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第8話ドラゴンの来襲

後日談‐銀色の神と学院の聖女‐

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銀色の神

ドラゴンによって騎士団が全滅寸前まで追い込まれ、人々は絶望のどん底に叩き落された。しかし、その絶望の最中、突如現れた銀色の巨人が圧倒的な力でドラゴンを退けた。人々は彼を神と崇め、やがて銀色の神を信仰する宗教団体が生まれる。

学院の聖女

救援活動に従事した生徒たちは、前線で奮戦した騎士たちと並び賞賛された。その中でも救援活動部隊の発足を提言し、現場でも救援活動に尽力したミラの業績が高く評価された。災害現場で救出された老人がミラを見てつぶやいた「聖女様」を語源として「学院の聖女」と賞賛されることになった。若くて美しいミラの評判は、「学院の聖女」の敬称とともにあっという間に王国中に広がった。

---

「ゼクス、神様だって、すごい人気だね」とミラは頭の中でゼクスに呼びかける。

「人気で言えば、君のほうがはるかに凄い。『学院の聖女』は国中の誰もが知るところらしいぞ」

「きゃーっ!恥ずかしいっ!恥ずかしいっ!」と頭を抱えるミラ。

「しまった!ヴィーナで活動すれば良かった」

「手遅れだ。それにヴィーナでは、学院を動かすことはできなかったのでは?なにせ不審者だからな」

「あ゛あ゛あ゛…」ミラは奇妙な悲鳴を上げて悶える。



学院に戻ったミラは、周囲の注目の的だった。廊下を歩くと、ひそひそとした噂話が耳に入ってくる。

「見て、見て、ミラ様よ。今日もお美しいわね」
「本当に聖女様って言葉は、ミラ様のためにあるようなものよね」

ミラは背中が痒くなるような視線と噂話に少し困惑していた。学院のカフェテリアで休憩中のミラにセシリアが話しかける。

「ごきげんよう、ミラ様」

「ごきげんよう、セシリア様」

「浮かない顔ですわね」

「だって、みんながみんな、聖女ともてはやすから。あれは学院の生徒全員でやったことなのに、私一人の力じゃないのに…私一人だけ特別なようにいわれるのは納得いかないわ」

「でも、ミラ様が全員を説得して始めたことですもの。だからこそ、ミラ様が聖女様なのです」

「セシリア様~、あなたも一団を率いて活動していたではありませんか?」

「私はミラ様の指示に従ったにすぎません。諦めて聖女様になってください」

「セシリア様~」

ミラはセシリアの言葉に照れながらも感謝の気持ちを抱いた。学院の生徒たちから尊敬される存在となった彼女は、その役割を受け入れることに決めた。そして、これからも彼女のリーダーシップと優しさが、学院の仲間たちに影響を与え続けることになるだろう。



「ミラ様、本当に素晴らしい方よね」
「そうよね。あの聖女様が、私たちの学院にいるなんて誇りだわ」

ミラは再び背中が痒くなるような視線と噂話に顔を赤らめながらも、セシリアに向き直る。「これじゃ、どこにいても落ち着かないわ」

セシリアは微笑んで、ミラの肩に軽く手を置いた。「それがミラ様の宿命ですわ。学院の聖女として、皆の憧れの存在でいることが、これからのあなたの役目なのです」

ミラは深いため息をつく。「でも、それは、ちょっと違うかも。私は、私の声に応えてともに尽力してくれた皆んなこそ学院の誇りだと思います」

セシリアも微笑んでうなずいた。「そうですね。あなたの力は、皆を結集させる力でもあります。学院の誇りは、皆で共に努力し、困難に立ち向かった結果にあるのですから」

ミラは誠実な表情でセシリアに言った。「セシリア様も、ともに尽力してくれてありがとうございます」

セシリアは優雅に微笑んで、ミラに向けて頭を少し下げた。「私もまた、ミラ様と共に活動できて光栄です。これからも学院のために力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします」

ミラは熱心に言った。「セシリア様、学院のためじゃありません。多くの人々のためです」

セシリアは深くうなずいた。

ミラは熱意を込めて言った。「学院のためじゃない、この国に住む多くの人々のために尽力する。それが私たち貴族の家に生まれた者たちの務めなのです。皆さん、ともに人々のために働きましょう!」

彼女の言葉は周囲の生徒たちに響き渡った。
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