『どっちかと言うと人魚の国から来た留学生なんだけどね』
とても実際にはいえないこと。
「ねぇ、真魚ちゃん、連絡交換しょう」
「連絡先?」
「真魚ちゃんは、まだ日本のスマホをもってないそうよ」
スマホのことさえ知らない真魚の代わりにお雪がごまかす。
「スマホ?」
本当はスマホさえ知らない真魚。
「スマホって海外のつかえないの?」
「使えるけど料金がたいへんなことになるから…」
お雪が階説する。
『真魚ちゃんは本当は持ってないんだけど』
「料金?」 
何もわからない真魚。
「そうか、日本のスマホ買ったら、教えてね」
「はい」 
何もわからないまま答える真魚。
『疲れる…』お雪は、フォローに必死だ。
授業中。
「では、この問題がわかる人」
教師が生徒に問いかける。
「はい!」
勢いよく手を上げる真魚。
「では、真魚さん」
真魚は立ち上がると自信満々で答える
「わかりません」 
わずかな沈黙の後に大爆笑が起きる。
「わからない時は、手を挙げなくてよろしい」
苦笑する教師。
「あの子は、なに考えてるの」
呆れるお雪。


 
「もう、本当大変だったわ」
家に帰ってきたお雪は、雪姉にぐちってた。
「ははは、それ災難なんであったのう」
ゲームのコントローラを握りしめてヘラヘラ笑う雪姉。

「笑い事じゃないわよ。あの子の場合、試験勉強より社会常識の勉強をしておくべきだった。ハラハラしっぱなし」
「それで、当の本人はどうしたのじゃ?」
「部活見学してから帰るから、先に帰ってと言われて帰ってきたの」
「ふむ、あやつを放し飼いにして大丈夫かのう?」
「え?余計なことを言わない、聞かないよう言いくるめてきたから、わからない事、帰ってから雪姉に聞きなさいと言いくるめきたから、大丈夫でしょう」

「我に聞けとは、勝手なことを抜かしおって」
「あの子は、雪姉が勝手にひろってきたんでしょう!」
「そんな犬猫のように言わんくても」
「魚介類」
「本人は人魚は、哺乳類と言っておったろう」
「とにかく、あの子の保護者は、雪姉ですからね!」
「はいはい、しかし、あやつは、何が余計なことなんだか、わかっておらんだろう?」
「あっ、急に不安になってきた」
「ただいま、かえりました」
玄関から真魚の声が響いてきた。
真魚が帰ってきてホッとする2人。
「おかえり」
「初めての学校は、どうじゃった?」
「はい、とっても楽しかったです」
「それは良かったのう」
「はい、これもみんな、みんな雪姉様とお雪さんのおかげです」
「私は何もしてないから、あんまり学校で変なことしないでね」
『ブツブツ言いながら、世話を焼いておる。相変わらずツンデレ
さんじゃのう』お雪を見つめる雪姉。
「なによ」
「なんでもないぞ」
「ところで部活見学ってどこか入るのる?」
「はい。水泳部に入りました」
「さすが人魚だけにじゃの」
「いえ。道具が何もいらないかわらです」
「なるほどのう。確かに道具はいらんのう…」
「真魚ちゃん、水着持ってるわよね?」  
「水着ってなんですか?」
「…」
「お主、まさか、マッパで泳ぐつもりじゃあるまいな」
「なにかまずいですか?」
「ばかものー!まずい決まっておる!」
「よしなさい!!」
雪姉も、お雪も、大声で怒鳴る。
「あれれ?なんてです?」
「この天然者は、我が家で養殖してやらんといかんやろ!」








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