127柱目の人柱

ど三一

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屋敷編

知らぬ呪い ☆性描写有

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股右衛門の生前は、白猿公と呼ばれた雄猿である。生まれつき体毛が白い事で、幼い頃は同族内で毛嫌いされていたが、成獣となり他の雄より一回り大きい体躯と闘争心を得て、群れの血気盛んな雄達を下して、群れを支配するに至った。山中で遭遇する別の群れや、敵対する大きな獣にも果敢に戦いを挑み、白い毛皮を血に染めながら付近の山を制した猿である。また、度々人々が目撃したのが、多数の猿との交尾の姿。雄雌は問わず己の欲のまま交尾し、群れには白猿公の子孫が数多いた。時には種族の違う鹿や猪にも飛び掛かって交尾をせがむ姿が絵巻物に残っている。そんな白猿公の噂は人を呼び、その稀有な白い毛皮を有り難がって、死後に人間が祀り、祠を建立した。人々はただ毛色が違うだけの猿に何を祈ったのか。それは”子孫繁栄”と”子宝祈願”である。性欲旺盛な猿に肖り、一族の繁栄と子宝を願った。この話を聞いたどこぞの絵師は、白猿公絵巻と称して、白い大猿が人間に化けて美しい姫や麗らかな町娘、果ては国一番の美男と浮名を流す物語を描き、その春画は一部の同好の士の間で密やかに楽しまれている。その物語は股右衛門も承知の事であり、供物の中にあった本を読んで自分がどう世間に見られているかを知った。その上でただ一つ股右衛門が気に入らないのは、己の剛直が実際より控えめに描かれている事である。今ナジュの尻から腰に当たっている逸物である。機会があれば自分好みの相手との交情の様子を絵師に描かせたいと思っている。

「でよ?その相手を数多いる中から探してるところなんだよ。俺としちゃ、あんな小せえモン持ってると世間に広められちゃあ、虫の居所が悪い。だからとびっきりの別嬪との色事の様子を描かせて、本来の俺の姿を後世に残してえ!というか、この状況…春画にぴったりだと思うんだが、どうだ!?」
「ァッ…ン……クッ……うるさいっ…離せ…っ!変なもん、当ててくるな…!」

ナジュは股右衛門の膝の上に乗せられ、鏡に向かって足を開かされていた。足の間では、水分を含んで一部色が薄くなった褌の下で、股右衛門がナジュの陰茎をその慣れた手管でもって弄び、情欲をかき立てている。勿論この状況を招いた胸飾りも上手く利用され、不規則に与えられる悦楽が、煮えたぎる様な腹の底に薪を焚べる。ナジュは股右衛門の肩に頭を寄せ、鏡の中の自分を見ないように目を伏せる。

「おいおい、ちゃんと鏡か俺の事見てくれよ~…俺達乳繰り合ってんだぞ?こんなそそる状況なんだから思いっきり乱れて楽しめ」
「何がそそるだっ!俺はこんなの望んで…ア…ンン…ッ!」
「そうか?うっとりしそうなのを我慢してるようにしか見えんが。褌これ以上汚すと悪いから、一旦外すわ。この鏡台は掃除したらいいからよ」

股右衛門はナジュの褌をさっと取り払い、その鏡面に立ち上がった陰茎の姿を映した。拡げられている足を閉じようとしたが、股右衛門の足が内部に入り込み、両足が引っ掛かる形になってさらに大股開きにされる。

「ナジュ、お前穴にも呪い掛けられてんだな。寝てる時、試しに指一本入れてみようとしたら入んなかったぞ。こりゃ主様が掛けたのか?」
「何だそれ…!呪いは兎も角、お前俺が眠ってる時、そんな事しようとしてたのか!」
「おう、会った当初だけどな。今もその呪い機能してるか確かめていいか?」

股右衛門はナジュの返事を聞く前に剥き出しになった蕾に指を当てた。蕾は股右衛門の指を感じてひくりと動揺したが、見えている範囲以上に進むことは無かった。

「おっまだ呪いは継続中みたいだな」
(何でだ…?御手付き達が集まる宴会では…散々弄りまわされたのに…。それに隣の部屋でも他夏って奴と…誰だかに犯されて…)

股右衛門はそれ以上進まぬと判断して、陰茎と胸への愛撫に集中する事にした。ナジュは自身の身体に施されていた胸とは別の呪いに、疑問符を浮かべていた。
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