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飛行空母 ケツァルコアトルス
しおりを挟む深夜の
東京都上空100000mを飛行する巨大な飛行物体が存在した。
全長5000m全幅6000mというおよそ人類史上考えられない巨大な飛行物体である。
その形状は、左右対称のブーメラン形、もしくはジャンボジェットの主翼部分の形をした全翼機だ。
機体上部には、2400mというもはや大規模な滑走路と変わらない飛行甲板がある。
現在は、雲の如くゆったりと飛行していた。
「お嬢様、ケ?ケツ?ケッ?ケッ、ケッ、ケ、ケ、ケケケケケケケケケケケ、ケなんとか?」
「ブラットルージュ様。ケツァルコアトルスです」
蜘蛛魔女が助言する。
「ありァ?呼び難い?ルーちやん?」
「はい。私、頭悪いので覚えられません」
「そりは、問題やね。じゃあ、省略してケルスと呼称しましょう。」
「はい。ケルスは、全システム正常に作動してます」
飛行空母ケツァルコアトルスのブリッチにはののかとブラットルージュや蜘蛛魔を始めとするブラットナイトのメンバーがクルーとして乗り込んでる。
戦闘員達の制服もハイレグレオタード網タイツからケツァルコアトルス専用制服に変わっている。
蜘蛛魔女の安っぽい着ぐるみもハリウッド映画のSFXのモンスターのようなリアルなものに変わっている。
「しかし、ののか様、なぜ飛行空母なのでしょうか?」
「おもしろそうだから」
「おもしろいですか?」
ブリッチ中央の艦長席でそんな話になってる。
「艦長!お嬢様!進行方向の空がおかしな色です」
クルーのオペレーターから報告が上がる。
ののかが艦長席からとてとてっとオペレーター席に近づき横からモニターを覗き込む。
「おもしろい…。おもしろい!おもしろいわ!」
オペレーターはののかの興味深そうな表情を覗き込む。
「全データーを記録してちょうだい」
「了解」
「おもしろい!おもしろい!」
満足げな表情を浮かべ中央の席に戻る。
「ルーちやん!全クルーに着席と安全ベルトの着用を…」
艦長席のブラットルージュはデスクのマイクを取り全艦放送をする。
「全クルーに告ぐ、全員、着席して安全ベルトを着用して衝撃に備えよ!」
艦長命令に対して艦内のクルーがただちに指示に従い行動する。
蜘蛛魔女も艦長席の隣の副官の席に着いてる。
ののかは二人の後方のののかの専用
シートに着席した。
「前方に異常な空間振動を観測。衝撃来ます。5,4,3,2,1」
オペレーターのカウントが0になる瞬間ケツァルコアトルスを激しく揺さぶるような振動に襲われた。
衝撃に備えてたクルー達だったが。あまりの衝撃にほぼ全員、気を失っていた。
東京の上空から飛行空母ケツァルコアトルスは姿を消していた。
ケツァルコアトルスは、昼の時間帯の空間の上空に存在している。
ケツァルコアトルスを襲った衝撃のため
ほぼ全クルーが気を失っていたがほんのわずかな時間で意識を回復していた。
ブリッチクルーは、誰か命令されるまでもなく損害状況の把握に努めていた。
「あれ?気を失ってた?」
ののかが意識を取り戻すとほぼ同時に蜘蛛魔女も意識を回復していた。
「今のはなんだった?」
ふと、ブラットルージュが気を失ったままであるのに気がつく。
「ブラットルージュ様。ブラットルージュ様。大丈夫ですか?」
ルージュも蜘蛛魔女に揺さぶられて意識を取り戻す。
「もう朝?」
寝ぼけてるのかと思行きや、むしろまっとうな質問である。
先程まで深夜の東京上空だったが現在明らかに日中である。
「現在位置を確認して」
ブラットルージュが指示を出す。
「現在位置不明です。GPSが使用不可能なのです」
オペレーターはブラッドルージュの指示前にすでに確認を試みていた。
「システムの故障?」
「いえ!ケツァルコアトルスのシステムは正常です。衛星側に問題が…」
「衛星側の故障?でもあれって1個じゃないよ?」
「はい、現在は、バックアップも含めれば100基以上が稼働もしくは、すぐにも運用可能状態のはずです」
「それが全部故障なんてありえるの?」
「いえ。故障ではなく。GPS の衛星のみではなく全ての衛星が存在してないようです」
「衛星がない?そんなことあるの?全部、墜ちた?まさかね」
「情報を収集して分析すべきだね。ルーちゃん情報収集の指揮をお願い」
「私がですか?お嬢様。」
「ルーちゃんはケツァルコアトルスの艦長なんだよ。全権委任でよろよろ」
「分かりました。でもお嬢様は?」
「ちよっと調べもの。判断に困る事があったらラボにいるから。緊急時以外の報告は、6時間事でお願い」
「了解しました。では飛行空母ケルスは情報収集のため行動を開始します」
「よろよろ」
ののかは艦内エレベータで艦内の研究室へと向かう。
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