シン雪女伝説

 (笑)

文字の大きさ
上 下
16 / 46
真魚

第14話人魚は生臭い?

しおりを挟む
二人は、町の公園にいる。
「雪姉様。服屋にいくのでは?」
「偉そうなことを言ったが、我も世俗のことにはうとくてな。それで世俗に詳しいものを助っ人に呼んでおる。」
「助っ人さんですか?」
「うむ。しばし待て」
二人のもとに一人の少女がやって来た。
「雪姉、何、急に呼び出して?」
「お雪、すまぬ。この娘の服を何とかしてやりたいのじゃ、手伝ってくれぬか?」
「ふーん。なにこいつ?」
一瞥して言い放つ。「ええと、私は、真魚と言います。雪姉様に助けていただきました。」
「こんなもん。拾ってこないで。飼わないわよ!」
「ええええ?」
「雪姉!自分が居候だって忘れてないわよね?」
「はい。覚えております。」
「なら、自分でなんとかしなさいよ!」
「お雪!すまないのじゃ。だが、このままでは、この娘は、風邪を引いてしまう」
「風邪?引くわけないでしょう!人間じゃあるまいし!」
真魚は、血の気が引きそうなる。完璧に人間の姿になったと思ったのにばれてる、どこか、ばれるような失敗をしたのだろうか?
「あの、あの、私、どこかおかしいのですか?人間の姿、完璧だと思ったのに?」
「人間の臭いがしないのよ!」
「えー?人間の臭いがしない?私、どんな臭いしてるんですか?」
『この子、ちょっと、おもろい』
お雪はちょっとからかってやろうなどと悪戯こ心を起こしてた
「…えーと、ちよっと生臭い」
がーん。真魚は思わずへたり込む。
「生臭い…そんな…やっぱり人魚は生臭くかんじるのかしら」
「正体は、人魚だったのね。魚介類類が地上に何の用?」
「魚介類…違います。人魚は哺乳類です」
「ジュゴンだったか?」
「いえ、イルカもクジラも哺乳類です。私は、人魚です」
「地上でも侵略しに来たの?」
「違います。私、人間の世界に憧れてきたの」
「はぁ…、王子さまにでも一目惚れでもしたのかしら?」
「人間の世界に憧れて…人間界に憧れて山から降りてきた誰かにそっくりじゃのう」
「うるさい。行くわよ!」
「はい!」
「さっき、ごめん。何か悪意があるやつなのかと警戒してたの、酷いこと言ったわ」
「そうじゃ。この能天気そうな、天然ものの人魚が、悪意を持ってるなどあり得んぞ」
「雪姉もなにげにひどい」
真魚は、数歩離れてついてくる。
「どうしたの、そんなに離れて…」
「だって、私臭いし…」
「あっ!」
「ほれ、お雪がひどいこと言うから…」
「ごめん。生臭いって嘘だから」
「え?」
「人間臭くないって言うのも具体的な臭いのことじゃないの。雰囲気といか気配的な話で…ごめんね。ごめんね。本当にごめん。」
「いいえ、気にしてません。」
「お雪、謝るがよい」
「うん、真魚ちゃん、ほんとうにごめん」
「許します。」
「ほら、そんなに離れなくていいよ。一緒に歩こう」
お雪が手を差し出す。


「はい!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

第一機動部隊

桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。 祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。

処理中です...