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第1章
3.02話 闘気の操り方
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クーラーの効いたリビングで颯馬はソファーに腰掛け小さなゲーム機に夢中になっていた。
午前中の稽古を終えてシャワーを浴びた後、当日分の夏休みの宿題を終えたこの時間が颯馬にとって至福のひと時だ。
「颯馬、お使いを頼まれてくれる? 咲耶ちゃんの家にこれを届けてくれないかい?」
祖母がスーパーの買い物袋一杯に詰め込んだ野菜を持ってくる。颯馬が庭で朝稽古をしている横で朝から祖母が収穫に励んでいたものだ。
颯馬は当然この要求を拒否していたのだがお使いの帰りにアイスを買ってもいいという報酬につられてしぶしぶ200メートルほど離れた咲耶の自宅へ歩いて行った。
玄関で呼び鈴を鳴らすが誰も出てこない。インターホンのボタンを1回押しただけで家人に野菜を手渡すことをあっさり諦めた颯馬はドアノブに野菜の入った袋をぶら下げてコンビニへの道を進み始めようとする。
「ん? なんじゃ?」
一瞬、颯馬の首筋にチリッとした邪気の痛みが走る。颯馬にとってこの程度の邪気を感じることは珍しくもないが知人の自宅庭から漂ってきたということで玄関先から庭を覗き込むと、うつ伏せに倒れた咲耶が目に入る。背中には大きなラグビーボール型の蛹が斜め45度に生えている。
「咲耶ちゃん!」
何か咲耶の思いついた新しい遊びだろうか?
颯馬は咲耶の背中の蛹を掴もうと手を伸ばす。手が軽く触れた瞬間、蛹が嫌がるように身をくねらせる。
「うわっ! コイツ動くんか? 気持ち悪い……」
化身や素手で蛹を掴むことをあきらめた颯馬。辺りを見回すと園芸用の小さなスコップが落ちている。
鮮やかな緑の闘気を込めたスコップを咲耶の背中に当ててぐりぐりと蛹を引きはがして、もぞもぞと身をくねらせる蛹をぽいと庭の隅に放り投げる。
べったりとついた咲耶の背中の泥を払っていると、咲耶の意識が戻る。
「新しい遊び? あんまり面白そうじゃなかったけど?」
「ふぁぁ、そうまぁ? あれ、うち何してたんやっけ?」
「背中にぶちでかい蟲がくっついとったけぇ、あっちに捨てたんじゃけど……」
「虫? はらぺこイモ虫さん!」
颯馬も読んだことがある絵本。ストーリーもある程度は覚えている。
「あれはそんなにいいモンじゃないけぇ。ずっとくっつけ取ったらパワー吸い取られて病気になるやつじゃ」
普通の魔力の持ち主なら意識不明の重体になる程度は吸い取られているはずだがちょっと体がダルい程度で済んでいるのは桁違いの魔力を持っている証拠でもある。
「あれぇ、なんか目が回るぅ?」
立ち上がる咲耶は眩暈を感じてフラフラしている。
「紅さんにもらった薬飲めば治るじゃろ」
「うぇぇ~ あのお薬、すっごく臭いけん飲みたくない……」
「ええけぇ、はよぉ飲んで来いや」
眩暈はまだしばらく治まりそうにないのを感じた咲耶はよろよろ歩いて家に入っていく。
「そうまぁ! うちに黒い人の出しかた教えて!」
咲耶が自宅に入って1分もしないうちにサンダルをひっかけて家からすごい勢いで飛び出してきた。
「黒い人? ああ、咲耶ちゃんはええのぉ、【マスクライダー 刃】みたいじゃ! 僕のサムライは女みたいじゃけん」
『ぽふん』と咲耶の前に白い着物を着た颯馬そっくりな侍が立っている。
「うわ~、いいなぁ!」
大きな瞳。長い黒髪は頭頂近くでまとめられたポニーテール。白い狩衣に薄紫の指貫。咲耶には颯馬の化身が女剣士に見える。
「あれ? あれれ? そうま、触れないよ!」
綺麗な着物を見ようと袖の辺りを掴もうとした咲耶だが当然、咲耶には触ることが出来ない。
【咲耶ちゃん、手にパワーを込めないとお化けにも触れないんじゃろ?】
「ぱわー? 手に力をいれるとお化けが触れるようになるの?」
咲耶は手をぎゅっと握りしめて颯馬の 化身に触れようとするが当然触れることは出来ない。
【えっ出来んのか? パワーが使えないとサムライは出せんのじゃけど……】
颯馬は化身の術で現出させた侍の口で喋っている。もちろん、普通の人には聞こえない。【天眼】と呼ばれる特別な眼を持つ咲耶だが咲耶の耳も特別だ。ここにいる咲耶しか侍の言葉は聞こえていない。
「パワー?」
【そうじゃ。こうやって…… おりゃっ!】
小さな侍がマスクライダーのキメポーズをとると両手の拳から50センチほど鮮緑色をした炎の様なものが噴出している。
「カッコいい…… うちにも出来るかな?」
【へへへェ! かっこいいじゃろ? サクちゃんなら簡単にできるけぇ、僕が教えてあげる!】
咲耶は朝顔を食べる芋虫を追い払おうとしたときのことを思い出した。人狸の使う手から出るもやもやした光。
左右の手のひらで手刀を作る。その両手とにらめっこをしながら、『むふぅぅぅ~!』と奇妙な気合を入れて颯馬の言うパワーなるものを取り出そうとするが、咲耶の指先から出る『パワー』と言う物は5センチほどの長さしかなく色もぼんやりとした朱色だ。颯馬の様な首筋にびりびりと力を感じる程の密度は無い。
「うまくいかないよ?」
【お腹のこの辺りに力を入れるんじゃ……】
颯馬はサムライの化身で咲耶の臍の少し下あたりを突っつく。そこは丹田と言われる部分。そこに力を入れて溢れてくる闘気を呼吸で胸のあたりに引き上げ右手から左手に循環させるように練り上げる方法を咲耶に伝える。
咲耶は半眼で大きなボールを抱えるような腕の形を作り指先どうしをくっつける。
颯馬の言われたように下腹に意識を集中して力を籠め丹田に感じる力を息を吸い込むように胸に集め、息を吐きだしながら右腕から左腕に感じるパワーを流していく……
「わわっ、これどうするの?」
咲耶は両腕に流れる大きな力の流れに戸惑って颯馬に助けを求める。
【指を離して、頭の中で両手から刀が生えているのを想像するんじゃ】
「わっ分かった……」
咲耶が想像したのは赤い光を放つ光の棒が両手の先から1メートルほど生えている光景だ。
(出来た!)
イメージ通りにうまく行った咲耶が喜んだ瞬間、両腕の朱銀の光は蛍光灯を消すように消滅した。
「ありゃ?」
【想像するのを辞めちゃったらすぐ消えるけぇ。それで、ボールみたいな形を考えて飛んでいくところを想像すると……】
颯馬の化身の両手の手のひらの上に野球ボールくらいの闘気の塊が浮かび、気取った掌底付きの動きに合わせてボールが飛んでいく。10メートル程離れた場所で二つのボールは引き合う様に軌道を変えぶつかった瞬間、『パチッ!』と大きめの音を立てて消えてしまった。
「うわぁ…… いいなぁ、面白そう!」
咲耶のあまりの食い付きの良さに颯馬は、にやりと口元を緩めていた。
颯馬の母親も霊能力者としてはかなりの実力を持っていたが颯馬程の力は持っていない。母親は颯馬のあまりの力の大きさに戸惑い、その力の使用を禁じ、更に誰かに喋ったら力がなくなってしまうという設定をしていつも目を光らせてはいたが、広島での颯馬は母親の眼を盗んで化身の術や闘気などの力をこっそりと使って遊んでいた。
母親以外には秘密をばらすと力がなくなってしまう事を恐れた颯馬はその言いつけだけは守っていた。
しかし、咲耶の事件に関しては、咲耶の力をたまたま見てしまっただけで自分から喋ってはいないから大丈夫と子供らしい理屈で安心し、咲耶も使える化身の術で空を飛んだりチャンバラで遊んだりとVRゲームのような遊びが出来ると喜んでいた。
颯馬は呼吸法やイメージの仕方、魔力を循環させる感覚を的確に指導していった。1時間後には自在に闘気で様々な形を作り颯馬とチャンバラが出来るくらいになっている。一般人では一生修行してもたどり着けないレベルではあるが……
「そうまぁ! ぱわー出せるようになったけん! はやくさむらいの出し方教えて!」
【わかった! ここまで出来るんじゃったら、もうすぐじゃけん。ソッコー覚えてバトルしようや!】
颯馬は咲耶に次のステップの指導を始めた。
午前中の稽古を終えてシャワーを浴びた後、当日分の夏休みの宿題を終えたこの時間が颯馬にとって至福のひと時だ。
「颯馬、お使いを頼まれてくれる? 咲耶ちゃんの家にこれを届けてくれないかい?」
祖母がスーパーの買い物袋一杯に詰め込んだ野菜を持ってくる。颯馬が庭で朝稽古をしている横で朝から祖母が収穫に励んでいたものだ。
颯馬は当然この要求を拒否していたのだがお使いの帰りにアイスを買ってもいいという報酬につられてしぶしぶ200メートルほど離れた咲耶の自宅へ歩いて行った。
玄関で呼び鈴を鳴らすが誰も出てこない。インターホンのボタンを1回押しただけで家人に野菜を手渡すことをあっさり諦めた颯馬はドアノブに野菜の入った袋をぶら下げてコンビニへの道を進み始めようとする。
「ん? なんじゃ?」
一瞬、颯馬の首筋にチリッとした邪気の痛みが走る。颯馬にとってこの程度の邪気を感じることは珍しくもないが知人の自宅庭から漂ってきたということで玄関先から庭を覗き込むと、うつ伏せに倒れた咲耶が目に入る。背中には大きなラグビーボール型の蛹が斜め45度に生えている。
「咲耶ちゃん!」
何か咲耶の思いついた新しい遊びだろうか?
颯馬は咲耶の背中の蛹を掴もうと手を伸ばす。手が軽く触れた瞬間、蛹が嫌がるように身をくねらせる。
「うわっ! コイツ動くんか? 気持ち悪い……」
化身や素手で蛹を掴むことをあきらめた颯馬。辺りを見回すと園芸用の小さなスコップが落ちている。
鮮やかな緑の闘気を込めたスコップを咲耶の背中に当ててぐりぐりと蛹を引きはがして、もぞもぞと身をくねらせる蛹をぽいと庭の隅に放り投げる。
べったりとついた咲耶の背中の泥を払っていると、咲耶の意識が戻る。
「新しい遊び? あんまり面白そうじゃなかったけど?」
「ふぁぁ、そうまぁ? あれ、うち何してたんやっけ?」
「背中にぶちでかい蟲がくっついとったけぇ、あっちに捨てたんじゃけど……」
「虫? はらぺこイモ虫さん!」
颯馬も読んだことがある絵本。ストーリーもある程度は覚えている。
「あれはそんなにいいモンじゃないけぇ。ずっとくっつけ取ったらパワー吸い取られて病気になるやつじゃ」
普通の魔力の持ち主なら意識不明の重体になる程度は吸い取られているはずだがちょっと体がダルい程度で済んでいるのは桁違いの魔力を持っている証拠でもある。
「あれぇ、なんか目が回るぅ?」
立ち上がる咲耶は眩暈を感じてフラフラしている。
「紅さんにもらった薬飲めば治るじゃろ」
「うぇぇ~ あのお薬、すっごく臭いけん飲みたくない……」
「ええけぇ、はよぉ飲んで来いや」
眩暈はまだしばらく治まりそうにないのを感じた咲耶はよろよろ歩いて家に入っていく。
「そうまぁ! うちに黒い人の出しかた教えて!」
咲耶が自宅に入って1分もしないうちにサンダルをひっかけて家からすごい勢いで飛び出してきた。
「黒い人? ああ、咲耶ちゃんはええのぉ、【マスクライダー 刃】みたいじゃ! 僕のサムライは女みたいじゃけん」
『ぽふん』と咲耶の前に白い着物を着た颯馬そっくりな侍が立っている。
「うわ~、いいなぁ!」
大きな瞳。長い黒髪は頭頂近くでまとめられたポニーテール。白い狩衣に薄紫の指貫。咲耶には颯馬の化身が女剣士に見える。
「あれ? あれれ? そうま、触れないよ!」
綺麗な着物を見ようと袖の辺りを掴もうとした咲耶だが当然、咲耶には触ることが出来ない。
【咲耶ちゃん、手にパワーを込めないとお化けにも触れないんじゃろ?】
「ぱわー? 手に力をいれるとお化けが触れるようになるの?」
咲耶は手をぎゅっと握りしめて颯馬の 化身に触れようとするが当然触れることは出来ない。
【えっ出来んのか? パワーが使えないとサムライは出せんのじゃけど……】
颯馬は化身の術で現出させた侍の口で喋っている。もちろん、普通の人には聞こえない。【天眼】と呼ばれる特別な眼を持つ咲耶だが咲耶の耳も特別だ。ここにいる咲耶しか侍の言葉は聞こえていない。
「パワー?」
【そうじゃ。こうやって…… おりゃっ!】
小さな侍がマスクライダーのキメポーズをとると両手の拳から50センチほど鮮緑色をした炎の様なものが噴出している。
「カッコいい…… うちにも出来るかな?」
【へへへェ! かっこいいじゃろ? サクちゃんなら簡単にできるけぇ、僕が教えてあげる!】
咲耶は朝顔を食べる芋虫を追い払おうとしたときのことを思い出した。人狸の使う手から出るもやもやした光。
左右の手のひらで手刀を作る。その両手とにらめっこをしながら、『むふぅぅぅ~!』と奇妙な気合を入れて颯馬の言うパワーなるものを取り出そうとするが、咲耶の指先から出る『パワー』と言う物は5センチほどの長さしかなく色もぼんやりとした朱色だ。颯馬の様な首筋にびりびりと力を感じる程の密度は無い。
「うまくいかないよ?」
【お腹のこの辺りに力を入れるんじゃ……】
颯馬はサムライの化身で咲耶の臍の少し下あたりを突っつく。そこは丹田と言われる部分。そこに力を入れて溢れてくる闘気を呼吸で胸のあたりに引き上げ右手から左手に循環させるように練り上げる方法を咲耶に伝える。
咲耶は半眼で大きなボールを抱えるような腕の形を作り指先どうしをくっつける。
颯馬の言われたように下腹に意識を集中して力を籠め丹田に感じる力を息を吸い込むように胸に集め、息を吐きだしながら右腕から左腕に感じるパワーを流していく……
「わわっ、これどうするの?」
咲耶は両腕に流れる大きな力の流れに戸惑って颯馬に助けを求める。
【指を離して、頭の中で両手から刀が生えているのを想像するんじゃ】
「わっ分かった……」
咲耶が想像したのは赤い光を放つ光の棒が両手の先から1メートルほど生えている光景だ。
(出来た!)
イメージ通りにうまく行った咲耶が喜んだ瞬間、両腕の朱銀の光は蛍光灯を消すように消滅した。
「ありゃ?」
【想像するのを辞めちゃったらすぐ消えるけぇ。それで、ボールみたいな形を考えて飛んでいくところを想像すると……】
颯馬の化身の両手の手のひらの上に野球ボールくらいの闘気の塊が浮かび、気取った掌底付きの動きに合わせてボールが飛んでいく。10メートル程離れた場所で二つのボールは引き合う様に軌道を変えぶつかった瞬間、『パチッ!』と大きめの音を立てて消えてしまった。
「うわぁ…… いいなぁ、面白そう!」
咲耶のあまりの食い付きの良さに颯馬は、にやりと口元を緩めていた。
颯馬の母親も霊能力者としてはかなりの実力を持っていたが颯馬程の力は持っていない。母親は颯馬のあまりの力の大きさに戸惑い、その力の使用を禁じ、更に誰かに喋ったら力がなくなってしまうという設定をしていつも目を光らせてはいたが、広島での颯馬は母親の眼を盗んで化身の術や闘気などの力をこっそりと使って遊んでいた。
母親以外には秘密をばらすと力がなくなってしまう事を恐れた颯馬はその言いつけだけは守っていた。
しかし、咲耶の事件に関しては、咲耶の力をたまたま見てしまっただけで自分から喋ってはいないから大丈夫と子供らしい理屈で安心し、咲耶も使える化身の術で空を飛んだりチャンバラで遊んだりとVRゲームのような遊びが出来ると喜んでいた。
颯馬は呼吸法やイメージの仕方、魔力を循環させる感覚を的確に指導していった。1時間後には自在に闘気で様々な形を作り颯馬とチャンバラが出来るくらいになっている。一般人では一生修行してもたどり着けないレベルではあるが……
「そうまぁ! ぱわー出せるようになったけん! はやくさむらいの出し方教えて!」
【わかった! ここまで出来るんじゃったら、もうすぐじゃけん。ソッコー覚えてバトルしようや!】
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