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第1章: 追放の日
しおりを挟む私は聖女リーナ。かつては王国中から尊敬され、敬われる存在だった。しかし、それは過去の話。今、私は冷たい石畳の上に座り込んでいる。追放されたばかりの聖女の姿なんて、こんなに哀れで、惨めなものなのか――。
「リーナ様、これでお別れですわね」
私の前に立つのは、王国の第一王女、アリシア。彼女の冷たい瞳が、私の心を刺すように見下ろしている。かつての友人であり、私を支えてくれた人だったはずなのに。
「どうして……アリシア様、私は何も悪いことをしていません。ただ、皆を救いたかっただけで――」
「それが罪なのですよ、リーナ様。聖女の力を独占し、自分だけのものにしようとしたことが。あなたがその力を失った今、私たちにはもうあなたが必要ないのです」
嘘だ。そんなことはない。私は皆のために尽くしてきたのに、どうしてこんなことに――。でも、彼女の言葉が私の運命を決めた。聖女としての力を封じられた今、私はただの無力な少女に過ぎない。
「では、さようなら。二度と王国に戻ってこないでくださいね」
アリシアは背を向け、城の中へと消えていった。私に残されたのは、冷たい風と、誰も助けてくれないという現実だけだった。
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