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第23話 最終章
アリアの新たなる日常とミラ
しおりを挟むアリアはラボで新型レギオンの制作の指揮をとっていた。「アリア嬢、前回のような無茶は困る」と王国科学技術顧問エドガーに怒られた。「反省してる。ごめんなさい」とアリアは申し訳なさそうに答える。
前回、一人で不眠不休でレギオンジェネシスの強化に当たったのは、ゼクシウム光線装置を搭載するにあたってゼクシウムの情報を秘匿するためだった。今回の新型には、ゼクシウム光線装置は搭載されない。それは、ゼクシウム光線の高熱に自機の耐熱対策が解決できなかったためである。
代わりに、長距離飛行と機動力が強化された飛行ユニット2のさらなる強化と、最高速度の向上が図られた高機動飛行ユニット3が搭載された。メイン装備として高重力兵器が装備された。この高重力兵器は、ブラックホールを発生させ制御する兵器で、高重力でターゲットを押しつぶす。光波バリアのような防御があろうとも諸共に押しつぶしてしまう。もちろん再生能力などお構いなし押しつぶしてしまう代物だ。
「これがあれば、ゼータンにも対抗できる」とアリアは自信を持って言う。
思考回路の演算速度も向上させ、各部への伝達システムにニューロンシステムを採用する。
「レギオンジェネシⅡのメモリーが回収できてよかった」
「レギオン、新しい体ができるまでもう少し待ってね」
「了解。君とまた働ける日を待ってる」
新型レギオンジェネシスⅢの開発が順調に進んでいた。各部門のエンジニアたちは、最新技術を駆使して最高のパフォーマンスを追求していた。アリアは設計図を見つめながら、細部のチェックを続けた。
「アリア嬢、この高重力兵器のテスト結果ですが…」と一人のエンジニアが報告書を持ってくる。「ありがとう。確認する」とアリアは報告書に目を通し始めた。
ラボ内は活気に満ちており、エンジニアたちは一丸となってレギオンジェネシスⅢの完成を目指していた。アリアの指揮の下、チームは日夜努力を重ね、新型レギオンの開発に取り組んでいた。「みんな、頑張ってくれてありがとう。このプロジェクトは私たち全員の力で成功させるんだから」とアリアはチーム全員に向けて感謝の言葉を伝えた。
「もちろんです、アリア嬢!このレギオンジェネシスⅢでゼータンを倒してみせます!」とチームの一人が答えた。
新たな力と決意を胸に、アリアたちはゼータンに立ち向かうための準備を進めていた。「もっとも、そんな頻繁にゼータンが現れるわけはないけどね。やっぱりぜーたんって可愛い名前だ」とアリアはクスリと笑った。
アリア研究所にてアリアが作業を終えたところに、ミラが訪問してきた。
「もうすっかり元気みたいね、アリアちゃん」
ミラが微笑みながら言った。
「ごきげんよう、ミラ様」
アリアも笑顔で応えた。
「でも、ずいぶん無理したみたいね。研究所にこもって何日も自宅に戻らないって、お姉さんのキャナル様もずいぶん心配してたわよ。ちゃんと食事をとってるのかとか、私も心配でしたわ!様子を見に来たら門前払いされましたから!」
ミラが少し怒りを含んだ声で言った。
アリアは恐縮して、
「ごめんなさい、集中してた。今はちゃんと休んでる」
「レギオンジェネシスⅡがゼクシウム光線を放ったのは、びっくりしましたわ。あなたの才能は素晴らしいけど、全部一人でやろうとしたりしないで、仲間をもっと信用しましょうね」
ミラが優しく言った。
「はい。ところで突然、行方不明になって、3日も無断外泊なんて、なにをしてたんですか?わたしも心配した」
「あう゛…」
突然の逆襲に窮するミラ。
「ごめんなさい」
ミラは申し訳なさそうに答えた。
アリアは微笑んで
「ありがとうございます、ミラ様」
「ええ?何かしら?」
ミラは、急展開に戸惑う。
「ゼータンを倒したのはミラ様ですね。行方不明の3日間、ゼータンと戦っていたんでしょう?」
アリアが指摘する。
「な、な、な、なんのこと?」
動揺しまくるミラ。
アリアは引き出しから1枚の写真を取り出す。
エンゼルフォームの写真。
認識阻害された不鮮明な写真ではない。
画像補正され、ミラの顔が鮮明に写った写真である。
「☓☓☓ʼn∥®✴??!!!」
意味不明な言葉を発声してしまうミラ。
「この写真、どうやって…」
ミラは言葉を探すが、思わず驚きの声を上げてしまう。
「誰にも言いわない」
アリアが微笑みながら言った。
ミラはため息をつき、少し笑いながら
「あなたには隠し通せないわね。ありがとう、アリアちゃん。これからもよろしくね」
と答えた。
「私の方こそありがとうございます。ミラ様は、私に戦う勇気をくれた」
アリアは感謝の気持ちを込めて言った。
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