シン雪女伝説

 (笑)

文字の大きさ
上 下
2 / 46
雪姉

第1話 雪乃

しおりを挟む
### 雪姉の再会と新たな日々

美雪、通称雪姉は、久しぶりに従妹の雪乃の家を訪ねることにした。立派な一軒家に到着すると、驚いた表情の雪乃が迎えてくれた。

「雪姉!?久しぶりすぎるわ」

「おう、雪乃。元気にしておったか?」

「まあ、ね。どうぞ入って、あら?」 
雪姉の着物の帯留めにアニメキャラのキーホルダーが揺れていた。

雪姉は部屋に入ると、まず大きくて薄い液晶テレビに目を奪われた。

「何じゃ?このうすっぺらでおおきなテレビは?」

「それは液晶テレビよ。今じゃ普通だけどね」

雪姉はさらに部屋を見回し、いくつかの異なるチャンネルが映し出されるテレビに目を留めた。

「なんでここの放送局は、アニメしかやっとらん?神局じゃ!」

「それはアニメ専門チャンネルだよ、スカパーの」

「おおっ、こっちの放送局は、歌番組しかやっとらん?」

「それもスカパーの音楽チャンネルだね。何百もチャンネルがあるんだよ」

次に、部屋の片隅に置かれたゲーム機に目を奪われた。

「おお、ゲーム機があるではないか!お雪、対戦しようぞ」

しかし、彼女が知っている機種は見当たらなかった。

「ファミコンは、ないのか?」

「雪姉、ファミコンは、すでに終了してるの。後継のスーファミもだいぶ前に」

「なんじゃと?終了?がーん!」

「まさかメガドライブも?」

「えーと、セガ自体、家庭用ゲーム機から撤退したのよ」

「がーん!なんということだ」

「では、今のゲーム機は?」

「任天堂なら、スイッチ。ソニーなら、PS5よ」

「5じゃと??」

雪姉は驚きのあまり口を開けたままだった。昔の思い出が次々と蘇り、彼女は一瞬言葉を失った。

「そうだ、せっかくだから新しいゲームを教えてあげるよ」

雪乃はニヤリと笑いながら、最新のゲーム機を手に取った。雪姉は少し戸惑いながらも、新しい世界への興味が抑えきれずに近づいた。

「これが、今のゲームか…」

「なんと美麗なCGではないか!これが現代科学か!」

「ゲーム機よ、大袈裟ね」と雪乃は苦笑しながら答えた。

雪姉はコントローラーを手に取り、ゲームの操作方法を学び始めた。

「こう、こうこうか、なるほど簡単ではないか。では、お雪、対戦するのじゃ」

「ええ、いいわよ」

雪姉は画面に集中し、操作を覚えるのに夢中になっていた。しかし、対戦が始まると、雪乃のキャラクターに瞬殺されてしまった。

「ぐぬぬぬぬ、やはりなれん機種は、難しいのう」

雪姉は悔しそうにコントローラーを握りしめ、再戦を誓った。

「お雪もう一戦しようぞ」

「ごめん。学校の課題があるの」

「なに?お主、まだ女子高生やっとるのか?40年くらいやっとらんか?」

「雪女は、年をとらないからいいでしょう?」

「しかし、あれは3年くらいで追い出されるのでは?」

「卒業ね」

「どうしてるのだ?」

「全員の記憶操作して、また入学するのよ」

「もの好きなことぞ。40年もやってるとはベテランJKじゃの」

「うるさい!ベテランいうな!」

「せめて、もう一戦」

「やらないわよ」

「そう言わず。なあ、たのむ、ゆきのん」

「ゆきのん言うな!」

「ごめんごめん、つい癖で」

雪姉は笑いながらも、もう一戦を諦めることにした。雪乃は課題に集中し、雪姉は新しいゲーム機の操作に慣れるため、ひとりで黙々とプレイを続けた。

やがて雪姉は、CPU相手にハードモードでプレイし始めた。

「ほう、ハードモードでも、楽勝ではないか?これは我が弱いのではなく、ゆきのんが異常に強いということではないか!さてはゆきのんめ、やり込んでおるな!」

雪姉は納得したように頷き、再び挑戦の意欲を燃やした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

十人十色の強制ダンジョン攻略生活

ほんのり雪達磨
ファンタジー
クリアしなければ、死ぬこともできません。 妙な部屋で目が覚めた大量の人種を問わない人たちに、自称『運営』と名乗る何かは一方的にそう告げた。 難易度別に分けられたダンジョンと呼ぶ何かにランダムに配置されていて、クリア条件を達成しない限りリスポーンし続ける状態を強制されてしまった、らしい。 そんな理不尽に攫われて押し付けられた人たちの強制ダンジョン攻略生活。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

転生王子はダラけたい

朝比奈 和
ファンタジー
 大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。  束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!  と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!  ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!  ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり! ※2016年11月。第1巻  2017年 4月。第2巻  2017年 9月。第3巻  2017年12月。第4巻  2018年 3月。第5巻  2018年 8月。第6巻  2018年12月。第7巻  2019年 5月。第8巻  2019年10月。第9巻  2020年 6月。第10巻  2020年12月。第11巻 出版しました。  PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。  投稿継続中です。よろしくお願いします!

処理中です...