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真魚
第12話 だから、ゆきのんって言うな!
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私は、氷川 雪乃 女子高生。
最近、私には悩みがある。
学校から帰り部屋の扉を開けると頭をかかえる光景があった。
「このっ、このっ、うりゃっ、うりやっ!」
コントローラーを握りしめ格ゲーに夢中になってる美女がいる。
10年前から家に居候しているのいとこの美雪だ。「うりやっ!うりやっ!うりやぁぁぁ!!」
美雪は、ゲームがへただ。
下手だか大好きでほっておくと一日中やってる。
「おお、ゆきのん帰ったか?対戦しよう。やっぱ、しーぴーゆー相手ではもりあがらん」
「ゆきのん、言うなっ!」
「すまんすまん。で、やるか?」
「やらないわよっ!」
私がゆきのんと言われて怒るのは本名の雪乃が簡単に推測されてしまうからだ。
私達雪女は、本名を愛する人にしか明かせない。私は、普通お雪とよばれてる。
困ったことに美雪も普段をお雪を名乗ってる。
なので私は雪姉と呼ぶから、私をお雪と呼んでと言うのにゆきのん言う。
お雪と呼ばないと返事をしないと言ってある。
「そうか、じゃあやるか」
「だから、やらないって言ってんでしょっ!」
「じゃあ、何する?」
「勉強」
「うげぇー、せっかく遊んでるのに」
「うるさいっ!さっさと片付けてよねっ!」
「へいへーい。、なんで女子高生なんかやってるのよ。しかも40年も」
私は、卒業するとまた入学して一年から始めるを繰り返している。
何せ年をとらないから。
教師達の記憶は操作している。でも、流石に40回も繰り返してれば慣れてくる。
「そんなことより、早く片付けなさいよねっ!」
「はいはい」
夕食後、少しは遊んでやることにした。
格ゲーで容赦なくボコってやる。
「くそっ、なぜ勝てんのだっ!?」
「そりゃあ、私の方が上手いもの」
「ぐぬぬぬ…10年のあどばんてーじはいお大きすぎる…!」
「ふんっ」
私は、鼻をならした。
☆☆☆
「そう言えば、あんた好きな人できたの?」
「ん?なんじゃいきなり」
「いいえ、別に。で、どうなの?」
「ああ、いるぞ」
「ふぅん、どんな子?」
「そうじゃのう。普通の人間だ」
「そう。その子とは付き合ってないの?」
「まだじゃな」
「そう、じゃあ今度デートにでも誘えば」
「そうじゃな。そうするか」
「うん、頑張りなよ」
☆☆☆
「そう言えば、祭りがあるらしいのう?」
「ええ、毎年あるけどそれがどうかしたの?」
「我も行きたいのだがよいかの?」
「別に構わないけど、なんで?」
「まぁ、その、あれじゃ、気になる相手が行くのでじゃ」
「そう、じゃあ一緒に行こう」
そして、祭りの日
「なんじゃ、ゆきのん、そんな格好でいくつりかの?」
普段の私服だ。
「だから、ゆきのん言わない。何か問題?」
「祭りと言えば浴衣じゃろうが!」
美雪は、浴衣であった。
「別にいいわ。これで」
「風情があるまい。ほれ、手伝ってやるぞ」
美雪は、私の服を脱がしにかかったきた。
「やめて、このままでいいの」
「ダメじゃ。浴衣に着替えるのじゃ」
「わかったから、自分で着替える」
美雪の手を振りほどいて部屋に戻った。
☆☆☆
出店がなさ立ち並び賑わう。
「お雪ーっ!」
学校の友達出会う。
「今晩は」
「お雪ちゃん、こんばん」
「気合いはいってるねー!」
私の浴衣を見てる
「こっちは、いとこの雪姉」
友達に紹介する。
「よろしくお願いします」
「あっ、どうもこちらこそ」
美雪は頭を下げる
。
「では、我は用事があるのでの。友達とゆっくりまわるがいい」
美雪は去っていった。
☆☆☆
「ねぇ、お雪のいとこさん、綺麗ね」
「お雪に似てるね」
「まぁ、よく言われるよ」
私は苦笑い
友達と出店を回る。
「あ、りんご飴がある」
「私買ってくる。みんな待ってて」
「はいよ」
私は屋台に向かう。
「おじさん、一つください」
「あいよっ!」
「ありがとうございます」
お金を払って受け取る。
☆☆☆
「あ、あの」
後ろから声をかけられた。
振り向くとそこには、美雪がいた。
綿飴とヨーヨー風船、焼きとうもろこしを持ってる。
「満喫してるなぁ…」
「あ、ゆきのん」
「ゆきのん言うなっ!」
「ごめん、つい癖で」
「で、何?」
「これ、やる」
「ん?」
美雪は、りんご飴を差し出した。
「なに?くれるの?でも、もう買ったから要らない」
「そうか……いらないか……」
美雪は、しょんぼりした。
「用事はすんだの?」「いやまだじゃ」
「じゃあ、行かないと」
「むぅ、わかった。ではな」
☆☆☆
私は、美雪に背を向け歩き出す。「あ、そうだ。来週もお祭りあるみたいだからその時は一緒にいよう」
私は、振り返らず手を振った。
「そうか、また遊ぼう」
美雪も手を振る。
☆☆☆
ひとしきり遊んだ頃合い。そろそろ帰ろうとスマホで美雪に連絡する。
「雪姉、用事すんだ?そろそろかえるよ」
『おう。コンビニで待ち合わせしょうぞ』
声がご機嫌だ
「わかった。すぐいくよ」
☆☆☆
私は、コンビ二に向かった。
「遅いぞ、ゆきのん」
「だから、ゆきのん言わないで」
「すまぬ」
両手にパンパンに膨れたレジ袋
コンビ二でも買い漁ったらしい。
「さて、帰るか」「うん」
私は、美雪の手を握った。
☆☆☆
「今日は楽しかった。ありがと」
「我もじゃ」
「じゃあ、帰ろう」
「うむ、気をつけて、転ばんようにな」
「子供じゃない」
私は、家に帰った。
☆☆☆
私は、ベッドの上で考える。
(どうして、あんなに嬉しそうだったのかしら?)
次の日
「おはよう」
「昨日は、どうだったの?」
「ああ、あれはな。一緒にいるのが楽しくてな。ずっと一緒いたかったのだ」
「そう。おしかけちゃえば」
「なっ、ななっ!なに言ってるのよ!?」
「冗談よ」
美雪は、真面目にかんがえこむ。
「いいかも」
☆☆☆
「しかしだな、楽しい時間は早く過ぎるものだ。我も年をとった」
「まだ若いでしょ?」
「いや、10年前に比べたらな。やはり、年老いるものじゃ」
「ふぅん」
美雪は、窓の外を見た。
「いつか別れが来るのだろうな」
「不老不死でも永遠に存在できる訳じゃない。特に私達は、いつ消えるかわからない。」
「わかっている。ただ、それを考えると胸が苦しくなるのじゃ」
「私達は、本当にもう二人しかいないのかな?」
「少なくとも私は、他の仲間を見たことない」
「そう。みんな消えてしまったのかな?」
美雪は、寂しげに微笑みを浮かべた。
「ゆきのん……」
「ゆきのん言わないっ!」
「おお、すまぬ。つい癖で」
美雪は苦笑いをする。
「じゃあ、学校いってくる。」
「うむ、我も出掛けてくる」
「あの男、?」
「な、な、なん、なんで、それを」
「だって、いつも視線感じるし」
「そ、それは、その」
「まぁいいけどね。頑張りなよ」
「な、何をがんばるんじゃ?」
「いいから、行きなさいよっ!ただし、迷惑をかける!」
美雪を蹴り飛ばした。
「痛っ、乱暴なやつじゃのう……。ではな」
美雪は出掛けた。
☆☆☆
学校につくと
下駄箱に何通か、手紙はいってた。
「面倒な」
まとめてグリットとねじって丸めゴミ箱に放り込む。
1日授業を受けて帰ろうすると見知らぬ男子生徒に呼び止まられる
。
「あの、すみません」
「はい?何か用ですか?」
「手紙読んでくれました?」
(あれか…)
「読まずに捨てた」
「そ、そんなっ……!」
「用件それだけなら帰ります」
「待って下さい!」
腕を掴む。
「触るなっ!!」
私は、振りほどく。
「あの、好きです付き合ってください!」
「無理」
私は歩き出す。「あ、あのっ……」
私は立ち止まる。
「何?」
「あの、名前だけでも教えてくれませんか?」
「嫌だ」
「どうして……」
「興味がないから」
私は再び歩く。
「待ってくれっ!」
「しつこいなぁ……」
振り向き様にキッとにらむ。
男子生徒はしばらく意識を失った。
本能数分だが、意識を取り戻した時、ほんの数秒間間の記憶を失っていた。
「俺は何をしていたんだっけ…まあ、いいや帰ろう」
男子生徒は、そのまま帰っていった。
☆☆☆
お雪は家に帰宅した。
「雪姉は、まだ帰ってないのか」
お雪が雪姉が人間に恋してるその事を考えると少しモヤッとした気分になった。
「6時近い、まあ子供じゃないし…」
そう考えたが、ふと、気がつく美雪は、朝7時に出掛けた…つまり、かれこれ11時間…いやいや、これは迷惑だろう。
迎えに行こう。
なぜか急に腹が立ってきた。
「まったく、世話のかかる姉だ」
美雪を探しに出かけた。
☆☆
男の家を訪ねると、やはりいた。
「もっとシンジともっと、遊ぶー」
とか言ってるのを首寝根っこ掴んで帰る。
「おい、帰るぞ」「離せー」「ほれ」
美雪を投げ飛ばす。
「きゃあっ!」
美雪は、受け身をとって着地する。
「いきなりなにするんじゃ!?」「帰るぞ」「うむ」
途中、公園による。
「どういうつもり、雪姉の間抜けのせい私まで雪女てばれてるじゃない」
「すまん、つい楽しくてな」
「反省しろ」
美雪の頭を小突いた。
「誰かに話したらあの男殺す」
「雪姉はあの男が好きなの?」
「勘違いしないでっ!好きじゃないっ!ただ、ちょっとだけ一緒にいて楽しかっただけで、別に特別な感情なんてないしっ!それに私達、もうすぐ消えるかもしれないしっ」
「ツンデレ?なの?なぜ?雪姉はあの男を生かしたままにしてるの?」
「うるさいなぁ……。いいでしょ別に」
「雪姉の気持ちはわかった。でも、もう少し冷静になって」
「雪姉は、正体を知ってる以上あの男を殺すべきよ」
「そうか?」
「そうよ」
「確かにそうだが……」
「雪姉、お願いだから言うことを聞いて」
「でも、どうすればいいかわからない」
「雪姉にできないなら私が殺そうか?」
「ダメだ。それはだめだ」
「どうして?」
「わからない。でも彼を殺すくらいなら消えてしまってもいいと思ってる」
「そんなのだダメ!」
「なら告白して本名明かしなさい」
「えぇっ?…」
「告白しないで消えしてしまったら、あの男を殺す」
「えぇ……」
「それとも消える前に殺す?」
「いや……」
「じゃあ、早くしないと」
「少し時間をおくれ。怖いのじゃ…同じ時を過ごせないことが…先に彼を失ってしまうことに我は耐えられるだろうか?」
「雪姉……」
「考える時間が欲しいのだ」
「わかった。待つわ」
「ありがとう」
だが、私は約束をやぶろうとした。
その雪姉は、デートに誘うんだといそいそと嬉しそうに出掛けたはずなの、落ち込んで帰って来た。
「断られたの?」と聞いてもまるで要領が得られない。
ひどくへこんでいる。
私は、原因を知りたくあの男をさがす。
男の会社の近くの公園のベンチでため息をついてる男を見つけた。
殺してしまおうかと近ずいたが、雪姉の顔が頭に浮かんでためった。男と話し、雪姉をデートに誘うように言ってわかれた。
翌日、雪姉は、デートに誘われたとうかれていた。
そしてデートに来て服はどれがいいと大騒ぎを始めた。4時間もかけて選んだ。
「これで完璧であろう?」
と浮かれまくってるのでなんだかイラっとしてしてしまった。冗談のつもりで
「雪姉、大事なものを忘れてる」
と言ってやった。
すると、みるみる青ざめて泣きそうな顔になる。
「なに?」
「勝負パンツよ!」
「そんなのないっ!」
「ないの?じゃあ買ってくれば?」
「うむっ!かってくゆ!」
雪姉は走って行った。
冗談のつもりだったのだが…
本当に買いに行ったようだ。
「雪姉、大丈夫かな……」
☆☆☆
私は、下着屋に入る。
「いらっしゃいませ」
「すまぬ、ここの店で一番かわいいショーツとブラジャーをくれ」
「はい、かしこまりました」
店員は、私を上から下までじっくり見る。
「お客様は、そのお召し物では、少々幼すぎると思われますが……」
「わかっている。だが、今日はどうしても必要なのじゃ」
「失礼ですが、おいくつですか?」
「18歳だ」
「それでしたらこちらの商品がよろしいと思います」
「ふむ。見せてくれ」
「はい。どうぞ」
手渡されたものは、レースのついたピンクの可愛いものだった。
「ふむ。気に入ったぞ。これを貰おう」
「はい。お買い上げありがとうございます」
レジでお金を払う。
「お釣りはいらぬぞ」「えっ?あの?」
「よい、持って行け」
店を飛び出して家に帰る。
☆☆☆
雪姉が帰ってきた。
「ただいま」「おかえり」
「さて、準備をするかのぅ」
「雪姉」「なんじゃ?」
「頑張れ」
「そうだ。10年も居候させてもらって、世話になったのう」
「雪姉」
「なんじゃ?」
「楽しかったよ」
「もしかしてもう会うことが叶わぬやも知れんので言っておく。ありがとう。雪乃」
「私こそ、今までありがとね。美雪」
「うむ。では行ってくる。ゆきのん」」
「ゆきのん言うなっ!」
雪姉は出掛けて行った。
「全く最後まで」
最後とはかぎらないわね。
「帰ってきら、またゲームでボコってあげる」
その日の夕方、スマホに着信がある。
「おう。ゆきのん、すまん。今夜は帰らんぞ。心配は無用ぞ」
「うまくいったのね」
「ああ。ありがとう。」
「よかったわね」
「ああ」
「気をつけてね。それと…ゆきのんって呼ぶなっ!」
「じゃあな」
「うん」
電話を切る。
最近、私には悩みがある。
学校から帰り部屋の扉を開けると頭をかかえる光景があった。
「このっ、このっ、うりゃっ、うりやっ!」
コントローラーを握りしめ格ゲーに夢中になってる美女がいる。
10年前から家に居候しているのいとこの美雪だ。「うりやっ!うりやっ!うりやぁぁぁ!!」
美雪は、ゲームがへただ。
下手だか大好きでほっておくと一日中やってる。
「おお、ゆきのん帰ったか?対戦しよう。やっぱ、しーぴーゆー相手ではもりあがらん」
「ゆきのん、言うなっ!」
「すまんすまん。で、やるか?」
「やらないわよっ!」
私がゆきのんと言われて怒るのは本名の雪乃が簡単に推測されてしまうからだ。
私達雪女は、本名を愛する人にしか明かせない。私は、普通お雪とよばれてる。
困ったことに美雪も普段をお雪を名乗ってる。
なので私は雪姉と呼ぶから、私をお雪と呼んでと言うのにゆきのん言う。
お雪と呼ばないと返事をしないと言ってある。
「そうか、じゃあやるか」
「だから、やらないって言ってんでしょっ!」
「じゃあ、何する?」
「勉強」
「うげぇー、せっかく遊んでるのに」
「うるさいっ!さっさと片付けてよねっ!」
「へいへーい。、なんで女子高生なんかやってるのよ。しかも40年も」
私は、卒業するとまた入学して一年から始めるを繰り返している。
何せ年をとらないから。
教師達の記憶は操作している。でも、流石に40回も繰り返してれば慣れてくる。
「そんなことより、早く片付けなさいよねっ!」
「はいはい」
夕食後、少しは遊んでやることにした。
格ゲーで容赦なくボコってやる。
「くそっ、なぜ勝てんのだっ!?」
「そりゃあ、私の方が上手いもの」
「ぐぬぬぬ…10年のあどばんてーじはいお大きすぎる…!」
「ふんっ」
私は、鼻をならした。
☆☆☆
「そう言えば、あんた好きな人できたの?」
「ん?なんじゃいきなり」
「いいえ、別に。で、どうなの?」
「ああ、いるぞ」
「ふぅん、どんな子?」
「そうじゃのう。普通の人間だ」
「そう。その子とは付き合ってないの?」
「まだじゃな」
「そう、じゃあ今度デートにでも誘えば」
「そうじゃな。そうするか」
「うん、頑張りなよ」
☆☆☆
「そう言えば、祭りがあるらしいのう?」
「ええ、毎年あるけどそれがどうかしたの?」
「我も行きたいのだがよいかの?」
「別に構わないけど、なんで?」
「まぁ、その、あれじゃ、気になる相手が行くのでじゃ」
「そう、じゃあ一緒に行こう」
そして、祭りの日
「なんじゃ、ゆきのん、そんな格好でいくつりかの?」
普段の私服だ。
「だから、ゆきのん言わない。何か問題?」
「祭りと言えば浴衣じゃろうが!」
美雪は、浴衣であった。
「別にいいわ。これで」
「風情があるまい。ほれ、手伝ってやるぞ」
美雪は、私の服を脱がしにかかったきた。
「やめて、このままでいいの」
「ダメじゃ。浴衣に着替えるのじゃ」
「わかったから、自分で着替える」
美雪の手を振りほどいて部屋に戻った。
☆☆☆
出店がなさ立ち並び賑わう。
「お雪ーっ!」
学校の友達出会う。
「今晩は」
「お雪ちゃん、こんばん」
「気合いはいってるねー!」
私の浴衣を見てる
「こっちは、いとこの雪姉」
友達に紹介する。
「よろしくお願いします」
「あっ、どうもこちらこそ」
美雪は頭を下げる
。
「では、我は用事があるのでの。友達とゆっくりまわるがいい」
美雪は去っていった。
☆☆☆
「ねぇ、お雪のいとこさん、綺麗ね」
「お雪に似てるね」
「まぁ、よく言われるよ」
私は苦笑い
友達と出店を回る。
「あ、りんご飴がある」
「私買ってくる。みんな待ってて」
「はいよ」
私は屋台に向かう。
「おじさん、一つください」
「あいよっ!」
「ありがとうございます」
お金を払って受け取る。
☆☆☆
「あ、あの」
後ろから声をかけられた。
振り向くとそこには、美雪がいた。
綿飴とヨーヨー風船、焼きとうもろこしを持ってる。
「満喫してるなぁ…」
「あ、ゆきのん」
「ゆきのん言うなっ!」
「ごめん、つい癖で」
「で、何?」
「これ、やる」
「ん?」
美雪は、りんご飴を差し出した。
「なに?くれるの?でも、もう買ったから要らない」
「そうか……いらないか……」
美雪は、しょんぼりした。
「用事はすんだの?」「いやまだじゃ」
「じゃあ、行かないと」
「むぅ、わかった。ではな」
☆☆☆
私は、美雪に背を向け歩き出す。「あ、そうだ。来週もお祭りあるみたいだからその時は一緒にいよう」
私は、振り返らず手を振った。
「そうか、また遊ぼう」
美雪も手を振る。
☆☆☆
ひとしきり遊んだ頃合い。そろそろ帰ろうとスマホで美雪に連絡する。
「雪姉、用事すんだ?そろそろかえるよ」
『おう。コンビニで待ち合わせしょうぞ』
声がご機嫌だ
「わかった。すぐいくよ」
☆☆☆
私は、コンビ二に向かった。
「遅いぞ、ゆきのん」
「だから、ゆきのん言わないで」
「すまぬ」
両手にパンパンに膨れたレジ袋
コンビ二でも買い漁ったらしい。
「さて、帰るか」「うん」
私は、美雪の手を握った。
☆☆☆
「今日は楽しかった。ありがと」
「我もじゃ」
「じゃあ、帰ろう」
「うむ、気をつけて、転ばんようにな」
「子供じゃない」
私は、家に帰った。
☆☆☆
私は、ベッドの上で考える。
(どうして、あんなに嬉しそうだったのかしら?)
次の日
「おはよう」
「昨日は、どうだったの?」
「ああ、あれはな。一緒にいるのが楽しくてな。ずっと一緒いたかったのだ」
「そう。おしかけちゃえば」
「なっ、ななっ!なに言ってるのよ!?」
「冗談よ」
美雪は、真面目にかんがえこむ。
「いいかも」
☆☆☆
「しかしだな、楽しい時間は早く過ぎるものだ。我も年をとった」
「まだ若いでしょ?」
「いや、10年前に比べたらな。やはり、年老いるものじゃ」
「ふぅん」
美雪は、窓の外を見た。
「いつか別れが来るのだろうな」
「不老不死でも永遠に存在できる訳じゃない。特に私達は、いつ消えるかわからない。」
「わかっている。ただ、それを考えると胸が苦しくなるのじゃ」
「私達は、本当にもう二人しかいないのかな?」
「少なくとも私は、他の仲間を見たことない」
「そう。みんな消えてしまったのかな?」
美雪は、寂しげに微笑みを浮かべた。
「ゆきのん……」
「ゆきのん言わないっ!」
「おお、すまぬ。つい癖で」
美雪は苦笑いをする。
「じゃあ、学校いってくる。」
「うむ、我も出掛けてくる」
「あの男、?」
「な、な、なん、なんで、それを」
「だって、いつも視線感じるし」
「そ、それは、その」
「まぁいいけどね。頑張りなよ」
「な、何をがんばるんじゃ?」
「いいから、行きなさいよっ!ただし、迷惑をかける!」
美雪を蹴り飛ばした。
「痛っ、乱暴なやつじゃのう……。ではな」
美雪は出掛けた。
☆☆☆
学校につくと
下駄箱に何通か、手紙はいってた。
「面倒な」
まとめてグリットとねじって丸めゴミ箱に放り込む。
1日授業を受けて帰ろうすると見知らぬ男子生徒に呼び止まられる
。
「あの、すみません」
「はい?何か用ですか?」
「手紙読んでくれました?」
(あれか…)
「読まずに捨てた」
「そ、そんなっ……!」
「用件それだけなら帰ります」
「待って下さい!」
腕を掴む。
「触るなっ!!」
私は、振りほどく。
「あの、好きです付き合ってください!」
「無理」
私は歩き出す。「あ、あのっ……」
私は立ち止まる。
「何?」
「あの、名前だけでも教えてくれませんか?」
「嫌だ」
「どうして……」
「興味がないから」
私は再び歩く。
「待ってくれっ!」
「しつこいなぁ……」
振り向き様にキッとにらむ。
男子生徒はしばらく意識を失った。
本能数分だが、意識を取り戻した時、ほんの数秒間間の記憶を失っていた。
「俺は何をしていたんだっけ…まあ、いいや帰ろう」
男子生徒は、そのまま帰っていった。
☆☆☆
お雪は家に帰宅した。
「雪姉は、まだ帰ってないのか」
お雪が雪姉が人間に恋してるその事を考えると少しモヤッとした気分になった。
「6時近い、まあ子供じゃないし…」
そう考えたが、ふと、気がつく美雪は、朝7時に出掛けた…つまり、かれこれ11時間…いやいや、これは迷惑だろう。
迎えに行こう。
なぜか急に腹が立ってきた。
「まったく、世話のかかる姉だ」
美雪を探しに出かけた。
☆☆
男の家を訪ねると、やはりいた。
「もっとシンジともっと、遊ぶー」
とか言ってるのを首寝根っこ掴んで帰る。
「おい、帰るぞ」「離せー」「ほれ」
美雪を投げ飛ばす。
「きゃあっ!」
美雪は、受け身をとって着地する。
「いきなりなにするんじゃ!?」「帰るぞ」「うむ」
途中、公園による。
「どういうつもり、雪姉の間抜けのせい私まで雪女てばれてるじゃない」
「すまん、つい楽しくてな」
「反省しろ」
美雪の頭を小突いた。
「誰かに話したらあの男殺す」
「雪姉はあの男が好きなの?」
「勘違いしないでっ!好きじゃないっ!ただ、ちょっとだけ一緒にいて楽しかっただけで、別に特別な感情なんてないしっ!それに私達、もうすぐ消えるかもしれないしっ」
「ツンデレ?なの?なぜ?雪姉はあの男を生かしたままにしてるの?」
「うるさいなぁ……。いいでしょ別に」
「雪姉の気持ちはわかった。でも、もう少し冷静になって」
「雪姉は、正体を知ってる以上あの男を殺すべきよ」
「そうか?」
「そうよ」
「確かにそうだが……」
「雪姉、お願いだから言うことを聞いて」
「でも、どうすればいいかわからない」
「雪姉にできないなら私が殺そうか?」
「ダメだ。それはだめだ」
「どうして?」
「わからない。でも彼を殺すくらいなら消えてしまってもいいと思ってる」
「そんなのだダメ!」
「なら告白して本名明かしなさい」
「えぇっ?…」
「告白しないで消えしてしまったら、あの男を殺す」
「えぇ……」
「それとも消える前に殺す?」
「いや……」
「じゃあ、早くしないと」
「少し時間をおくれ。怖いのじゃ…同じ時を過ごせないことが…先に彼を失ってしまうことに我は耐えられるだろうか?」
「雪姉……」
「考える時間が欲しいのだ」
「わかった。待つわ」
「ありがとう」
だが、私は約束をやぶろうとした。
その雪姉は、デートに誘うんだといそいそと嬉しそうに出掛けたはずなの、落ち込んで帰って来た。
「断られたの?」と聞いてもまるで要領が得られない。
ひどくへこんでいる。
私は、原因を知りたくあの男をさがす。
男の会社の近くの公園のベンチでため息をついてる男を見つけた。
殺してしまおうかと近ずいたが、雪姉の顔が頭に浮かんでためった。男と話し、雪姉をデートに誘うように言ってわかれた。
翌日、雪姉は、デートに誘われたとうかれていた。
そしてデートに来て服はどれがいいと大騒ぎを始めた。4時間もかけて選んだ。
「これで完璧であろう?」
と浮かれまくってるのでなんだかイラっとしてしてしまった。冗談のつもりで
「雪姉、大事なものを忘れてる」
と言ってやった。
すると、みるみる青ざめて泣きそうな顔になる。
「なに?」
「勝負パンツよ!」
「そんなのないっ!」
「ないの?じゃあ買ってくれば?」
「うむっ!かってくゆ!」
雪姉は走って行った。
冗談のつもりだったのだが…
本当に買いに行ったようだ。
「雪姉、大丈夫かな……」
☆☆☆
私は、下着屋に入る。
「いらっしゃいませ」
「すまぬ、ここの店で一番かわいいショーツとブラジャーをくれ」
「はい、かしこまりました」
店員は、私を上から下までじっくり見る。
「お客様は、そのお召し物では、少々幼すぎると思われますが……」
「わかっている。だが、今日はどうしても必要なのじゃ」
「失礼ですが、おいくつですか?」
「18歳だ」
「それでしたらこちらの商品がよろしいと思います」
「ふむ。見せてくれ」
「はい。どうぞ」
手渡されたものは、レースのついたピンクの可愛いものだった。
「ふむ。気に入ったぞ。これを貰おう」
「はい。お買い上げありがとうございます」
レジでお金を払う。
「お釣りはいらぬぞ」「えっ?あの?」
「よい、持って行け」
店を飛び出して家に帰る。
☆☆☆
雪姉が帰ってきた。
「ただいま」「おかえり」
「さて、準備をするかのぅ」
「雪姉」「なんじゃ?」
「頑張れ」
「そうだ。10年も居候させてもらって、世話になったのう」
「雪姉」
「なんじゃ?」
「楽しかったよ」
「もしかしてもう会うことが叶わぬやも知れんので言っておく。ありがとう。雪乃」
「私こそ、今までありがとね。美雪」
「うむ。では行ってくる。ゆきのん」」
「ゆきのん言うなっ!」
雪姉は出掛けて行った。
「全く最後まで」
最後とはかぎらないわね。
「帰ってきら、またゲームでボコってあげる」
その日の夕方、スマホに着信がある。
「おう。ゆきのん、すまん。今夜は帰らんぞ。心配は無用ぞ」
「うまくいったのね」
「ああ。ありがとう。」
「よかったわね」
「ああ」
「気をつけてね。それと…ゆきのんって呼ぶなっ!」
「じゃあな」
「うん」
電話を切る。
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※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
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