10 / 31
10話 ベストバウト
しおりを挟む
「デートをします」
「おい! 知ってて言ってんのか?」
ちょっと憧れていたセリフだが、ビッチに言われると恐怖と不安しか感じない。
「俺の大好きな物語をバカにすんな! あやまれ、ひたぎ様に詫びをいれろ!」
「わかったわよ、誰だか知らないけれど謝るからここに連れてきなさい」
こいつとは趣味も合いそうにないのな。
「で、どこに行く? 希望が無いのならうちに来ない? 今日は親もいないし」
また、あざとい表情。
「俺、今日は道場で稽古するんだ。それではここで失礼します。もう、俺の前には現れないでください。さようなら」
深々とお辞儀をして回れ右を……
「照れないでよ、私達は付き合って間もないラブラブカップルじゃない」
するっと俺の左側に回り込み腕をからめてくる。腕に伝わるお胸さまのやわらかい感覚とサムライの香り。
以前、『引きこもり』と言ったことは心の中で撤回しよう。
一瞬、気をとられて勝手に歩き始める身体を理性に全力を込めてストップをかける。
「だから、行かねーって!」
「どうせ、道場に行って汗を流すんなら、私と一緒に……ねっ?」
何が『ねっ?』だ。溜息をつきがら凛の腕をねじりあげる。
「いたたっ、ちょっとやめて! デートDVよ!」
少し離れてクラスの連中がこっちを見ているのに気づき、慌てて手を離す。
「一目惚れだからって! 付き合ってくれって言ったじゃない。付き合って飽きたから別れようって酷い! こんなに好きなのに!」
このくそビッチ、俯いてクラスの連中からは見えない角度で、にやにや笑ってるに違いない。あいつらに聞かせるつもりの音量だ。しかもビッチのくせに、演技力はレッドカーペットでアカデミー賞ものだ。
遠くで、「サイテー」「酷い」「クズだな」などなど、俺の人格を表現する素敵な単語がいくつも聞こえる。「死ねばいいのに」「あいつデブ専だからな」
最後のセリフ言った奴は後で殺す。デブが好きなんじゃない。タマが好きなんだ。
凛の腕を掴み、クラスの連中から逃げるように少し離れたコンビニ前まで引っ張っていく。
「からかうのはやめてくれ。何度も言うが、俺はお前とは付き合うとは言ってない」
「からかってなんかない。翔吾のことが好きって言うのは本気よ」
「どの口が言ってんだ? 俺の事どんだけ知ってんだよ」
「翔吾だって、私の事一目惚れだって言ったでしょ。私も一目惚れ。この前の公園でのKOシーンは私の中でベストバウト・ランキング2位にランク・インしたわ。喜びなさい」
スマホを取り出し画面を俺に見せる。
この前の金髪坊主を仕留めた場面だ。自分では無様な喧嘩だったと思っている。もし、凛がいなければ自慢の逃げ足でフェイドアウトして、俺の中でのベストバウトになったに違いない。俺が習っているのは兵法だからな。
(*松山河野流兵法の兵法とは剣術を中心とした武術の事で孫子の兵法とは意味が違います。翔の勘違い)
「ねぇ、よく撮れてるでしょ、翔吾の真剣な顔もかっこいいし」
たしかに、かぶっていたフードが取れて俺の顔がしっかり写っているが、ホント美羽が言っていた暗殺者の眼だな。
「ちょうど公園の外灯の下だな。その動画、カッコ悪いから削除してくれ。」
「それより、ランキング1位の試合の事、聞きたい?」
「……いいや」
(1位も翔吾の試合なんだけどね……)
なにか呟いたが聞こえなかった。まあ、どうでもいいか。
「この不良の皆さんは、なんとかポイントってチームのメンバーで、いい大人が結構やんちゃしてるって評判なの、知ってる?」
「聞いたこともないな…… そういや、あの時、車のリヤウィンドウに、デカイステッカー貼ってたな」
確かに、ろくな大人達ではなかった。あんな大人にはなりたくない。
「それでね、この動画にちょっとした個人情報を加えて、どっかのサイトにアップすればお友達のいない翔吾の家に不良の皆さんが押しかけてくると思うんだ。家族とか家にいるんでしょ?」
「……どうゆう事だ?」
「つまり、明日からは翔吾は私と朝から一緒に登校して、放課後はデートしたいって事よ。残念だけど学校が違うからお昼は一緒に食べられないけれど、お弁当ぐらいは作ってあげるわよ?」
以前見た、悪戯を思いついた悪魔の笑顔だ。そんな表情もやたらに綺麗で腹が立つ。
「脅迫か。どうせ、動画はどっかでバックアップ取ってるんだろ?」
「正解よ。よく分かってるじゃない。翔吾の学校って頭良かったのね」
「お前の女子高と偏差値はどっこいどっこいだ」
「あっそう、なぜか腹立たしいわね。でも、ご理解して頂けたようでうれしいわ。これで、私たちは晴れて恋人同士になったことだし、行きましょうか?」
微笑みながら手を差し出す凛。
「俺に拒否権はないんだろ?」
差し出す手を握る。細い指。俺より少し低い体温。
「さすが翔吾。私の事よく分かってるのね。でも正解はこうして手を繋いで欲しかったの」
俺の手の中で凛の手が動いた。
……これが『恋人つなぎ』という奴なのか。
やはり、照れくさくて少し手を身体から離して歩き出す。手汗が気になるが、よく考えたら凛に嫌われてもいいと考えるとベッタベタに手汗をかいても構わないと思うと気にならなくなった。
「ねえ、翔吾?」
特に共通の話題もないので無言でしばらく歩いていると凛が声を掛けてきた。
「なんだ?」
「硬い手ね」
「誰と比較しているのか分からないが、そうだろうな」
俺の手のひらは木刀の素振りで豆だらけのカチカチだ。正直、女子と手を繋ぎたくなんかない。
「妬いてるの? 大丈夫。翔吾が初めての彼氏だから。こうして男の子と手を繋ぐのも初めて。信じてくれる?」
凛の手に少し力が入り、少し腕が近づく。
「信じる…かな。お前の本当の性格を知って付き合おうってヤツがいなかったとか?」
(……ほんとだね。翔吾、ごめんね)
「なにか言ったか?」
「なにも。私、見ての通り可愛いからかなりモテるんだけれど」
「そうだろうな。清楚で貞淑だったっけ?」
「なにか棘のある言い方ね。それより、翔吾の方はどうなの? そういえば彼女いたの?」
「なぜ、過去形なんだ? 悔しいが俺の方はさっぱりモテない」
「でしょうね」
「なんでだよ!」
「私が翔吾のレジに並んでたのは一番空いてたから。怖い顔でいらっしゃいませって大きな声で怒鳴ってたら普通のお客は並ばないでしょう?」
こらえきれなくなったように凛はくすくす笑い出す。
「レジの前を通る買い物客にもいらっしゃいませって……、あれじゃ、このレジには来ないでくださいって感じだったよ。学校でもあんな感じだったら女子は近寄ってこないんじゃない?」
大きな声で笑顔の挨拶を実践してたんだが笑顔が無かったのか……
凛がつないだままの手の甲で涙を拭う。泣くほど面白かったらしい。
「怒った?」
「いいや、……ありがとうかな。今度から気を付ける」
「優しいんだね」
しばらくまた沈黙があり、
「3か月でいいよ、付き合ってくれるの」
「期間限定だな。こっちとしては有難いんだが、動画はその時削除してくれるんだろうな?」
「もちろん約束するわ。でも、その頃には翔吾は私を好きになってて、ベタ惚れで約束はなかったことになっているけど?」
「どうだかな?」
今の約束は契約書でも書いてもらった方がいいか?
「着いたわ。ここが、私の家。入って」
2階建ての倉庫の様なつくりの家。
「ここって……、ジム?」
ガラス窓からはリングやサンドバックなどが見え、数人の男女が練習をしている。
入り口のドアには「東雲 KICK BOXING GYM」の文字。
「おうちデート。今日は親もいないの。ゆっくりしていってね」
嫣然とした笑顔を浮かべる凛。
(たっぷり、可愛がられそうだな……)
ジムに入る前から背中には冷たい汗をかいていた。
「おい! 知ってて言ってんのか?」
ちょっと憧れていたセリフだが、ビッチに言われると恐怖と不安しか感じない。
「俺の大好きな物語をバカにすんな! あやまれ、ひたぎ様に詫びをいれろ!」
「わかったわよ、誰だか知らないけれど謝るからここに連れてきなさい」
こいつとは趣味も合いそうにないのな。
「で、どこに行く? 希望が無いのならうちに来ない? 今日は親もいないし」
また、あざとい表情。
「俺、今日は道場で稽古するんだ。それではここで失礼します。もう、俺の前には現れないでください。さようなら」
深々とお辞儀をして回れ右を……
「照れないでよ、私達は付き合って間もないラブラブカップルじゃない」
するっと俺の左側に回り込み腕をからめてくる。腕に伝わるお胸さまのやわらかい感覚とサムライの香り。
以前、『引きこもり』と言ったことは心の中で撤回しよう。
一瞬、気をとられて勝手に歩き始める身体を理性に全力を込めてストップをかける。
「だから、行かねーって!」
「どうせ、道場に行って汗を流すんなら、私と一緒に……ねっ?」
何が『ねっ?』だ。溜息をつきがら凛の腕をねじりあげる。
「いたたっ、ちょっとやめて! デートDVよ!」
少し離れてクラスの連中がこっちを見ているのに気づき、慌てて手を離す。
「一目惚れだからって! 付き合ってくれって言ったじゃない。付き合って飽きたから別れようって酷い! こんなに好きなのに!」
このくそビッチ、俯いてクラスの連中からは見えない角度で、にやにや笑ってるに違いない。あいつらに聞かせるつもりの音量だ。しかもビッチのくせに、演技力はレッドカーペットでアカデミー賞ものだ。
遠くで、「サイテー」「酷い」「クズだな」などなど、俺の人格を表現する素敵な単語がいくつも聞こえる。「死ねばいいのに」「あいつデブ専だからな」
最後のセリフ言った奴は後で殺す。デブが好きなんじゃない。タマが好きなんだ。
凛の腕を掴み、クラスの連中から逃げるように少し離れたコンビニ前まで引っ張っていく。
「からかうのはやめてくれ。何度も言うが、俺はお前とは付き合うとは言ってない」
「からかってなんかない。翔吾のことが好きって言うのは本気よ」
「どの口が言ってんだ? 俺の事どんだけ知ってんだよ」
「翔吾だって、私の事一目惚れだって言ったでしょ。私も一目惚れ。この前の公園でのKOシーンは私の中でベストバウト・ランキング2位にランク・インしたわ。喜びなさい」
スマホを取り出し画面を俺に見せる。
この前の金髪坊主を仕留めた場面だ。自分では無様な喧嘩だったと思っている。もし、凛がいなければ自慢の逃げ足でフェイドアウトして、俺の中でのベストバウトになったに違いない。俺が習っているのは兵法だからな。
(*松山河野流兵法の兵法とは剣術を中心とした武術の事で孫子の兵法とは意味が違います。翔の勘違い)
「ねぇ、よく撮れてるでしょ、翔吾の真剣な顔もかっこいいし」
たしかに、かぶっていたフードが取れて俺の顔がしっかり写っているが、ホント美羽が言っていた暗殺者の眼だな。
「ちょうど公園の外灯の下だな。その動画、カッコ悪いから削除してくれ。」
「それより、ランキング1位の試合の事、聞きたい?」
「……いいや」
(1位も翔吾の試合なんだけどね……)
なにか呟いたが聞こえなかった。まあ、どうでもいいか。
「この不良の皆さんは、なんとかポイントってチームのメンバーで、いい大人が結構やんちゃしてるって評判なの、知ってる?」
「聞いたこともないな…… そういや、あの時、車のリヤウィンドウに、デカイステッカー貼ってたな」
確かに、ろくな大人達ではなかった。あんな大人にはなりたくない。
「それでね、この動画にちょっとした個人情報を加えて、どっかのサイトにアップすればお友達のいない翔吾の家に不良の皆さんが押しかけてくると思うんだ。家族とか家にいるんでしょ?」
「……どうゆう事だ?」
「つまり、明日からは翔吾は私と朝から一緒に登校して、放課後はデートしたいって事よ。残念だけど学校が違うからお昼は一緒に食べられないけれど、お弁当ぐらいは作ってあげるわよ?」
以前見た、悪戯を思いついた悪魔の笑顔だ。そんな表情もやたらに綺麗で腹が立つ。
「脅迫か。どうせ、動画はどっかでバックアップ取ってるんだろ?」
「正解よ。よく分かってるじゃない。翔吾の学校って頭良かったのね」
「お前の女子高と偏差値はどっこいどっこいだ」
「あっそう、なぜか腹立たしいわね。でも、ご理解して頂けたようでうれしいわ。これで、私たちは晴れて恋人同士になったことだし、行きましょうか?」
微笑みながら手を差し出す凛。
「俺に拒否権はないんだろ?」
差し出す手を握る。細い指。俺より少し低い体温。
「さすが翔吾。私の事よく分かってるのね。でも正解はこうして手を繋いで欲しかったの」
俺の手の中で凛の手が動いた。
……これが『恋人つなぎ』という奴なのか。
やはり、照れくさくて少し手を身体から離して歩き出す。手汗が気になるが、よく考えたら凛に嫌われてもいいと考えるとベッタベタに手汗をかいても構わないと思うと気にならなくなった。
「ねえ、翔吾?」
特に共通の話題もないので無言でしばらく歩いていると凛が声を掛けてきた。
「なんだ?」
「硬い手ね」
「誰と比較しているのか分からないが、そうだろうな」
俺の手のひらは木刀の素振りで豆だらけのカチカチだ。正直、女子と手を繋ぎたくなんかない。
「妬いてるの? 大丈夫。翔吾が初めての彼氏だから。こうして男の子と手を繋ぐのも初めて。信じてくれる?」
凛の手に少し力が入り、少し腕が近づく。
「信じる…かな。お前の本当の性格を知って付き合おうってヤツがいなかったとか?」
(……ほんとだね。翔吾、ごめんね)
「なにか言ったか?」
「なにも。私、見ての通り可愛いからかなりモテるんだけれど」
「そうだろうな。清楚で貞淑だったっけ?」
「なにか棘のある言い方ね。それより、翔吾の方はどうなの? そういえば彼女いたの?」
「なぜ、過去形なんだ? 悔しいが俺の方はさっぱりモテない」
「でしょうね」
「なんでだよ!」
「私が翔吾のレジに並んでたのは一番空いてたから。怖い顔でいらっしゃいませって大きな声で怒鳴ってたら普通のお客は並ばないでしょう?」
こらえきれなくなったように凛はくすくす笑い出す。
「レジの前を通る買い物客にもいらっしゃいませって……、あれじゃ、このレジには来ないでくださいって感じだったよ。学校でもあんな感じだったら女子は近寄ってこないんじゃない?」
大きな声で笑顔の挨拶を実践してたんだが笑顔が無かったのか……
凛がつないだままの手の甲で涙を拭う。泣くほど面白かったらしい。
「怒った?」
「いいや、……ありがとうかな。今度から気を付ける」
「優しいんだね」
しばらくまた沈黙があり、
「3か月でいいよ、付き合ってくれるの」
「期間限定だな。こっちとしては有難いんだが、動画はその時削除してくれるんだろうな?」
「もちろん約束するわ。でも、その頃には翔吾は私を好きになってて、ベタ惚れで約束はなかったことになっているけど?」
「どうだかな?」
今の約束は契約書でも書いてもらった方がいいか?
「着いたわ。ここが、私の家。入って」
2階建ての倉庫の様なつくりの家。
「ここって……、ジム?」
ガラス窓からはリングやサンドバックなどが見え、数人の男女が練習をしている。
入り口のドアには「東雲 KICK BOXING GYM」の文字。
「おうちデート。今日は親もいないの。ゆっくりしていってね」
嫣然とした笑顔を浮かべる凛。
(たっぷり、可愛がられそうだな……)
ジムに入る前から背中には冷たい汗をかいていた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】美しい人。
❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」
「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」
「ねえ、返事は。」
「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」
彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる