127柱目の人柱

ど三一

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屋敷編

脱力 ☆少し性描写あり

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ナジュが絶頂に到った後、股右衛門は陰茎の中に残った白濁を丹念に絞ってやり、しっとりと汗ばんだ身体をささっと拭って、名残惜しそうに鏡台を持って部屋から出て行った。長く続く余韻に頭がぼんやりとして動く気力が暫く回復しなかったナジュは、整えられた布団の上に仰向けになり天井を見ていた。忌々しい胸飾りのせいで、余計な快楽を拾ってしまい望まぬ絶頂に到って股右衛門を喜ばせてしまった。

「くそっ…こんなもの…!」

無駄だと分かっている。無理矢理にでも取ってやろうと何度も飾りを引っ張ったが、胸の先に快楽と痛みが発生するだけで、本気で取り外そうとすれば皮膚とその下の肉を犠牲にしなければならないだろう。いつか呪いが自然に解けるのではないかと、数日置きに試していた結果、胸の先が快楽の受容体としての役割が染み込んだように敏感になった。生前特に胸の先を何とも思っていなかったが、現在では着物の生地が擦れないようにゆったりと着る事を心掛けている。胸の先が擦れて下半身が催してしまった時、ナジュは部屋で一人心底落ち込んだ。

「他夏は…これを取るには誰かと交情しなきゃならないと言っていたな……3人分。他夏ともう一人と…残り1人……。正直股右衛門なら話が早いんだろうが……頼むのは…癪だ…!あいつ絶対にやけ面で喜ぶだろうし、さっさと入れて終わるかもわからないし……。かといって他に誰が………御蔭、鳥羽、本匠、水上、…、…」

この胸飾りに支配されるのはこりごりだと、事情を話しても他言することなく、後腐れなく終わらせてくれそうな相手を思い浮かべて名を挙げていく。

「しかし…精を受けるって…どこまでやればいいんだ…?また飲まされるのは……おえ」

他夏に咥えさせられ、口淫の末に白濁を喉の奥に発射され、噎せ返る様な雄の匂いに晒され続けたのを思い出して嘔気が襲ってくる。その時は媚薬の影響で何故だかとても淫靡な匂いだと錯覚していたが、冷静になった今では、よくもあのような臭く不味い液体を嚥下できたものだと思う。ナジュを絶頂に到らせた後の股右衛門は、陰茎の先端に残った白濁をひとすくいして舌に乗せると、「薄口だな!」と言って笑った。ナジュは内心ゾッとした。自分のでも飲む気がしないのに、他人の精を何の躊躇も無く舐める股右衛門の事を、本当の好き者であると再認識した。

「学舎にも行くし…なるべく早めにこの飾りを取っておきたい……股右衛門……くう…」

ナジュは寝転がったまま頭を抱えた。精を受けるというのが、僅かで達成とされる条件なのか、はたまた性交の末の体内への射精を指しているのかがわからない。最悪口内に受け入れた後、性交という流れになってしまう。ならばせめて口が堅く、余計な嘲りや戯れもない者に頼みたい。ナジュは悩んだ末、相手を2人思い浮かべた。

「御蔭か…本匠……」
「御手付き様~!そろそろ主様が到着されます!ご用意は済みましたかな~?」

恥を忍んで頼んでみようか?そう考えていた時、稲葉の間の抜けた声が聞こえた。
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