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第一章 刑事バディ登場
第4話
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「それで、お前の推理では本郷研次郎が犯人なんだな」
と、安由雷が顔を向けると、悠真は前を見たままで大きく首を振った。
「そう思うでしょ。ところが本郷じゃないんですよ、犯人は」
「なんで?」
「本郷は、十三階からエレベーターに乗って、少し後に十一階から乗った馬場よりも、一足先に別のエレベーターで一階に着いて、家に帰っているんですよ。本当に一足違いですけどね。ですから本郷が馬場を殺すには、お互いに乗っているエレベーターが下に向かって動いている十階から二階の間で、乗り移る事が出来ない限り、犯行は不可能なんです」
「……んで」
「んで、……ですけど。さっき、あと二人容疑者がいると言いましたよね。その内の一人は殺された馬場と同じ会社からの出向できていて、馬場の隣に座っている吉川志季、二十五歳。吉川は、馬場と付き合っていたんですけど、最近は別会社から出向している三木塚瑛太に好意を寄せていて、馬場に何度も別れ話をしているんですが、なかなか承知をしてもらえないので困っていたとの事です。三人目の容疑者は、勿論この三角関係の三木塚瑛太、二十七歳なんですけどね」
「愛は消えたというのに、……女々しいやつだな」
「でも、吉川という女性も髪が長く、目の間は少し広いんですけど、愛嬌のある可愛い子でしたよ。馬場も彼女を失いたくはなかったんじゃないですかね」
「何でお前、顔まで知ってんだよ!?」
安由雷が少しムキになって言った。悠真は、逆に驚いた顔で、
「先輩、封筒に資料と一緒に入っていた、写真も見てないんですか」
安由雷は、頭を掻きながら、車窓の外へと視線を移した。
「で、お前の推理だと、犯人は?」
「犯人は、ですね」
悠真は、少しじらすと、
「……吉川志季と、三木塚瑛太なんですよ」
と、自信ありげに言った。
「共犯?」
「そうです。実際に一階のエレベータホールで馬場を殺したのは吉川なんですが、使用した凶器を隠したのは、三木塚なんです。先輩は何処に凶器を隠せば、絶対に見つからないと思いますか?」
悠真の問いに、わずかに長いまつ毛を伏せると、
「絶対に見つからない為には、……最初から隠さなければいいんじゃないか」と、安由雷が返した所で、車の中が急に暗くなった。
「先輩、ここです。松芝総研は」
二人を乗せた車は、松芝総研株式会社の地下駐車場へ降りていった。
と、安由雷が顔を向けると、悠真は前を見たままで大きく首を振った。
「そう思うでしょ。ところが本郷じゃないんですよ、犯人は」
「なんで?」
「本郷は、十三階からエレベーターに乗って、少し後に十一階から乗った馬場よりも、一足先に別のエレベーターで一階に着いて、家に帰っているんですよ。本当に一足違いですけどね。ですから本郷が馬場を殺すには、お互いに乗っているエレベーターが下に向かって動いている十階から二階の間で、乗り移る事が出来ない限り、犯行は不可能なんです」
「……んで」
「んで、……ですけど。さっき、あと二人容疑者がいると言いましたよね。その内の一人は殺された馬場と同じ会社からの出向できていて、馬場の隣に座っている吉川志季、二十五歳。吉川は、馬場と付き合っていたんですけど、最近は別会社から出向している三木塚瑛太に好意を寄せていて、馬場に何度も別れ話をしているんですが、なかなか承知をしてもらえないので困っていたとの事です。三人目の容疑者は、勿論この三角関係の三木塚瑛太、二十七歳なんですけどね」
「愛は消えたというのに、……女々しいやつだな」
「でも、吉川という女性も髪が長く、目の間は少し広いんですけど、愛嬌のある可愛い子でしたよ。馬場も彼女を失いたくはなかったんじゃないですかね」
「何でお前、顔まで知ってんだよ!?」
安由雷が少しムキになって言った。悠真は、逆に驚いた顔で、
「先輩、封筒に資料と一緒に入っていた、写真も見てないんですか」
安由雷は、頭を掻きながら、車窓の外へと視線を移した。
「で、お前の推理だと、犯人は?」
「犯人は、ですね」
悠真は、少しじらすと、
「……吉川志季と、三木塚瑛太なんですよ」
と、自信ありげに言った。
「共犯?」
「そうです。実際に一階のエレベータホールで馬場を殺したのは吉川なんですが、使用した凶器を隠したのは、三木塚なんです。先輩は何処に凶器を隠せば、絶対に見つからないと思いますか?」
悠真の問いに、わずかに長いまつ毛を伏せると、
「絶対に見つからない為には、……最初から隠さなければいいんじゃないか」と、安由雷が返した所で、車の中が急に暗くなった。
「先輩、ここです。松芝総研は」
二人を乗せた車は、松芝総研株式会社の地下駐車場へ降りていった。
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