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異世界征服はじめました
謀略
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アルカジェリカ公王国の首都アルカナで領主会議が行われる。
アルカジェリカに併合された、旧諸国と属国となったダグオン帝国のバリウス皇帝、ルウム領主のアレン王子とモルトル領主のリロードア侯爵等が出席予定だ。ケツァルコアトルスからは、ブラッド・ルージュが参加している。
アルカナに到着した各領主は茫然とする見たこともない建造物で構成された大都市に生まれ変わっていたのだ。
「なんだこれは?」
「まるで、魔法都市だな」
「これが噂に聞く魔族なのか?」
「しかし、これほどとは……」
「こんなものを作れるものなのか?」
「我々に技術提供してくれるのか?」
「無理だろうな。あんな化け物どもに勝てるわけがない。」
「では、どうやって?」
「知らん。だが、協力すれば、利用価値があるかもしれないぞ」
「確かにな」
「そうだな」
「しかし、これだけの技術力があれば、我々の帝国など一瞬にして滅ぼせるな」
「それはないだろう。この世界には、魔王と呼ばれる存在がいるらしいからな」
「なるほど、それなら納得できる」
「うむ。」
「ところで、ここにきた目的はなんなのだ?」
「うむ。それは、おそらく、あの街に関係あると思うのだが」
「そういえば、あの街はなんなのだ?いったい誰が作ったのか?」
「うむ。それも謎だ。」
「とにかく、行ってみるしかないようだな」
「その通りだ。」
「うむ。そうするとしようか」
☆☆☆
「では、アルジェリカ連邦公王国の領主会議をはじめる」
議長が開会を宣言する。
「まず、今回の議題について、報告させていただきます。」
司会が続ける。
「まず、ダグオン帝国のバリウス皇帝陛下よりご挨拶を頂きます。」
「諸君。我が、帝都が壊滅的被害を受けたことは、すでに聞き及んでいるであろう。幸いなことに、私は、奇跡的に助かった。私は、帝都復興のため全力を尽くしたいと考えている。また、私の命を救ってくれたのが、ののか様である。私は、ののか様に忠誠を誓った。ののか様は、私の恩人でもある。私は、ののか様のために働きたいと思っている。」
「私からも一言、ののか様のおかげで、私は、命を救われた。ののか様は、私の希望の光だ。私は、ののか様の忠実な下僕になるつもりだ。」
「そして、私は、ののか様の忠実なる配下となる。皆も私とともに、ののか様の手足となって働いて欲しい。」
「私の話は以上だ。」
「ありがとうございます。」
「続いて、ケツァルコアトルスのブラッド・ルージュ殿お願いします。」
「バリウス、その言葉、ののか様もたいへんおよろこびになるでしょう。」
「うむ。そう願っている。」
「ののか様に忠誠もってお使いすればダグオンもこの都市のように発展することを約束しましょう。これは、他の領地も同様です。さあ、全員、ののか様に忠誠を誓うのです」
会場は、ざわめく。
「ブラッド・ルージュ殿、それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味です。」
「我々は、ののか様のものです。」
「そのとおりです。」
「わかりました。ののか様への忠誠を誓います。」
こうして、アルカナの街は、ケツァルコアトルスの支配下に入った。
「さて、次の議題ですが……」
☆☆☆
領主会議でののかみおんの演説を聞いた領主達は、驚愕していた。
「これは、どうしたものかな」
「はい。おそらく、ケツァルコアトルスの仕業と思われますが」
「まさか、ここまでとは……」
「我々が束になっても敵わないのかもしれませんね」
「そんなことはないはずだ。我々にも、それなりの技術はある。」
「確かに、魔法科学とやらには驚かされたが、我々が、魔法科学を学べば、対抗できるのではないか?」
「それができればよいのですが……」
「ふっ。やはり、ケツァルコアトルスの技術は、驚異的だな」
「はい。あの都市を見たときは、本当に驚きました」
「うむ。」
「それにしても、ののか様とは、どのような方なのでしょうね」
「わからん。だが、少なくとも、我々に敵対の意思はないようだな」
「そうですね。友好的な関係を築ければいいのですけど」
「うむ。そうだな」
☆☆☆
「今日は、これで終わりにしましょう。」
「そうだな。」
「では、解散といたしましょう。」
領主会議は終了した。
「ブラッド・ルージュ様」
「なんです?クロード王」
「今回は、ののか様は、お見栄下さらないのですか?」
「今ののか様は、魔族どもの解剖が忙しくて手が放せないのです。」
「そうなのですか?」
「ええ、今は、魔族の臓器移植の研究をしているところらしいですよ。」
「へー魔族でも移植するんだ」
「みたいですね。」
「しかし、魔族を生け捕りにするのは大変ではないでしょうか?」
「もう魔族領は全滅しています。魔族国民は全てののか様の手の内です。帝国も魔族の驚異がなくなり安泰になりました、そうですね?バリウス」
「はい。ののか様のおかげをもちまして、魔族の脅威は去りました。これからは、ののか様のために働く所存であります。」
「そうですか。それはよかった。」
「バリウスは、ののか様に忠誠を誓いましたか?」
「はい。もちろんでございます。」
「そうですか。それは良かった。」
「クーロド王よ。ののか様に何か望むことでもありましたか?お伝えしてもよろしくてよ」ブラッド・ルージュは、わざとらしく尋ねる。
その様子は、まるで、主人の望みが叶うことを確信しているかのようだ。
クールド王は、冷や汗を流す。
この女は何者なんだ……
ののかに忠誠を誓っているように見えるが、油断できない。
この女の本当の狙いがわからない以上、迂闊なことは言えない。
だが、ここは、正直に言うべきだろう。
もし、ののかが敵対するようなことになれば、厄介だ。
クールド王の直感が警鐘を鳴らす。
ここで、下手に嘘をついても仕方ない。
ののかが敵に回れば、勝ち目などあるわけがない。
ならば、真実を話すしかない。
しかし、話していいものだろうか。
この女のことだから、こちらの意図を看破してくるかもしれない。
それでも、ののかに敵対するよりはましだ。
おそらく、ののかも気づいているのだろう。
ののかは、俺よりも遥かに頭が切れる。
それなのに、ののかからは、全く敵意を感じられない。
これは、いったいどういうことだ? この女は、何を考えているのだ
? 俺は、どうすればいい? くそっ!考えがまとまらない。
結局、ののかに全て任せるしかなさそうだ。
「なにもないのなら帰ります。私も忙しいのです。ののか様に逆らった馬鹿どもを拷問しなければならないですのよん。私、拷問には自信がありますの。殺さないよう拷問するのがうまいとののか様に誉められましたの。もし、体験したいならいつでもどうぞ。歓迎しますわよん、領主の皆さん」
ブラッド・ルージュは、妖艶な笑みを浮かべながら話す。
その表情は、見るものを魅了するかのように美しい。
だが、その瞳の奥には狂気の炎が燃えている。
そのことに気づけるものは誰もいなかった。
☆☆☆
アルカナの街の視察を終えたののかは、ダグオン帝国の帝都に来ていた。
ダグオン帝国は、魔族との戦争により、壊滅状態となっていた。
そのため、ののかは、ダグオン帝国の復興を開始したと同時に前線基地の建設も着工した。
驚異的なスピードで再開発はつがすすむ。そして、魔族との戦争で、壊滅したダグオン帝国の各都市や街が復興していくにつれ、ののかの名は、ダグオン帝国中に広まっていった。
今では、ののかは、神として崇められる存在となっている。
また、魔族との戦いにおいて、ののかが指揮をとった作戦や戦術は、教科書に記載され、子供でも知っている常識になっていた。
そんなこんなで、現在、ののかが、訪れているのは、帝国の首都である帝都だ。
ののかは、魔族戦争の英雄の一人だ。
そんなののかを一目見ようと大勢の人が押し寄せる。
ののかは、人混みが嫌いなので、転移魔法を使って、移動することにした。
こうして、ののかは、ダグオン帝国の帝都にある城にたどり着いた。
城の前にいた門番は驚く。
いきなり現れたのだから無理はない。
だが、ののかは、気にせず話しかけた。
ののかに気づいた兵士は慌てて敬礼をする。
「失礼しました。ののか様。」
「いいえ。大丈夫ですよ。それより、皇帝陛下に会いたいのですけど」
「わかりました。すぐに連絡いたします。」
「お願いね。」
しばらくして、兵士が戻ってきた。
「お待たせ致しました。ただいま、謁見の準備をしております。しばらくお待ちください。」
「わかったわ。」
ののかは、城の待合室で待つことにした。
☆☆☆
「お久しぶりね。」
「はい。お会いできて光栄です。」
「そんなにかしこまらなくてもいいのよ」
「いえ、そういう訳にもいきません。」
「そう?まあいいわ。ところで、あなたが、新しい宰相さん?」
「はい。そうです。」
「そう。よろしく頼むわ。前の豚やろうはどうしたの?」
「はい。あの方は、病気になりまして……」
「あらそうなの?それは残念ね。でも、もう治ってるんでしょ?」
「はい。ですが、まだ病み上がりですので、もう少し休養が必要かと」
「そうなの?じゃあ、仕方ないわね。それで、あなたのお名前は?私は、ののかよ」
「私の名は、ガリウス・フォン・ダグラスと言います。以後お見知りおきを」
「そう。よろしくね」
「はい。」
「それにしても、ここも随分変わったわねぇ」
「はい。この国も変わりました」
「それは、良い意味でよね?」
「はい。もちろんです。」
「そう。よかったわ。」
「はい。ありがとうございます。」
「ねえ、一つ聞いてもいい?」
「はい。なんでしょうか?」
「駐在官のミナミはちゃんとやってる?」
「はい。彼女のおかげで、この国は上手く回っています」
「そう。良かったわ。」
「じゃあね。魔族研究所を見たらかえるわ」
「はい。では、ご案内させていただきます。」
☆☆☆
魔族戦争が終結してから1年がたった。
この一年の間、ののかが行ったことといえば……
魔族の解剖……
魔族を生け捕りにして、あらゆる実験を行った。
その結果、魔族は、人間よりも優れた生物だということが証明された。
魔族の改造魔族軍が構成されていた。魔族軍の戦力は、大幅に強化された。
魔族を兵器として使うことが現実的になった。
改造魔族軍が実線投入されるのも遠くない。
アルカジェリカに併合された、旧諸国と属国となったダグオン帝国のバリウス皇帝、ルウム領主のアレン王子とモルトル領主のリロードア侯爵等が出席予定だ。ケツァルコアトルスからは、ブラッド・ルージュが参加している。
アルカナに到着した各領主は茫然とする見たこともない建造物で構成された大都市に生まれ変わっていたのだ。
「なんだこれは?」
「まるで、魔法都市だな」
「これが噂に聞く魔族なのか?」
「しかし、これほどとは……」
「こんなものを作れるものなのか?」
「我々に技術提供してくれるのか?」
「無理だろうな。あんな化け物どもに勝てるわけがない。」
「では、どうやって?」
「知らん。だが、協力すれば、利用価値があるかもしれないぞ」
「確かにな」
「そうだな」
「しかし、これだけの技術力があれば、我々の帝国など一瞬にして滅ぼせるな」
「それはないだろう。この世界には、魔王と呼ばれる存在がいるらしいからな」
「なるほど、それなら納得できる」
「うむ。」
「ところで、ここにきた目的はなんなのだ?」
「うむ。それは、おそらく、あの街に関係あると思うのだが」
「そういえば、あの街はなんなのだ?いったい誰が作ったのか?」
「うむ。それも謎だ。」
「とにかく、行ってみるしかないようだな」
「その通りだ。」
「うむ。そうするとしようか」
☆☆☆
「では、アルジェリカ連邦公王国の領主会議をはじめる」
議長が開会を宣言する。
「まず、今回の議題について、報告させていただきます。」
司会が続ける。
「まず、ダグオン帝国のバリウス皇帝陛下よりご挨拶を頂きます。」
「諸君。我が、帝都が壊滅的被害を受けたことは、すでに聞き及んでいるであろう。幸いなことに、私は、奇跡的に助かった。私は、帝都復興のため全力を尽くしたいと考えている。また、私の命を救ってくれたのが、ののか様である。私は、ののか様に忠誠を誓った。ののか様は、私の恩人でもある。私は、ののか様のために働きたいと思っている。」
「私からも一言、ののか様のおかげで、私は、命を救われた。ののか様は、私の希望の光だ。私は、ののか様の忠実な下僕になるつもりだ。」
「そして、私は、ののか様の忠実なる配下となる。皆も私とともに、ののか様の手足となって働いて欲しい。」
「私の話は以上だ。」
「ありがとうございます。」
「続いて、ケツァルコアトルスのブラッド・ルージュ殿お願いします。」
「バリウス、その言葉、ののか様もたいへんおよろこびになるでしょう。」
「うむ。そう願っている。」
「ののか様に忠誠もってお使いすればダグオンもこの都市のように発展することを約束しましょう。これは、他の領地も同様です。さあ、全員、ののか様に忠誠を誓うのです」
会場は、ざわめく。
「ブラッド・ルージュ殿、それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味です。」
「我々は、ののか様のものです。」
「そのとおりです。」
「わかりました。ののか様への忠誠を誓います。」
こうして、アルカナの街は、ケツァルコアトルスの支配下に入った。
「さて、次の議題ですが……」
☆☆☆
領主会議でののかみおんの演説を聞いた領主達は、驚愕していた。
「これは、どうしたものかな」
「はい。おそらく、ケツァルコアトルスの仕業と思われますが」
「まさか、ここまでとは……」
「我々が束になっても敵わないのかもしれませんね」
「そんなことはないはずだ。我々にも、それなりの技術はある。」
「確かに、魔法科学とやらには驚かされたが、我々が、魔法科学を学べば、対抗できるのではないか?」
「それができればよいのですが……」
「ふっ。やはり、ケツァルコアトルスの技術は、驚異的だな」
「はい。あの都市を見たときは、本当に驚きました」
「うむ。」
「それにしても、ののか様とは、どのような方なのでしょうね」
「わからん。だが、少なくとも、我々に敵対の意思はないようだな」
「そうですね。友好的な関係を築ければいいのですけど」
「うむ。そうだな」
☆☆☆
「今日は、これで終わりにしましょう。」
「そうだな。」
「では、解散といたしましょう。」
領主会議は終了した。
「ブラッド・ルージュ様」
「なんです?クロード王」
「今回は、ののか様は、お見栄下さらないのですか?」
「今ののか様は、魔族どもの解剖が忙しくて手が放せないのです。」
「そうなのですか?」
「ええ、今は、魔族の臓器移植の研究をしているところらしいですよ。」
「へー魔族でも移植するんだ」
「みたいですね。」
「しかし、魔族を生け捕りにするのは大変ではないでしょうか?」
「もう魔族領は全滅しています。魔族国民は全てののか様の手の内です。帝国も魔族の驚異がなくなり安泰になりました、そうですね?バリウス」
「はい。ののか様のおかげをもちまして、魔族の脅威は去りました。これからは、ののか様のために働く所存であります。」
「そうですか。それはよかった。」
「バリウスは、ののか様に忠誠を誓いましたか?」
「はい。もちろんでございます。」
「そうですか。それは良かった。」
「クーロド王よ。ののか様に何か望むことでもありましたか?お伝えしてもよろしくてよ」ブラッド・ルージュは、わざとらしく尋ねる。
その様子は、まるで、主人の望みが叶うことを確信しているかのようだ。
クールド王は、冷や汗を流す。
この女は何者なんだ……
ののかに忠誠を誓っているように見えるが、油断できない。
この女の本当の狙いがわからない以上、迂闊なことは言えない。
だが、ここは、正直に言うべきだろう。
もし、ののかが敵対するようなことになれば、厄介だ。
クールド王の直感が警鐘を鳴らす。
ここで、下手に嘘をついても仕方ない。
ののかが敵に回れば、勝ち目などあるわけがない。
ならば、真実を話すしかない。
しかし、話していいものだろうか。
この女のことだから、こちらの意図を看破してくるかもしれない。
それでも、ののかに敵対するよりはましだ。
おそらく、ののかも気づいているのだろう。
ののかは、俺よりも遥かに頭が切れる。
それなのに、ののかからは、全く敵意を感じられない。
これは、いったいどういうことだ? この女は、何を考えているのだ
? 俺は、どうすればいい? くそっ!考えがまとまらない。
結局、ののかに全て任せるしかなさそうだ。
「なにもないのなら帰ります。私も忙しいのです。ののか様に逆らった馬鹿どもを拷問しなければならないですのよん。私、拷問には自信がありますの。殺さないよう拷問するのがうまいとののか様に誉められましたの。もし、体験したいならいつでもどうぞ。歓迎しますわよん、領主の皆さん」
ブラッド・ルージュは、妖艶な笑みを浮かべながら話す。
その表情は、見るものを魅了するかのように美しい。
だが、その瞳の奥には狂気の炎が燃えている。
そのことに気づけるものは誰もいなかった。
☆☆☆
アルカナの街の視察を終えたののかは、ダグオン帝国の帝都に来ていた。
ダグオン帝国は、魔族との戦争により、壊滅状態となっていた。
そのため、ののかは、ダグオン帝国の復興を開始したと同時に前線基地の建設も着工した。
驚異的なスピードで再開発はつがすすむ。そして、魔族との戦争で、壊滅したダグオン帝国の各都市や街が復興していくにつれ、ののかの名は、ダグオン帝国中に広まっていった。
今では、ののかは、神として崇められる存在となっている。
また、魔族との戦いにおいて、ののかが指揮をとった作戦や戦術は、教科書に記載され、子供でも知っている常識になっていた。
そんなこんなで、現在、ののかが、訪れているのは、帝国の首都である帝都だ。
ののかは、魔族戦争の英雄の一人だ。
そんなののかを一目見ようと大勢の人が押し寄せる。
ののかは、人混みが嫌いなので、転移魔法を使って、移動することにした。
こうして、ののかは、ダグオン帝国の帝都にある城にたどり着いた。
城の前にいた門番は驚く。
いきなり現れたのだから無理はない。
だが、ののかは、気にせず話しかけた。
ののかに気づいた兵士は慌てて敬礼をする。
「失礼しました。ののか様。」
「いいえ。大丈夫ですよ。それより、皇帝陛下に会いたいのですけど」
「わかりました。すぐに連絡いたします。」
「お願いね。」
しばらくして、兵士が戻ってきた。
「お待たせ致しました。ただいま、謁見の準備をしております。しばらくお待ちください。」
「わかったわ。」
ののかは、城の待合室で待つことにした。
☆☆☆
「お久しぶりね。」
「はい。お会いできて光栄です。」
「そんなにかしこまらなくてもいいのよ」
「いえ、そういう訳にもいきません。」
「そう?まあいいわ。ところで、あなたが、新しい宰相さん?」
「はい。そうです。」
「そう。よろしく頼むわ。前の豚やろうはどうしたの?」
「はい。あの方は、病気になりまして……」
「あらそうなの?それは残念ね。でも、もう治ってるんでしょ?」
「はい。ですが、まだ病み上がりですので、もう少し休養が必要かと」
「そうなの?じゃあ、仕方ないわね。それで、あなたのお名前は?私は、ののかよ」
「私の名は、ガリウス・フォン・ダグラスと言います。以後お見知りおきを」
「そう。よろしくね」
「はい。」
「それにしても、ここも随分変わったわねぇ」
「はい。この国も変わりました」
「それは、良い意味でよね?」
「はい。もちろんです。」
「そう。よかったわ。」
「はい。ありがとうございます。」
「ねえ、一つ聞いてもいい?」
「はい。なんでしょうか?」
「駐在官のミナミはちゃんとやってる?」
「はい。彼女のおかげで、この国は上手く回っています」
「そう。良かったわ。」
「じゃあね。魔族研究所を見たらかえるわ」
「はい。では、ご案内させていただきます。」
☆☆☆
魔族戦争が終結してから1年がたった。
この一年の間、ののかが行ったことといえば……
魔族の解剖……
魔族を生け捕りにして、あらゆる実験を行った。
その結果、魔族は、人間よりも優れた生物だということが証明された。
魔族の改造魔族軍が構成されていた。魔族軍の戦力は、大幅に強化された。
魔族を兵器として使うことが現実的になった。
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