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雪姉
第1話 雪乃
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### 雪姉の再会と新たな日々
美雪、通称雪姉は、久しぶりに従妹の雪乃の家を訪ねることにした。立派な一軒家に到着すると、驚いた表情の雪乃が迎えてくれた。
「雪姉!?久しぶりすぎるわ」
「おう、雪乃。元気にしておったか?」
「まあ、ね。どうぞ入って、あら?」
雪姉の着物の帯留めにアニメキャラのキーホルダーが揺れていた。
雪姉は部屋に入ると、まず大きくて薄い液晶テレビに目を奪われた。
「何じゃ?このうすっぺらでおおきなテレビは?」
「それは液晶テレビよ。今じゃ普通だけどね」
雪姉はさらに部屋を見回し、いくつかの異なるチャンネルが映し出されるテレビに目を留めた。
「なんでここの放送局は、アニメしかやっとらん?神局じゃ!」
「それはアニメ専門チャンネルだよ、スカパーの」
「おおっ、こっちの放送局は、歌番組しかやっとらん?」
「それもスカパーの音楽チャンネルだね。何百もチャンネルがあるんだよ」
次に、部屋の片隅に置かれたゲーム機に目を奪われた。
「おお、ゲーム機があるではないか!お雪、対戦しようぞ」
しかし、彼女が知っている機種は見当たらなかった。
「ファミコンは、ないのか?」
「雪姉、ファミコンは、すでに終了してるの。後継のスーファミもだいぶ前に」
「なんじゃと?終了?がーん!」
「まさかメガドライブも?」
「えーと、セガ自体、家庭用ゲーム機から撤退したのよ」
「がーん!なんということだ」
「では、今のゲーム機は?」
「任天堂なら、スイッチ。ソニーなら、PS5よ」
「5じゃと??」
雪姉は驚きのあまり口を開けたままだった。昔の思い出が次々と蘇り、彼女は一瞬言葉を失った。
「そうだ、せっかくだから新しいゲームを教えてあげるよ」
雪乃はニヤリと笑いながら、最新のゲーム機を手に取った。雪姉は少し戸惑いながらも、新しい世界への興味が抑えきれずに近づいた。
「これが、今のゲームか…」
「なんと美麗なCGではないか!これが現代科学か!」
「ゲーム機よ、大袈裟ね」と雪乃は苦笑しながら答えた。
雪姉はコントローラーを手に取り、ゲームの操作方法を学び始めた。
「こう、こうこうか、なるほど簡単ではないか。では、お雪、対戦するのじゃ」
「ええ、いいわよ」
雪姉は画面に集中し、操作を覚えるのに夢中になっていた。しかし、対戦が始まると、雪乃のキャラクターに瞬殺されてしまった。
「ぐぬぬぬぬ、やはりなれん機種は、難しいのう」
雪姉は悔しそうにコントローラーを握りしめ、再戦を誓った。
「お雪もう一戦しようぞ」
「ごめん。学校の課題があるの」
「なに?お主、まだ女子高生やっとるのか?40年くらいやっとらんか?」
「雪女は、年をとらないからいいでしょう?」
「しかし、あれは3年くらいで追い出されるのでは?」
「卒業ね」
「どうしてるのだ?」
「全員の記憶操作して、また入学するのよ」
「もの好きなことぞ。40年もやってるとはベテランJKじゃの」
「うるさい!ベテランいうな!」
「せめて、もう一戦」
「やらないわよ」
「そう言わず。なあ、たのむ、ゆきのん」
「ゆきのん言うな!」
「ごめんごめん、つい癖で」
雪姉は笑いながらも、もう一戦を諦めることにした。雪乃は課題に集中し、雪姉は新しいゲーム機の操作に慣れるため、ひとりで黙々とプレイを続けた。
やがて雪姉は、CPU相手にハードモードでプレイし始めた。
「ほう、ハードモードでも、楽勝ではないか?これは我が弱いのではなく、ゆきのんが異常に強いということではないか!さてはゆきのんめ、やり込んでおるな!」
雪姉は納得したように頷き、再び挑戦の意欲を燃やした。
美雪、通称雪姉は、久しぶりに従妹の雪乃の家を訪ねることにした。立派な一軒家に到着すると、驚いた表情の雪乃が迎えてくれた。
「雪姉!?久しぶりすぎるわ」
「おう、雪乃。元気にしておったか?」
「まあ、ね。どうぞ入って、あら?」
雪姉の着物の帯留めにアニメキャラのキーホルダーが揺れていた。
雪姉は部屋に入ると、まず大きくて薄い液晶テレビに目を奪われた。
「何じゃ?このうすっぺらでおおきなテレビは?」
「それは液晶テレビよ。今じゃ普通だけどね」
雪姉はさらに部屋を見回し、いくつかの異なるチャンネルが映し出されるテレビに目を留めた。
「なんでここの放送局は、アニメしかやっとらん?神局じゃ!」
「それはアニメ専門チャンネルだよ、スカパーの」
「おおっ、こっちの放送局は、歌番組しかやっとらん?」
「それもスカパーの音楽チャンネルだね。何百もチャンネルがあるんだよ」
次に、部屋の片隅に置かれたゲーム機に目を奪われた。
「おお、ゲーム機があるではないか!お雪、対戦しようぞ」
しかし、彼女が知っている機種は見当たらなかった。
「ファミコンは、ないのか?」
「雪姉、ファミコンは、すでに終了してるの。後継のスーファミもだいぶ前に」
「なんじゃと?終了?がーん!」
「まさかメガドライブも?」
「えーと、セガ自体、家庭用ゲーム機から撤退したのよ」
「がーん!なんということだ」
「では、今のゲーム機は?」
「任天堂なら、スイッチ。ソニーなら、PS5よ」
「5じゃと??」
雪姉は驚きのあまり口を開けたままだった。昔の思い出が次々と蘇り、彼女は一瞬言葉を失った。
「そうだ、せっかくだから新しいゲームを教えてあげるよ」
雪乃はニヤリと笑いながら、最新のゲーム機を手に取った。雪姉は少し戸惑いながらも、新しい世界への興味が抑えきれずに近づいた。
「これが、今のゲームか…」
「なんと美麗なCGではないか!これが現代科学か!」
「ゲーム機よ、大袈裟ね」と雪乃は苦笑しながら答えた。
雪姉はコントローラーを手に取り、ゲームの操作方法を学び始めた。
「こう、こうこうか、なるほど簡単ではないか。では、お雪、対戦するのじゃ」
「ええ、いいわよ」
雪姉は画面に集中し、操作を覚えるのに夢中になっていた。しかし、対戦が始まると、雪乃のキャラクターに瞬殺されてしまった。
「ぐぬぬぬぬ、やはりなれん機種は、難しいのう」
雪姉は悔しそうにコントローラーを握りしめ、再戦を誓った。
「お雪もう一戦しようぞ」
「ごめん。学校の課題があるの」
「なに?お主、まだ女子高生やっとるのか?40年くらいやっとらんか?」
「雪女は、年をとらないからいいでしょう?」
「しかし、あれは3年くらいで追い出されるのでは?」
「卒業ね」
「どうしてるのだ?」
「全員の記憶操作して、また入学するのよ」
「もの好きなことぞ。40年もやってるとはベテランJKじゃの」
「うるさい!ベテランいうな!」
「せめて、もう一戦」
「やらないわよ」
「そう言わず。なあ、たのむ、ゆきのん」
「ゆきのん言うな!」
「ごめんごめん、つい癖で」
雪姉は笑いながらも、もう一戦を諦めることにした。雪乃は課題に集中し、雪姉は新しいゲーム機の操作に慣れるため、ひとりで黙々とプレイを続けた。
やがて雪姉は、CPU相手にハードモードでプレイし始めた。
「ほう、ハードモードでも、楽勝ではないか?これは我が弱いのではなく、ゆきのんが異常に強いということではないか!さてはゆきのんめ、やり込んでおるな!」
雪姉は納得したように頷き、再び挑戦の意欲を燃やした。
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