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真魚
第14話人魚は生臭い?
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二人は、町の公園にいる。
「雪姉様。服屋にいくのでは?」
「偉そうなことを言ったが、我も世俗のことにはうとくてな。それで世俗に詳しいものを助っ人に呼んでおる。」
「助っ人さんですか?」
「うむ。しばし待て」
二人のもとに一人の少女がやって来た。
「雪姉、何、急に呼び出して?」
「お雪、すまぬ。この娘の服を何とかしてやりたいのじゃ、手伝ってくれぬか?」
「ふーん。なにこいつ?」
一瞥して言い放つ。「ええと、私は、真魚と言います。雪姉様に助けていただきました。」
「こんなもん。拾ってこないで。飼わないわよ!」
「ええええ?」
「雪姉!自分が居候だって忘れてないわよね?」
「はい。覚えております。」
「なら、自分でなんとかしなさいよ!」
「お雪!すまないのじゃ。だが、このままでは、この娘は、風邪を引いてしまう」
「風邪?引くわけないでしょう!人間じゃあるまいし!」
真魚は、血の気が引きそうなる。完璧に人間の姿になったと思ったのにばれてる、どこか、ばれるような失敗をしたのだろうか?
「あの、あの、私、どこかおかしいのですか?人間の姿、完璧だと思ったのに?」
「人間の臭いがしないのよ!」
「えー?人間の臭いがしない?私、どんな臭いしてるんですか?」
『この子、ちょっと、おもろい』
お雪はちょっとからかってやろうなどと悪戯こ心を起こしてた
「…えーと、ちよっと生臭い」
がーん。真魚は思わずへたり込む。
「生臭い…そんな…やっぱり人魚は生臭くかんじるのかしら」
「正体は、人魚だったのね。魚介類類が地上に何の用?」
「魚介類…違います。人魚は哺乳類です」
「ジュゴンだったか?」
「いえ、イルカもクジラも哺乳類です。私は、人魚です」
「地上でも侵略しに来たの?」
「違います。私、人間の世界に憧れてきたの」
「はぁ…、王子さまにでも一目惚れでもしたのかしら?」
「人間の世界に憧れて…人間界に憧れて山から降りてきた誰かにそっくりじゃのう」
「うるさい。行くわよ!」
「はい!」
「さっき、ごめん。何か悪意があるやつなのかと警戒してたの、酷いこと言ったわ」
「そうじゃ。この能天気そうな、天然ものの人魚が、悪意を持ってるなどあり得んぞ」
「雪姉もなにげにひどい」
真魚は、数歩離れてついてくる。
「どうしたの、そんなに離れて…」
「だって、私臭いし…」
「あっ!」
「ほれ、お雪がひどいこと言うから…」
「ごめん。生臭いって嘘だから」
「え?」
「人間臭くないって言うのも具体的な臭いのことじゃないの。雰囲気といか気配的な話で…ごめんね。ごめんね。本当にごめん。」
「いいえ、気にしてません。」
「お雪、謝るがよい」
「うん、真魚ちゃん、ほんとうにごめん」
「許します。」
「ほら、そんなに離れなくていいよ。一緒に歩こう」
お雪が手を差し出す。
「はい!」
「雪姉様。服屋にいくのでは?」
「偉そうなことを言ったが、我も世俗のことにはうとくてな。それで世俗に詳しいものを助っ人に呼んでおる。」
「助っ人さんですか?」
「うむ。しばし待て」
二人のもとに一人の少女がやって来た。
「雪姉、何、急に呼び出して?」
「お雪、すまぬ。この娘の服を何とかしてやりたいのじゃ、手伝ってくれぬか?」
「ふーん。なにこいつ?」
一瞥して言い放つ。「ええと、私は、真魚と言います。雪姉様に助けていただきました。」
「こんなもん。拾ってこないで。飼わないわよ!」
「ええええ?」
「雪姉!自分が居候だって忘れてないわよね?」
「はい。覚えております。」
「なら、自分でなんとかしなさいよ!」
「お雪!すまないのじゃ。だが、このままでは、この娘は、風邪を引いてしまう」
「風邪?引くわけないでしょう!人間じゃあるまいし!」
真魚は、血の気が引きそうなる。完璧に人間の姿になったと思ったのにばれてる、どこか、ばれるような失敗をしたのだろうか?
「あの、あの、私、どこかおかしいのですか?人間の姿、完璧だと思ったのに?」
「人間の臭いがしないのよ!」
「えー?人間の臭いがしない?私、どんな臭いしてるんですか?」
『この子、ちょっと、おもろい』
お雪はちょっとからかってやろうなどと悪戯こ心を起こしてた
「…えーと、ちよっと生臭い」
がーん。真魚は思わずへたり込む。
「生臭い…そんな…やっぱり人魚は生臭くかんじるのかしら」
「正体は、人魚だったのね。魚介類類が地上に何の用?」
「魚介類…違います。人魚は哺乳類です」
「ジュゴンだったか?」
「いえ、イルカもクジラも哺乳類です。私は、人魚です」
「地上でも侵略しに来たの?」
「違います。私、人間の世界に憧れてきたの」
「はぁ…、王子さまにでも一目惚れでもしたのかしら?」
「人間の世界に憧れて…人間界に憧れて山から降りてきた誰かにそっくりじゃのう」
「うるさい。行くわよ!」
「はい!」
「さっき、ごめん。何か悪意があるやつなのかと警戒してたの、酷いこと言ったわ」
「そうじゃ。この能天気そうな、天然ものの人魚が、悪意を持ってるなどあり得んぞ」
「雪姉もなにげにひどい」
真魚は、数歩離れてついてくる。
「どうしたの、そんなに離れて…」
「だって、私臭いし…」
「あっ!」
「ほれ、お雪がひどいこと言うから…」
「ごめん。生臭いって嘘だから」
「え?」
「人間臭くないって言うのも具体的な臭いのことじゃないの。雰囲気といか気配的な話で…ごめんね。ごめんね。本当にごめん。」
「いいえ、気にしてません。」
「お雪、謝るがよい」
「うん、真魚ちゃん、ほんとうにごめん」
「許します。」
「ほら、そんなに離れなくていいよ。一緒に歩こう」
お雪が手を差し出す。
「はい!」
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