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雪姉
第10話 遊園地
しおりを挟む### 遊園地到着
遊園地に着いた。お雪は目を輝かせている。シンジはチケットを買うために並んでいる。
お雪はキョロキョロと辺りを見ている。シンジがチケットを買って戻ってくると、お雪はシンジの服の袖をつかんで引っ張った。
「シンジ、あれに乗ろうぞ」
お雪が指差したのはジェットコースターだった。シンジは絶叫系が苦手だが、お雪の楽しそうな顔を見ると断れない。
「わかりました、乗りましょう」
ジェットコースターに乗ると、お雪は大声で歓声を上げた。一方、シンジは顔を青くしていた。
「次はあれじゃ!」
お雪が次に選んだのはお化け屋敷だった。シンジはお化けが大の苦手で、暗いところも怖い。最悪だとシンジは思ったが、お雪の手を握りしめて勇気を振り絞った。
「大体、雪女をお化け屋敷に誘うのがおかしいぞ……」
お雪はぶつくさ言っているが、シンジは手を引いて歩く。お雪は顔が真っ赤だ。
出口が見えてきた。シンジはホッとする。お雪を見ると、少し残念そうな顔をしていた。
「どうしました?」
「いや、なんでもないぞ」
「そうですか?じゃあ、行きましょう」
シンジは手を離そうとしたが、お雪がギュッと握ってくる。シンジはドキドキする。
(え?なに?どういう状況?)
シンジが戸惑っていると、お雪は何か決意したような表情をする。そして、シンジの腕に抱きついてくる。
「ちょっ!ちょっと!」
「いいではないか!誰も見ておらぬ!」
シンジの顔がどんどん熱くなる。お雪の顔も赤い。お雪はシンジの腕に頬擦りする。
「あのー、当たってますよ」
「当てておるんじゃ!馬鹿者め!」
お雪はさらに強くシンジの腕に胸を押しつける。
(うおおぉぉーー!柔らかい!気持ちいい!)
「ほら!行くぞ!」
お雪はシンジの腕を引っ張りながら、走る。二人は走ってお化け屋敷を出た。
---
### メリーゴーランド
メリーゴーランドに着いた。お雪はとてもワクワクしている。シンジはお雪に言う。
「じゃあ、俺はこの馬に乗りますね」
「ふーん、なるほど。わかったぞ」
「じゃあ、またあとで会いましょう」
「うむ、ではの」
お雪はシンジに手を振る。お雪は一人で馬車のところに行った。
---
シンジは白馬に乗っている。すると、お雪が隣に座った。
「あれ?お雪さん?」
「なんじゃ?」
「いえ、一人じゃなかったんですか?」
「何を言っておる。我は最初からシンジの隣におるぞ。」
「へぇー、それはすいませんでした」
「なんじゃその言い方は!」
お雪はシンジの肩を叩く。
「痛いですよ」
「ふん、もうよい」
「ごめんなさい」
「許してやる」
「ありがとうございます」
お雪はシンジを見つめる。
「なんです?」
「なにもないぞ」
「そうですか」
「ああ」
「ところで、なんでこっちに来たのじゃ?」
「いえ、別に理由はないですけど」
シンジは適当にはぐらかす。お雪は不満そうだ。そして、シンジの耳元で囁く。
「じゃが、一緒にいたかっただけなら、嬉しいぞ」
シンジはドキッとした。
「そろそろ、回り始めますよ」
「そうじゃな」
---
### コーヒーカップ
メリーゴーランドが終わり、次に二人はコーヒーカップに乗ることにした。並んで椅子に座り、ハンドルを握る。シンジはぐるぐる回る景色を見ていた。
「すごいですね」
「うむ、綺麗じゃのう」
「そうですね。すごく綺麗だ」
「うむ」
「……」
「……」
「あのー」
「なんだ?」
「楽しいですか?」
「うむ、もちろんだ」
「それならよかった」
「うむ、ありがとう」
「いえいえ」
「……」
「……」
「あのー」
「なんじゃ?」
「やっぱりなんでもないです」
「なんじゃそれは!」
「なんでもないですって」
「気になるじゃろうが!」
お雪は怒ってシンジの方を見る。シンジはお雪と目が合い、慌てて目をそらす。そして、シンジは言う。
「お雪さんが可愛いと思ったからです」
お雪の顔が赤くなる。お雪はシンジから顔を背ける。そして言う。
「我も、言いたいことがある」
「はい、なんでしょう?」
「我も、シンジと一緒にいて、とても楽しいぞ」
お雪は微笑んだ。シンジは顔を赤くする。
「どうしたんじゃ?顔が赤いぞ?まさか熱でもあるのか!?」
お雪はシンジのおでこに自分のおでこを当てる。
「大丈夫みたいじゃな」
「はい、熱はないと思います」
「ふむ、そうか。しかし、心配じゃのぅ」
お雪は困った表情をしている。
「大丈夫ですよ。元気です」
「本当か?」
「はい」
「そうか。だが、無理はするでないぞ」
「わかりました」
「うむ」
お雪は満足そうな笑顔を浮かべた。シンジもお雪につられて笑う。二人の周りはキラキラ輝いていた。
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