銀色の巨神とデュアルヒロイン

第21話 ドクターファストの挑戦

遺跡

王都から少し離れた郊外で、考古学者ヴィンセント・オーウェンが大規模な遺跡を発見した。彼がその遺跡の調査を始めると、非常に大きな石像が見つかり、その規模と精巧さに驚かされた。

遺跡は広大な敷地に広がり、古代の建築物や石碑が点在していた。周囲には崩れた神殿や彫刻が散らばり、かつての栄華を物語っている。石の階段や柱が風化しながらも威厳を保ち、訪れる者に畏敬の念を抱かせる光景が広がっていた。

「これはただの石像ではない…」
考古学者ヴィンセントはそう直感し、直ちに詳しい調査を始めることを決意した。

石像は遺跡の中央にそびえ立ち、その高さは城壁をも凌ぐほどであった。石像の顔は静かな威厳を持ち、細部に至るまで精巧に彫り込まれていた。手には大きな剣を持ち、まるで守護者のように遺跡全体を見守っているかのようだった。

その報告を受けた王国は即座に調査チームを編成し、その遺跡の謎を解き明かすための研究が始まった。

考古学者フィオナ・グレース、ヴィンセント・オーウェン、歴史研究家イザベル・ノートン、魔法科学者アルベルト・マグナス、さらには王国科学技術顧問エドガー・ファーレンハイトも加わり、遺跡の調査は大規模なプロジェクトとなった。特に、石像がただの装飾品ではなく、何か特別な力を秘めている可能性があることが議論された。

調査チームは遺跡の発掘と調査に全力を注いだ。フィオナは精巧な道具を使い、石像の周囲を慎重に掘り進めていた。彼女は石像の足元にある台座の文字を解読しようとしていた。

「この文字は非常に古い…まだ完全には読み取れないけど、何か重要な情報が隠されているはずよ」
とフィオナが言った。

ヴィンセントは遺跡全体の地図を広げ、他の発掘ポイントを指示していた。
「この部分も掘り進めてくれ。何か手がかりが見つかるかもしれない」

イザベルは古代の書物と照らし合わせながら、
「この遺跡はかつてのアトランス帝国のものかもしれない。その時代の技術を持っていれば、この石像の秘密も解けるはず」とつぶやいた。

アルベルトは石像の内部構造を調べるため、魔法の装置を使っていた。「この石像には、驚くべき魔法機関が組み込まれている。まだ生きている状態だ。この技術は現代のものとは比べ物にならない」

エドガーは調査の進捗を見守りながら、
「皆さん、慎重に作業を進めてください。この遺跡にはまだ未知の危険が潜んでいる可能性があります」
注意を促した。

こうして、遺跡調査チームは石像の周囲を掘り進め、詳細な調査を行うこととなった。石像の足元には複雑な模様が刻まれた台座があり、そこには古代の文字が刻まれていた。文字は長い年月の中で風化していたが、一部はまだ読み取ることができた。

遺跡の調査は続き、その中で次々と新たな発見がなされていった。これから明らかになる石像の真の姿と、その背後に隠された謎が、王国全体を揺るがす大きな出来事へと発展していくのであった。