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第2章: のっと いーと

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リリスの心の中に引っかかっていた新しい菓子店の異様な香り。その不安を消し去るために、彼女は行動を起こすことにした。ある日、大きな紙に「のっと いーと」と書き、さらに小さなビラにも同じ文字を描き、それを手にして家を出た。

リリスが向かったのは、あの新しい菓子店だった。すでに行列ができていた店の前に立ち、リリスは大きな紙を掲げて、通りかかる人々にビラを配り始めた。その小さな姿が店の前で目立ち、行列に並ぶ人々の注目を集めた。

「この子、一体何をしているんだろう?」

「何か問題があるのか?」

人々が囁き合う中、老舗の菓子店の店主がその光景に気づき、慌ててリリスに駆け寄った。

「リリスちゃん、これはいけないよ。」店主は彼女の手を取り、優しく話しかけた。「気持ちは嬉しいけど、こんなことをしてしまうと、他のお店に迷惑がかかってしまうんだ。」

リリスはじっと店主を見上げ、「そうじゃないの」と言いたげな目を向けた。しかし、店主はその訴えを理解することができず、ただ困惑するばかりだった。

その時、新しい菓子店の店主が店から怒りに満ちた顔で出てきた。「おい、これは営業妨害だ!すぐにやめろ!」彼はリリスに向かって怒鳴り声を上げた。

その場にいた行列の人々は、一斉に振り向いてその様子を見つめた。リリスに向かって手を振り上げる店主に対して、行列に並んでいた客たちから非難の声が上がり始めた。

「ちょっと待て!小さい子に何をするつもりだ!」

「なんて酷いことを!こんな店で買い物するなんてまっぴらだ!」

「子供が何かを訴えているんだから、話を聞いてやれよ!」

人々の怒りが店主に向かい、次々とその場を後にし始めた。行列は瞬く間に消え去り、店主は唖然として立ち尽くすしかなかった。

リリスは、その場を離れることなく、閉店の時間まで店の前に立ち続けた。彼女の小さな体からは、揺るぎない決意が感じられた。彼女が配り続けたビラは、人々の心に深く刻まれ、新しい菓子店の評判は急速に落ちていった。

やがて、老舗の菓子店には再びお客が戻り、店内は再び活気を取り戻していった。リリスの行動は、街の人々に深い影響を与え、結果的に街全体の意識を変えることになった。
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