銀色の巨神とデュアルヒロイン

第18話真祖教の謀略

5章: ゼクス VS 悪魔

ミラがフェレスに囚われている教会の一室では、彼の自慢げな言葉が続いていた。
しかし、ミラは決して諦めてはいなかった。
彼女は冷静に状況を分析し、相手の本性を見抜こうとしていた。
「生贄を必要とする神とは、ずいぶん無能ですのね。ああ、そうか、生贄を欲するのは、神ではなく悪魔でしたわね」
ミラは冷ややかに言い放った。
フェレスの顔色が変わり、怒りを隠せなくなった。
「貴様、気づいてたのか？」
ミラは淡々とした表情を崩さずに答えた。
「気づかれないとでも思ってたのかしら？お馬鹿さん。」
フェレスは唇を噛み締め、ミラに向かって一歩踏み出した。　
「そんな姿では、なにもできまいが！さて、おしゃべりはそろそろ終わりの時間だ、生贄にしてやるが、その前にこれについて話してもらおうか」
フェレスの手には、ペンダントが握られていた。
ミラはペンダントを確認したので、ペンダントを回収して決着をつけることにした。
「あら、そろそろ帰らないと夕食に間に合いませんわ。では、お邪魔しました」
ミラは両手を強引に引っ張ると手を拘束していた鎖が、ブチブチと音を立て千切れた。
「ばかな？ペンダントは取り上げているのに」
ミラは足の拘束の鎖も引きちぎり、フェレスの腕からペンダントを奪い取った。
「何故そんな勘違いをなさっているのかわかりませんが、このペンダントは、お洒落で身につけているだけですわ、お馬鹿な悪魔さん」
フェレスは驚愕の表情を浮かべた。「貴様、一体何者だ！」
ミラは冷静に微笑んで答えた。
「ただの公爵令嬢に過ぎませんわ。でも、貴方たちの計画はここで終わりです。」
「終わるのはお前の人生だ」
フェレスの姿が怪物へと変貌する。「それが、お前の正体か！」
ミラはペンダントをベータスティックに変えて変身した。
「ゼクス、巨大化しないでね！」「了解してる」銀色の巨人は巨大化せず等身大の姿のままでそこに立つ。
「き、きさまがしろがねなのか！」フェレスは驚愕の声を上げた。
ゼクスは、悪魔フェレスを掴んで飛翔する。
教会の天井を突き破り、フェレスを空中に放り投げて、ゼクシウム光線を撃つ。
フェレスは悲鳴を上げ、一瞬にして蒸発した。
教会内に降り立ち、ミラは変身を解いた。辺りを見回し、満足げに微笑んだ。「さて、帰りましょうか。お腹も空いたし、夕食の時間ですわ。」