世界征服はじめました

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異世界征服はじめました

さくらまつり

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フォートランド　アルカジェリカ公王国の首都に次ぐ第2の都市だ。この都市は国王の直轄地で領主はいないが代わりに第１王子のクロード王子が治めている。
首都アルカナ襲撃の報を聞きクロード王子はアルカジェリカ公王国最強とうたわれる獅子王騎士団を伴ってアルカジェリカ公王国の首都アルカナへと急いでいた。
獅子王騎士団は約7000人に上る部隊だ。
現在、アルカナを占拠するダクオン兵12000と対等に渡り合える優秀さだ。
フォートランドとアルカナを結ぶ街道は左右を山脈に挟まれた一本道だ。
フォートランドは四方を山に囲まれた防衛するのに有利な土地で実際、アルカナからフォートランドへの遷都が計画されてもいたのだが、実施前にダクオン帝国に侵攻されてしまった。
クロード王子率いる獅子王騎士団の今回の作戦目的は、首都奪還ではなく生存者を救出してフォートランドへ避難させる事が目的である
街道が左右が切り立った崖の間を抜けて行く道となる。
道幅は十分に広いが崖の間の道は10Km以上続くこの崖の道を抜ければアルカナは目前だ。

その崖の上に二人の美少女がいた。
この崖の上に登ろうとすればほぼ垂直に切り立った崖をロッククライミングして登っていく他に手段はない。
そんな崖の上から真下の街道を急ぐ獅子王騎士団の様子をうかがっていた。
「タイミング悪う下敷きになったらどないする？　」
金髪でポニーテールの美少女が黒髪のストレートロングの美少女に話しかける。
「まあ、AポイントとBポイントで充分距離あるし、真ん中でやれば問題ないでしょ」
「そやね。先頭がAポイントこえたやん」
「最後尾がAを越えたら先頭がBに近づく前にね」
「了解……最後尾Aを越えたで」
「もうちょい……よし。ぽちっとな」
手にしたリモコンのボタンを押す。
獅子王騎士団の進行方向の500M先で突然、轟音をたて崖崩れが発生した。
騎士達の乗る馬が驚いて興奮したが、すぐに混乱を静めた。
「なんて事だ。これでは先に進めない。引き返して迂回するのと崖崩れの土砂を撤去して進むのではどちらが早いだろう」
クロード王子が決断する前にさらに轟音が発生して今度は後方で崖崩れが発生した。
「崖崩れで閉じ込められて閉まった。おかげで選択肢は１択しかなくなった。全員で前方の土砂崩れの土砂の撤去に従事しろ！」

「見事な無音爆破やね」
「これならただの崖崩れとしか思えない」
「でしばらくここで時間をロスしてもらうんやね」
「そうそう。もう少し追いつめられてからだね」
「頑張るやん。」
二人の眼下で獅子王騎士団達が土砂崩れの撤去に励んでいる。
「あいつらは、みおん様の部下にふさわしいかしら？」
「使えんときは、使えるよう改造してまえばええやろ、まつり」
「そうね。いきましょう、さくら、報告しないと」
「報告面倒やな」
「こらこら、報連相は重要でしょ。大聖堂の襲撃のタイミングにかかわる重要点なんだから」
「そやった」
二人は街道と逆側にと崖から飛び降りた。
崖下にふわりと着地した二人は近くに止めてあった飛行挺に乗り込む。