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2章
32話 河野流兵法
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「理恵、どしたん? いきなり床が上手くなってる!」
フロアの横でストレッチをしていた菜月の口がぽかんとあいている。ショートカットでちっちゃな菜月は同い年なのに中学生にしか見えない。
「ふふっ、ちょっとね~」
床どころか平均台もいつもより幅が広く感じるくらい今日の私は絶好調だ。
今日の私はテンションが上がりっぱなしだ。理由は河野君と同じクラスになれたこと。出席番号順で机が隣になるという運命に今日の景色はいつもよりキラキラ輝いて見えるなんて思ってる。休み時間のたびに練習を見てもらいたいとお願いして何とか来週の日曜日に約束を取り付けた。
昨日の夜、咲耶に連絡してあれこれ河野君について探りを入れたけど二人は付き合っていない! 咲耶が河野君のことを嬉しそうにあれこれ聞いてもいないまで教えてもらった。肩を痛めて鉄棒や吊り輪が出来なくなって体操をやめてしまったそうだ。もったいない、日本体操界の大きな損失だよ! 河野君は体操をしていたことはみんなに内緒にしてくれって私にも言ってた。せめて、種目別でもうちの高校から出てくれればあの演技が見れるのに。
受験もあるから無理は言えないけど、毎日でも練習を見てもらいたいな。
あと、咲耶は間違いなく河野君が好き。もともと可愛らしい顔してたけど昨日はメイクもして最近は髪も伸ばしているみたい。マッシュウルフに太めの眉毛で活発なイメージだった咲耶が昨日はかなり乙女になってたんでびっくりした。けど、私の見立てでは河野君は咲耶の大好きオーラは分かっているのかどうか華麗にスルーしている。
ふっふっふ、幼馴染との恋愛なんてコミックの中だけなのだよ。
それよりそれより、気になる娘がもう一人。今日、河野君と咲耶のお突き合いをニコニコ微笑みながら一緒に登校してきた黒髪ロングヘアーのびっくりするくらいの美少女。入学式では周りの男子も噂してた。入学式では朝とは違いちょっと話しかけずらいクールな印象だった。竹刀袋を肩に下げて登校してたので剣道部なのかな。今日も咲耶を問い詰めなければ。
すっかり暗くなってしまったけど、今日から通学路は少し遠回りしても河野道場の前を通ろう……、私ストーカー? いやいや前を通るだけ。
偶然を装って「あれっ? 河野君の家ってここだったんだ~」なんて妄想モード全開で気が付くと、もう道場の前に来ていた。
立派な和風の門から道場を覗き込んで、河野君は……、イター! 紺色の剣道着を着て、小柄なお爺ちゃんと型の稽古か。真剣な顔を見てたら涎が出そう……
むむっ、咲耶はいいとして、あの黒髪の美少女もいる。白い剣道着が嫉妬するくらい似合ってる。咲耶と道場の中央で組手中。
どれどれ、私も結構格闘技には自信あり。ふふん、これでも私は跆拳道では黒帯よ。
うわっ、あの咲耶と互角? 私が通っていた道場で知り合ったけど、師範がデレた顔で「咲耶ちゃんはうちの道場の宝だー、アジアの女王になれるよっ」って言わしめた逸材だ。
全力の咲耶が見せる笑顔の組手。黒髪さんは表情を変えず目にも止まらない連打を見せる。黒髪さんパンチとローキック主体の組手は地味に見えるけれど隙がない。
ふぅ~、思わず見入ってしまった。次はどうやら河野君と黒髪さんの組手みたい。これは見逃せません。そこで、咲耶に発見される。
「理恵せんぱ~い、学校の帰りですか~? 一緒に練習しませんかぁ?」
えっ、いいの? 師範らしい小柄なおじいちゃんもニコニコしながら手招きしてる。
「そっそれじゃ、久しぶりにミットでも蹴らせてもらおうかな?」
あくまで、平静を装って道場にお邪魔する。河野君が小さく手を振ってくれた。今日はいい夢が見られそうだ。
軽くアップしながら河野君VS黒髪さんの組手を眺める。
はぁ、河野君の綺麗な組手。能や神楽を見てるみたい。頭の中のフォルダーにダウンロードしていく。
「颯馬! ガード下がっとるよ!」
咲耶の声が飛んだ時には黒髪さんのハイキックが河野君の顎を狙う。何とか蹴りと顔の間に掌を滑り込ませたがぱたんと尻餅をつく。
「きゃっ!」っと小さな悲鳴を上げる私。
「イテテ、やっぱり雪輪は強いな~」
河野君が額に手を当ててフラフラしながら立ち上がる。黒髪さんは雪輪というのか。私も理恵って呼んでくれないかな? しかし、この娘の気迫は凄いというより異常だ。殺す気なんだろうか?
「理恵先輩、颯馬はうちらに遠慮して攻撃を途中で止めちゃうんですよ。ほんとは強いのに」
ぷくっと頬を膨らませて咲耶がぼやく。
それよりミット打ちしましょうと咲耶に誘われる。
久しぶりだ。いつの間にか夢中になってミットを蹴り込んでいた
ふと視線を感じて道場の隅に目をやると河野君が汗を拭きながら私をぼんやり見ている。ふふふん、ちょっといいところを見せましょうか?
2段廻し蹴り、飛び後ろ廻し蹴り、変則的な踵落しなどなど河野君が見たことのないだろう珍しい技やコンビネーションを咲耶と交互に蹴っていく。お爺ちゃん師範も真剣な顔で見ている。
「颯馬、もう覚えたやろ?」
「もちろん完コピじゃ。越智、お前スゲー蹴りじゃな」
広島弁? 体育館で私の補助をしてくれた時もそういえば方言だった。言ったあとで河野君がしまったみたいな顔をしてる。
河野君と一緒にミット打ちをする。信じられない! ホントに完コピだ。横に立ってる咲耶の顔が誇らしげなのが意味不明だけど。
雪輪ちゃんはお爺ちゃんと剣道の稽古をしている。お爺ちゃんは短い竹刀。なんか防具の形がヘンだ。脛と肩にも防具をつけてる。後で咲耶に聞いたら河野流は脛への攻撃や胴体への突きも有効なのだそうだ。
武器もなぎなたみたいなのやナイフ位の竹刀、ステッキみたいな棒などバラエティーに富んでいる。棚に置いてあるのは手裏剣? 何でもアリだな河野流。
だけど、お爺ちゃん師範、めちゃくちゃ強い……。2・3回打ち合っただけで雪輪ちゃんの竹刀が飛んで行ったり足を掬われて投げられたり。
「颯馬の爺ちゃんは人間じゃないけんね~」
納得。
みんなでクールダウンして(その前に腕立て伏せや腹筋運動を死ぬほどやらされたけど)帰宅することに。
ここで私にまたしても幸運が!お爺ちゃん師範が最近物騒だから河野君にみんなを家まで送って行けって! お爺ちゃんGJ!
まず、最初に咲耶の家へ。家の玄関でものすごく恨めしそうにこっちを見ているがみんなスルー。
次に雪輪ちゃんのアパート。一人暮らしだって。けど今日はお父さんも家にいるみたい。明かりがついている。
さぁ、最後に私の家。いろいろ河野君の事も聞きたいし、私の事も話したい。ああ、もっと家が遠ければいいのにと思ったのは今日が初めてだ。
「河野君、この辺りでもういいよ家はすぐそこだから」
出来るだけ可愛く笑って手を振る。さすがに家の前まで送ってもらうのはちょっとね?
「そうか? じゃまた明日学校で。お休み」
ちょっと手を挙げて河野君が引き返していく。いいな~、この感じ。
ミリタリーテイストの上着を羽織った河野君の後姿を目に焼き付けて歩き始める。
ん? 街頭の下にたたずむ数人の人達。ぼんやり空を見上げている? OLさんっぽい若い女の人。大工さんみたいな恰好をした男の人、スーツ姿のメガネをかけたサラリーマン。塾帰りの中学生くらいの男の子たち。なんだろう、ぽかんと空を見上げている。つられて空を眺めて見るけどなにも変わったところはないみたい。
近寄って何気なく顔を見て戦慄する。みんな虚ろな目。口の端からブクブクと泡を吹いている。
(――なに、この人たち?)
「この子が後藤のお役目?」
「そうみたいね。けっこうな妖気ね~」
「あら、みてみて可愛い猫ちゃんまでいるわ! かわいい~」
いきなり後ろからデラックスな3人組の大男が大声で話しながら現れる。ビックリして振り返ると、3つ子? みんな見分けがつかないほどそっくりだ。おまけに御揃いの野球のユニフォームを着て赤い野球帽をかぶっていて、なぜか全員、金属バットをぶら下げている。青いアイシャドウの視線の先は……何故? 私をそんなに見ないで!
「ちょっと、あなた後藤さん?」
全身に鳥肌が立つ。この人、頭に犬の耳みたいなアクセサリーつけてる。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……!
「ひっ、人違いでしゅっ!」
目を合わせないようにして家までダッシュで帰る!
「あらやだ! 人違いですって?」
「うそ! けど、猫ちゃんが」
「ねぇ? どういうこと? ほら、あんた達! その子捕まえなさい!」
空を見上げてた人達は私が傍を駆け抜けようとしたとき、スイッチが入ったかのように飛びかかってきた。
フロアの横でストレッチをしていた菜月の口がぽかんとあいている。ショートカットでちっちゃな菜月は同い年なのに中学生にしか見えない。
「ふふっ、ちょっとね~」
床どころか平均台もいつもより幅が広く感じるくらい今日の私は絶好調だ。
今日の私はテンションが上がりっぱなしだ。理由は河野君と同じクラスになれたこと。出席番号順で机が隣になるという運命に今日の景色はいつもよりキラキラ輝いて見えるなんて思ってる。休み時間のたびに練習を見てもらいたいとお願いして何とか来週の日曜日に約束を取り付けた。
昨日の夜、咲耶に連絡してあれこれ河野君について探りを入れたけど二人は付き合っていない! 咲耶が河野君のことを嬉しそうにあれこれ聞いてもいないまで教えてもらった。肩を痛めて鉄棒や吊り輪が出来なくなって体操をやめてしまったそうだ。もったいない、日本体操界の大きな損失だよ! 河野君は体操をしていたことはみんなに内緒にしてくれって私にも言ってた。せめて、種目別でもうちの高校から出てくれればあの演技が見れるのに。
受験もあるから無理は言えないけど、毎日でも練習を見てもらいたいな。
あと、咲耶は間違いなく河野君が好き。もともと可愛らしい顔してたけど昨日はメイクもして最近は髪も伸ばしているみたい。マッシュウルフに太めの眉毛で活発なイメージだった咲耶が昨日はかなり乙女になってたんでびっくりした。けど、私の見立てでは河野君は咲耶の大好きオーラは分かっているのかどうか華麗にスルーしている。
ふっふっふ、幼馴染との恋愛なんてコミックの中だけなのだよ。
それよりそれより、気になる娘がもう一人。今日、河野君と咲耶のお突き合いをニコニコ微笑みながら一緒に登校してきた黒髪ロングヘアーのびっくりするくらいの美少女。入学式では周りの男子も噂してた。入学式では朝とは違いちょっと話しかけずらいクールな印象だった。竹刀袋を肩に下げて登校してたので剣道部なのかな。今日も咲耶を問い詰めなければ。
すっかり暗くなってしまったけど、今日から通学路は少し遠回りしても河野道場の前を通ろう……、私ストーカー? いやいや前を通るだけ。
偶然を装って「あれっ? 河野君の家ってここだったんだ~」なんて妄想モード全開で気が付くと、もう道場の前に来ていた。
立派な和風の門から道場を覗き込んで、河野君は……、イター! 紺色の剣道着を着て、小柄なお爺ちゃんと型の稽古か。真剣な顔を見てたら涎が出そう……
むむっ、咲耶はいいとして、あの黒髪の美少女もいる。白い剣道着が嫉妬するくらい似合ってる。咲耶と道場の中央で組手中。
どれどれ、私も結構格闘技には自信あり。ふふん、これでも私は跆拳道では黒帯よ。
うわっ、あの咲耶と互角? 私が通っていた道場で知り合ったけど、師範がデレた顔で「咲耶ちゃんはうちの道場の宝だー、アジアの女王になれるよっ」って言わしめた逸材だ。
全力の咲耶が見せる笑顔の組手。黒髪さんは表情を変えず目にも止まらない連打を見せる。黒髪さんパンチとローキック主体の組手は地味に見えるけれど隙がない。
ふぅ~、思わず見入ってしまった。次はどうやら河野君と黒髪さんの組手みたい。これは見逃せません。そこで、咲耶に発見される。
「理恵せんぱ~い、学校の帰りですか~? 一緒に練習しませんかぁ?」
えっ、いいの? 師範らしい小柄なおじいちゃんもニコニコしながら手招きしてる。
「そっそれじゃ、久しぶりにミットでも蹴らせてもらおうかな?」
あくまで、平静を装って道場にお邪魔する。河野君が小さく手を振ってくれた。今日はいい夢が見られそうだ。
軽くアップしながら河野君VS黒髪さんの組手を眺める。
はぁ、河野君の綺麗な組手。能や神楽を見てるみたい。頭の中のフォルダーにダウンロードしていく。
「颯馬! ガード下がっとるよ!」
咲耶の声が飛んだ時には黒髪さんのハイキックが河野君の顎を狙う。何とか蹴りと顔の間に掌を滑り込ませたがぱたんと尻餅をつく。
「きゃっ!」っと小さな悲鳴を上げる私。
「イテテ、やっぱり雪輪は強いな~」
河野君が額に手を当ててフラフラしながら立ち上がる。黒髪さんは雪輪というのか。私も理恵って呼んでくれないかな? しかし、この娘の気迫は凄いというより異常だ。殺す気なんだろうか?
「理恵先輩、颯馬はうちらに遠慮して攻撃を途中で止めちゃうんですよ。ほんとは強いのに」
ぷくっと頬を膨らませて咲耶がぼやく。
それよりミット打ちしましょうと咲耶に誘われる。
久しぶりだ。いつの間にか夢中になってミットを蹴り込んでいた
ふと視線を感じて道場の隅に目をやると河野君が汗を拭きながら私をぼんやり見ている。ふふふん、ちょっといいところを見せましょうか?
2段廻し蹴り、飛び後ろ廻し蹴り、変則的な踵落しなどなど河野君が見たことのないだろう珍しい技やコンビネーションを咲耶と交互に蹴っていく。お爺ちゃん師範も真剣な顔で見ている。
「颯馬、もう覚えたやろ?」
「もちろん完コピじゃ。越智、お前スゲー蹴りじゃな」
広島弁? 体育館で私の補助をしてくれた時もそういえば方言だった。言ったあとで河野君がしまったみたいな顔をしてる。
河野君と一緒にミット打ちをする。信じられない! ホントに完コピだ。横に立ってる咲耶の顔が誇らしげなのが意味不明だけど。
雪輪ちゃんはお爺ちゃんと剣道の稽古をしている。お爺ちゃんは短い竹刀。なんか防具の形がヘンだ。脛と肩にも防具をつけてる。後で咲耶に聞いたら河野流は脛への攻撃や胴体への突きも有効なのだそうだ。
武器もなぎなたみたいなのやナイフ位の竹刀、ステッキみたいな棒などバラエティーに富んでいる。棚に置いてあるのは手裏剣? 何でもアリだな河野流。
だけど、お爺ちゃん師範、めちゃくちゃ強い……。2・3回打ち合っただけで雪輪ちゃんの竹刀が飛んで行ったり足を掬われて投げられたり。
「颯馬の爺ちゃんは人間じゃないけんね~」
納得。
みんなでクールダウンして(その前に腕立て伏せや腹筋運動を死ぬほどやらされたけど)帰宅することに。
ここで私にまたしても幸運が!お爺ちゃん師範が最近物騒だから河野君にみんなを家まで送って行けって! お爺ちゃんGJ!
まず、最初に咲耶の家へ。家の玄関でものすごく恨めしそうにこっちを見ているがみんなスルー。
次に雪輪ちゃんのアパート。一人暮らしだって。けど今日はお父さんも家にいるみたい。明かりがついている。
さぁ、最後に私の家。いろいろ河野君の事も聞きたいし、私の事も話したい。ああ、もっと家が遠ければいいのにと思ったのは今日が初めてだ。
「河野君、この辺りでもういいよ家はすぐそこだから」
出来るだけ可愛く笑って手を振る。さすがに家の前まで送ってもらうのはちょっとね?
「そうか? じゃまた明日学校で。お休み」
ちょっと手を挙げて河野君が引き返していく。いいな~、この感じ。
ミリタリーテイストの上着を羽織った河野君の後姿を目に焼き付けて歩き始める。
ん? 街頭の下にたたずむ数人の人達。ぼんやり空を見上げている? OLさんっぽい若い女の人。大工さんみたいな恰好をした男の人、スーツ姿のメガネをかけたサラリーマン。塾帰りの中学生くらいの男の子たち。なんだろう、ぽかんと空を見上げている。つられて空を眺めて見るけどなにも変わったところはないみたい。
近寄って何気なく顔を見て戦慄する。みんな虚ろな目。口の端からブクブクと泡を吹いている。
(――なに、この人たち?)
「この子が後藤のお役目?」
「そうみたいね。けっこうな妖気ね~」
「あら、みてみて可愛い猫ちゃんまでいるわ! かわいい~」
いきなり後ろからデラックスな3人組の大男が大声で話しながら現れる。ビックリして振り返ると、3つ子? みんな見分けがつかないほどそっくりだ。おまけに御揃いの野球のユニフォームを着て赤い野球帽をかぶっていて、なぜか全員、金属バットをぶら下げている。青いアイシャドウの視線の先は……何故? 私をそんなに見ないで!
「ちょっと、あなた後藤さん?」
全身に鳥肌が立つ。この人、頭に犬の耳みたいなアクセサリーつけてる。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……!
「ひっ、人違いでしゅっ!」
目を合わせないようにして家までダッシュで帰る!
「あらやだ! 人違いですって?」
「うそ! けど、猫ちゃんが」
「ねぇ? どういうこと? ほら、あんた達! その子捕まえなさい!」
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