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14.卑怯/彰久
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しおりを挟む死んだ。
なんかもう、俺は確実に死んだ。
…男として。
目が覚めて最初に発した言葉は「いってー」、だった。
いやもうなんか、身体中痛いけど特に脚が。
ずっと開かされっぱなしだったせいかガクガクするし。
「…やば…、立てねー…」
身体を起こしたはいいが、下半身に力が入らない。
そのうえ自分の嗄れた声に驚いた。
さんざん声をあげたせいか、喉ガラガラ。
「…どうした、壱木」
朝の冷えた空気に身震いしたら温かい手のひらが背中を撫でて、落ち着いた低い声に振り向いた。
前髪をかきあげる仕草に喉がつまる。
「…立てねー、…」
「ん。何してーの」
身体を起こし、俺を抱き寄せて髪を撫でる智田の手に擦り寄った。
てゆうかなんで俺は全裸なのにお前はジーンズにTシャツまで着てるんだよ。
言いたかったけど飲み込んで要求を告げた。
「…喉渇いた」
「水でいいか」
「うん」
ベッドをおりてエアコンのリモコンで暖房いれて、ソファに脱ぎ捨てられていたパーカーを羽織り、キッチンへ向かう背を見送る。
そういえば風呂にはいった記憶はないのに身体がべたべたしない。
グラスとミネラルウォーターのペットボトルを持ってきて、ソファの前のテーブルに置き、ベッドに戻ってきたと思ったら智田はシーツごと俺を抱えてソファに座らせた。
なんか女子的扱いに居たたまれなくなって下を向く。
「壱木は今日なんかある?」
グラスにミネラルウォーターを注ぎながらそう言う智田の横顔を横目に盗み見た。
眼鏡してないとマジでキレーだった。
「…ない、と思う」
グラスを受け取って、ぼんやりと答える。
「おれ午後課題出しとバイトあんだ。帰るなら送るし、ここ居るなら飯作る。どうする、?」
水を飲みながら、どうしよう、と頭のなかで考えた。
「…智田くんが決めて」
「ん。んじゃここ居な。水飲んだら大分声マシになったな」
「ん」
飲み干したグラスをテーブルに置いて、俺の髪を撫でる智田の手に擦り寄ったら抱き寄せられて抱えられて、智田の膝にのせられた。
キスされて目を閉じる。
「…後悔してないか」
「?、なにが?」
温かい手のひらがシーツから覗く俺の腿を掴んだ。
「おれと、したこと」
「…」
考えてはみたけどよくわからなくて、濡れた智田の唇を見つめていたらまたキスされた。
今度は深く。
「…まぁ、後悔してももう遅いけど」
「…っぁ、」
シーツのなかに潜り込んできた智田の手が脚の間に滑り込んで思わず唇を離して声をあげた。
昨日さんざん突っ込まれた穴に智田の指先が触れて、自分の意志とは関係なく身体が跳ねる。
「気持ちいい、?」
「…っ、擽ったいって、…ッン、」
「…そのうち気持ちよくなるから」
「っちょ、…ま、待…っ、」
ソファに押し倒されてシーツを剥ぎ取られて本気で焦った。
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