127柱目の人柱

ど三一

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御殿編

見張りの右舷左舷if「欲界にて沈む」(BADEND) ⭐︎性描写あり ⭐︎ちょっぴり閲覧注意 ⭐︎救済無し

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ナジュが下心の無い右舷を連れて行こうとした時、左舷がナジュの肩を抱いた。

「それでは我が身体を改めてこよう。少々時間がかかるやもしれん。御蔭様がお通りの際には、厠とでも伝えてくれ」
「相わかった」
「!…っま、まて」

ナジュは右舷の着物の袖を引こうとしたが、左舷に連れて行かれてしまった。


「はあ…はあっ!」
「ま、待てっ!やめろっ」

襖を閉めて2人きりとなった左舷はナジュを後ろから羽交締めにした。着物の合わせ目から手を差し込んで胸肉を揉んでいる。

「愛い仕草で我を誘いおって…!流石股右衛門の部下よ…」
「乳触んなって…っ!んぶっ」

左舷がナジュの口を口を塞ぐ。直前懐から出した飴を口に含んだ左舷は、2人の間でその飴を転がす。その飴は強い催淫作用があり、色好みの間では情事を盛り上げる品として有名であった。

(な、なんだ!?この、甘い…!)

左舷は飴をナジュの口内に舌で押し込むと、味合わせるようにナジュの舌の上で飴を転がした。勿論飴を舐める2人に効果があるのだが、主に唾液として催淫効果のある成分を飲み下してしまうナジュに強く作用する。左舷がナジュの着物の上を脱がせると、既に立ち上がっている頂点を指で摘み転がした。

(なんだよっ……気持ちいい…!?)

ナジュは顔を赤くして、胸を愛撫する左舷の腕に掴まる。左舷は口を離すと、ナジュへの揶揄いを口にする。

「フフ…我が触れる前から乳を立ておって…淫靡な男よ」
「あっ……!」

左舷はナジュの頂点ばかりを捻る。ナジュは些細な抵抗もなく、愛撫される己の乳を見下ろす。その顔は眉が八の字になりつつあったが、恍惚としていた。

「ここがよいのではないか?」
「あっ、ああっ…いい…っ!わからないけど、気持ちいいっ…!」


ナジュは飴によって発情していた。生意気そうな顔をしたナジュの変貌に、好色な眼差しで見下ろす左舷は、さらに下へと手を伸ばす。

「ここを…擦ってほしくはないか?」
「あっ…!?」

左舷はナジュの着物を押し上げる股間の熱に触れる。円を描くようにそこをマッサージしてやると、ナジュは可愛く左舷に縋り付く。

「やめ、ろ…出…っる…出るから…っ」
「こんなに優しく触っているだけで?」
「身体熱くて、おかしいんだっ…!気持ちよくて…もっと…するっ」

ナジュは腰を動かして、左舷の掌に股間を押し付ける。

「頼むっ…もっと触ってくれ…!」

その顕著な効果にニヤニヤが止まらない左舷は、ナジュと約束する。

「触る代わりに、我のこれを尻に入れる。それでもいいなら」

左舷がナジュの尻に股間を擦り付ける。それは固くナジュの尻の割れ目に埋まった。

「いいっ!尻に入れていいからっ!早く、手を!」
「よしよし、慌てるな。我もお前の尻の中で良くなりたいでな。ほら、着物を自分で捲り、尻を開いて見せよ」
「くぅっ…!早く、しろ……!」

ナジュは着物を捲ると、自分の尻肉を両手で掴み、左右に広げた。左舷は堪らないという風に、急いで己の逸物を取り出し、ナジュの中に埋めた。

「っあああ~!」
「はあっ!」

ナジュの尻肉は左舷によって貫かれる。
そして優しさの欠片も無い情欲がナジュの体を貪り尽くす。揺さぶられながら、乱暴に撫でられる己の股。ナジュは快楽の虜となりつつある。

(くそっ…あいつを、呪い殺してやらなきゃっ……俺の…気が……済まない、のにぃ…!)

熱く滾る下半身が、何もかもを塗り替えようと心まで迫ってくる。恨みを忘れて享楽に生きるのもまた悪くは無いと、違う地獄が囁く。痛む尻は確かに悪夢を一時忘れさせてくれる。

「いいぞっ……!登ってくる…!」
「はあ…はあ…っ」

質素な畳部屋に、2人の呼吸が重なる。外に居る2人に聞こえないよう、互いに声を抑えているが、それでも畳を踏む足がギチギチと小さく音を立てている。

「股右衛門の部下など止め、我のモノになれッ……!!」
「く……ぁ……っ」

腹を突き破るのではないかと思う程の勢いで、灼熱がナジュの身体の中心を穿ち、途端腹に感じる不浄の激流。それと同じ類のものが、左舷の掌を汚していた。

ふわふわとする頭の中に、左舷の囁く声が耳から入ってくる。

「私室にお前を繋いでおこう…。我に抱かれるのを待つ間、土壁に取り付けた張り型を慰みに使うがいい……本日より我の愛妾となれ」
「……ああ、それで…いい気がする」

心の痛みは、痛みを伴う快楽に塗り潰された。いつ見捨てられるか分からない御手付き様の地位よりも、ただ欲望に繋がれていた方が怖くない。ナジュは左舷に再び手にした未来を売り渡した。御手付き様の地位を返上したナジュは、左舷が郊外に構えた屋敷にて欲界の住人に魂を貪られる。

「左舷よ、右舷の姿が見えぬが、奉公か?」
「あやつはちと純朴すぎるのでなっ…!」

ドロドロとした汚泥のような白が美しい青年の身体を汚す。左舷は美しかった青年の身体を楽しんだ後、同じ嗜好を持つ同志を秘密の屋敷に招いた。股右衛門の姿もあった。集められた同志は部屋に通されると、長い鎖に繋がれた美しい男の姿を発見した。貪られ尽くした身体には、赤い跡がきつく押印され、左舷の所有欲を垣間見た。

「我の愛妾だ……何とも不憫な生い立ちでな。それを忘れたいと申しておるから、こうして匿っているのよ。その代わりに…」

左舷が青年の着物を剥いで同志達に身体を見せると、青年の尻の間に張り型が嵌め込まれていた。

「夜伽を命じておる」

張り型は汚らしい白いシミが付着し、大分酷使したのだろう、手の跡が着いている。

「嫌な事を忘れるには、快楽が1番!お主達ならば、わかるだろう?」

不自然なまでの明るい声色に、同志達は左舷という男の底知れぬ闇に恐れを抱いた。しかし、目の前の青年は言葉に表せないような妖艶さを放ち、同志達の嗜虐心を煽る。左舷の意味深なその言葉をやっとの事で飲み込んだ同志達は、先を争うように美しい青年を取り囲んだ。先頭は股右衛門だった。張り型の代わりのものを恵んでやると、青年は掠れた声で股右衛門の名を呼んだ。

今宵も青年と慰め合った同志達は、満足した顔で左舷の屋敷を後にする。残った左舷は虚な青年の眼を愉快そうに覗き込む。

「御蔭様の機嫌を損ねたお主が悪いのだ」

ひとひらの花弁の様に儚く美しい青年の魂は、欲界の亡者に拐かされ底に沈んだ。

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