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第五章: 新たな日常
しおりを挟む海辺での対話を経て、僕たちの関係はこれまでとは違う新たな段階に進んでいた。美沙は以前のように冷たく距離を置くことはなくなり、むしろ積極的に僕に話しかけてくるようになった。僕たちは再び、昔のように兄妹としての日常を取り戻しつつあった。
朝、僕がリビングに降りると、すでに美沙が朝食の準備をしていた。彼女がキッチンに立つ姿を見るのは久しぶりで、少し新鮮に感じた。
「おはよう、美沙。早起きだね。」
僕は軽く挨拶をすると、美沙は振り返って笑顔を見せた。
「おはよう、お兄ちゃん。今日は早く目が覚めちゃって。お兄ちゃんの好きなオムレツ作ったんだけど、食べる?」
「もちろん。ありがとう。」
僕は感謝の気持ちを込めて席に着いた。美沙が作ったオムレツは、まるでプロが作ったように美味しそうに見えた。実際に一口食べてみると、味も抜群だった。
「美味しいよ、美沙。君は本当に料理が上手だね。」
僕が素直に褒めると、美沙は少し照れたように微笑んだ。
「ありがとう、お兄ちゃん。そう言ってもらえると嬉しい。」
その日は、美沙と二人でゆっくり朝食をとり、穏やかな朝を過ごした。これまでの緊張感が嘘のように感じられるほど、自然な会話が続いた。
学校から帰ってきた後も、僕たちはリビングで一緒に過ごす時間が増えた。美沙は僕の隣に座り、テレビを見ながら時折笑ったり、何気ない話をしたりするようになった。その時間は僕にとって、とても心地よいものだった。
ある日の夕方、美沙が突然こんなことを言い出した。
「お兄ちゃん、今度の休日にどこか出かけない?一緒に買い物とか行きたいんだけど。」
その提案に、僕は少し驚いた。美沙が自分から外出を提案することはあまりなかったからだ。しかし、それは僕たちの関係が確かに良くなっている証拠でもあった。
「いいね。どこに行きたいの?」
僕は嬉しさを隠さずに尋ねた。美沙は少し考えた後、答えた。
「おしゃれなカフェとか、あと服を見に行きたいかな。お兄ちゃんと一緒に行けると楽しいし。」
「それなら、僕も楽しみだよ。一緒に行こう。」
僕たちはその計画について話し合いながら、さらに親密になっていった。休日の予定が決まると、美沙はどこか嬉しそうにしていて、その様子を見ているだけで僕も幸せな気持ちになった。
そして休日が訪れ、僕たちは約束通り、一緒に買い物に出かけた。街中のカフェでランチを楽しんだり、洋服を見て回ったり、何気ない時間を過ごすことができた。美沙は終始笑顔で、その姿を見るだけで僕は満足だった。
「お兄ちゃん、今日は本当に楽しかった。ありがとう。」
帰り道で、美沙がふとそう言った。
「僕も楽しかったよ、美沙。またこうやって一緒に出かけよう。」
僕は笑顔で答えた。美沙が心から楽しんでいる姿を見て、僕はこの日常がずっと続けばいいと願った。
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