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第22話宇宙恐龍
ゼータンの悪夢
しおりを挟む「ゼクス、奴の再生能力を完全に封じる方法を考えないと、いくら攻撃しても無駄だわ」
ミラは焦燥感を滲ませて言った。
「ミラ、交代しよう。君のおかげで冷静になれた。もしかしたら、ゼータンの再生を遅らせるために特定のエネルギー波を利用できるかもしれない」
とゼクスが提案する。
「具体的には?」
ミラが尋ねる。
「ゼクシウム光線と相反するエネルギーを同時に発射することで、奴の再生を妨害できるかもしれない。だが、そのためには二つのエネルギーを同時に操る必要がある」
とゼクスは説明した。
「わかった。交代しましょう」
ミエンゼルフォームから銀色の巨人ゼクスに再度変身した。
再びゼータンに挑むゼクスはゼータンの死角を突き、瞬時にゼクシウム光線と半位相ゼクシウム光線を同時に発射した。二つのエネルギー波がゼータンを貫き、その再生能力を一時的に停止させることに成功した。
「やった…効いている!」
ゼクスは喜びを感じながらも油断せずに攻撃を続けた。
ゼータンは再生能力を封じられ、苦しそうに咆哮を上げた。
ゼクスはその隙を見逃さず、連続してゼクシウム光線と半位相ゼクシウム光線を放ち続けた。
「このまま押し切る!」
ゼクスは心の中で叫びながら、全力で攻撃を続けた。
しかし、ゼータンは全身から激しいエネルギー波を放ち、ゼクスを吹き飛ばした。
ぐっ…まだ終わらないのか!」
ゼクスは痛みに耐えながら立ち上がり、再び攻撃態勢を整えた。
ゼータンは再生能力が封じられているものの、その圧倒的な力でゼクスを追い詰めようとする。
ゼクスとゼータンの戦いは激しさを増し、荒野を破壊尽くすかのように激しく揺れ動く。
「再生能力は封じてる。防御は光波バリアをかいくぐれば攻撃は有効。しかしゼクシウム光線はダメージを与えるが決定打にはならない。ならばゼロ距離で別な攻撃だ」
ゼクスは飛翔し、ゼータンの真上、ほぼ背中直下でゼクススラッシュを放つ。光の刃がゼータンの身体を上下に切断した。ゼータンは体を真っ二つに切断され、動かなくなった。
ゼクスはゼータンが動かなくなったのを見て、安堵の息をついた。
しかし、その瞬間、ゼータンの切断された体が再び動き出し、再生が始まった。
「この状態から再生できるのか!」ゼクスは驚愕し、再度攻撃態勢を整えた。
「ゼクス!あっち!」
ミラの声でゼクスはゼータンの下半身に目を向けた。驚くべきことに、下半身でも再生が始まっている。
「信じられん!」
ゼクスは叫びながら、再び攻撃態勢を整えた。
ゼータンは上半身と下半身が各々再生し、ついに2体のゼータンとなった。
「悪夢ね…」
ミラは絶望的な思いに囚われながら呟いた。
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