銀色の巨神とデュアルヒロイン

第17話 アリアの誘拐

アリア救出作戦3

アリア救出作戦3
ダリウスは孤立していた。
部下たちは応戦に向かっており、誰も戻ってこない。
状況がわからず、いらだちが募る。部屋の中は静まり返り、ダリウスの呼吸音だけが響いている。　その時、不意に背後から静かな声が聞こえた。　「あなたが事件の主犯？」驚きと同時に振り向くと、そこには褐色の美少女が立っていた。　
彼女の姿はミラとは異なり、まるで別人のようだったが、その目には確固たる決意が宿っていた。
「誰だ、お前は…？」
ダリウスは一瞬言葉を失い、次第にその顔に憤怒の表情が浮かび上がった。
「ブランシュール家のものか？」
ヴィーナは冷静に答えた。
「アリア嬢を取り戻しに来た。あなたの計画はすべて失敗したのよ。」ダリウスは冷笑を浮かべ、後ずさりながら言った。
「たとえこの場で私が敗れても、ブランシュール家への復讐は止まらない…」
ヴィーナは一歩一歩、ダリウスに近づいた。　「それはどうかしら。あなたの部下たちはすでに制圧されてるわ。これ以上の抵抗は無意味よ。」
ダリウスは目を鋭く光らせた。
「ふん、そう簡単に屈するわけにはいかない。」
ヴィーナは短くため息をつき、
「そう？あなたの事情なんて知ったことじゃない。ただ、やらかした罪を償ってもらうだけ。」　
と低く言った。　
その瞬間、ダリウスは懐から短剣を取り出し、ヴィーナに向かって突進した。
しかし、その動きはすぐに制止された。
ヴィーナの一撃が彼の手首に当たり、短剣は床に落ちた。
「これで終わりよ。」
ヴィーナは冷徹に言い放ち、ダリウスを捕縛した。
彼の両手を背後で縛り、カゲの一員にダリウスを引き渡し、すぐにアリアが監禁されている部屋に向かった。
アジト内がカゲとシノビに完全に制圧されていることを確認すると、
ヴィーナは再びミラの姿に戻り、　アリアの監禁されている部屋の扉を開けた。　ベッドの上に拘束された姿のアリアを見つけたミラは、息を飲んだ。　
「なんて、むごいことを…」
ミラは駆け寄り、まずアリアの目隠しと猿ぐつわを外した。「
ミ、ミラ様…」
アリアが辛そうに声を出した。
「待って、すぐに自由にしてあげます。」
ミラは優しく言いながら、アリアの拘束を解き始めた。
「ミラ様、は、早く…お願い、こんな姿、姉様が見たら、悲しむ…」
「大丈夫です。キャナル様はお外で待っています。こちらに来られません。一緒にキャナル様のところに行きましょう。」
ミラはアリアを安心させるように話しながら、拘束を外していった。「遅くなってしまってごめんなさい、待たせてしまったわ。」　
ミラは優しくアリアを抱きしめ、彼女の無事を確認した。
「ミラ様…ありがとうございます…」アリアは涙を浮かべながら、　ミラの胸に顔を埋めた。ミラはアリアをしっかりと抱きしめ、
「これからはもう大丈夫よ。一緒に帰りましょう。」
優しく語りかけた。
彼女たちは部屋を出て、外で待っていたキャナルと再会するために歩き出した。
外に出ると、キャナルはすぐにアリアに駆け寄り、涙ながらに抱きしめた。
「アリア…無事で本当によかった…！」
キャナルは涙を流しながら妹を抱きしめ続けた。
「ごめん、姉様…心配かけた」
アリアも涙を流しながら、キャナルの胸に顔を埋めた。
ミラはその様子を見守りながら、安堵の笑みを浮かべた。
「これで、一つの危機は去ったわね。でも、まだやるべきことはたくさんあるわ。」
「アリシア様、ありがとうございます。」ミラは、たった今までキャナルを足止めしていたアリシアの労をねぎらった。
アリシアは微笑んで答えた。
「どういたしまして、ミラ様。アリア様が無事で安心しました。」
「アリシア様ありがとう、姉様が怪我をしてないのは、アリシア様のおかげ」
アリアは感謝の気持ちを述べた。
アリアの無事な姿が見えると、ヒルデガルト、クラリス、セシリアが集まってきた。　全員で無事を喜び合い、アリアとキャナルは何度も友人たちに感謝の言葉を伝えた。