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前世の私と親友と
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『――リリアちゃんは聖女。いやむしろ天使。今日の鼻血は私の萌え心の爆発だったのです』
リッチを滅し、愛理さんを救った日の夜。
夢の中で私の前世・璃々愛がそんな世迷い言をほざいていた。あの鼻血は間違いなく愛理さんとの衝突が原因なのだけど……。
……全体的に薄暗く、足下には霧が巻いている謎空間の中。私は気付いたら一人の美人と相対していた。
漆黒の髪は艶やかに腰まで伸び。
白磁のような柔肌に一切の汚れはない。
顔のパーツは呆れるほど見事な黄金比で。
唇は紅牡丹のように華やいでいた。
左目には私と同じく眼帯をしているが、それすらも彼女の美しさを引き立てる一助となっている。
圧倒的な美人。欠点がなさ過ぎて恐ろしさすら感じられる。その美しさは神さまだと紹介されても信じてしまいそうなほど。
綺麗さだけならおばあ様にも匹敵するのでは?
これで彼氏がいなかったとか信じられないのだけど……。よく考えてみたら趣味が合いそうなオタクさんは美人過ぎて近づけないだろうし、女慣れしている人は中二病的な言動からして敬遠するだろう。
(そう考えると彼氏いない歴=年齢にも納得だよ璃々愛)
『あ~、今ちょっと失礼なこと考えたでしょ? ふふ~ん、分かる、分かるよ。なにせ私はリリアちゃんのファン一号なのだからね!』
仮面な一号ライダーの変身ポーズを取りながら宣言する璃々愛。せっかくの美貌が台無しである。
残念美人。言葉では知っていたけど実物は本当に残念な気持ちになるね……。
「あ、はぁ……」
呆れ半分で気の抜けた返事をすると璃々愛はなぜか身悶え始めた。
『あ、いい。その冷たい目最高。我々の業界ではご褒美です。天真爛漫なリリアちゃんも大好きだけどやっぱりクール系も捨てがたいなぁ!』
「……うわぁ」
どん引きである。見た目だけなら『黒髪の女神』なのに口を開けばこれである。ほんとに残念美人という感想しか浮かんでこないよ……。
私がさらに視線の温度を下げると、何が楽しいのか璃々愛はごろごろと床(?)の上を転がっていた。蹴り飛ばしていいだろうか?
璃々愛は体感5分ぐらいたっぷりと床を転がり回り――
『――さて。冗談はここまでにしておいて』
咳払い後に身を起こして正座の体勢となった。
途端、空気が変わった。
どうしようもない変態から、神々しさすら感じさせる淑女へと。
(なるほど、これなら主神の生まれ変わりでもおかしくはない)
さすがは名門武家のお嬢様。中身が中二病でなければ完璧なレディだ。
そんな璃々愛は三つ指をついて私に深々と頭を下げてきた。
『――リリア・レナード様。この度は貴殿のご助力を賜りましたお蔭で、無事に親友を救い出すことができました。誠にお礼の申し上げようもございません』
「あ、いえ、どういたしまして?」
さっきまでのハイテンション・アホーな璃々愛を見ていた私としては、急に礼儀正しくお礼を言われても戸惑うことしかできない。
顔を上げた璃々愛はそんな私を満足げに見つめ、立ち上がってから嬉しそうに私の両手を掴んだ。
『リリアちゃんにはお世話になったから、お礼をしなくちゃね』
「お礼?」
握られた手の中に、何かを掴まされた感覚がする。紙片、だろうか?
『うん、お礼。この情報はきっとリリアちゃんの力になるよ。本当はリリアちゃんの“左目”なら私が教える必要もないんだけど、まだ力を使いこなせていないみたいだから。おねーさんがちょっと協力してあげましょう』
聖母のように微笑んでから璃々愛は私の手を離し、そして――
『――あなたに、力を』
ネタに走っていた。お前はどこの天然ニュータイプだ。思わず『月は出ているか?』と返さなかった私、偉い。
そういえば私のこの知識って元々は璃々愛のもの。彼女がガチのどうしようもない手遅れ廃オタクであるのは自明の理であるのか。
「……璃々愛って、もう少し真面目な空気を持続させられないの?」
『え? 無理無理。私が愛理から付けられたあだ名知ってるでしょう? その名もずばり“末期へ至りし中二病”よ? むしろシリアスな空気は進んで破壊しちゃうわよね!』
「ダメだこいつ手遅れだ」
源平の時代から続く武の名門の娘さんがこれってどうなのさ?
私が呆れかえっていると璃々愛は気安い態度で私の肩を叩いてきた。これは、アレだ。同類を見る目をしている。
『いやぁ、リリアちゃんも中々だったよ? あんなにも重い過去がありそうなリッチを自分語りさせずに退場させちゃうし、そのうえ愛理を救った手段が鼻血とか! ……ぷっ、くふふ、君こそ“末期へ至りし中二病”の名を受け継ぐにふさわしい存在だ!』
「やめて、マジやめて。何そのださいネーミング。いくら私が中二病でも許容範囲から飛び出ているよ?」
『残念ながら手遅れです。すでに“世界樹の智慧”は更新されました!』
「やめて!」
◇
「――どうしてこうなった!?」
叫びながら私は飛び起きた。ちなみに世界樹の智慧とはこの世界のすべての情報が書き込まれるという前世的に言うとアカシックレコードみたいな以下略。
嫌な寝汗に不快感を抱きながら私はベッドから起き上がった。見慣れた天井に、内装。謎空間から無事自分の部屋に戻って来られたみたい。
「…………?」
無意識のうちに握っていた右手を開くと、この世界ではありえないほど上質な紙が折りたたまれていた。前世の言葉で表現するならA4上質紙。
「お礼、力になる、か。璃々愛の言葉は信用できるのかどうか……」
あのハイテンション・アホーの言うことだからなぁと私は期待一割の警戒九割で紙を開いた。二枚。一枚はGo○gleっぽいマップが印刷されていて、もう一枚には文字がびっしり書き込まれていた。
とりあえず地図の上に書かれた文字を読んでみる。
「日本語だよ。気が利かないなぁ。頭の中で翻訳しなくちゃいけないのに……。ええっと、なになに? 『異世界の徳川埋蔵金!? レナード鉱山に前王朝の秘宝を見た!』だって……?」
なんだこの胡散臭いテレビ番組みたいな文章は?
地図の上には赤い『×』が記されていて、順当に考えればこの場所に秘宝とやらが眠っているのだろう。
(うちの鉱山かぁ。ちょっと気になるし、探してみようかな? レナード鉱山ならナユハに会えるし、屋敷の解体は無期限で延期になっちゃったものね)
なんでもあのリッチは本気で王国転覆を狙っていたらしく、かなりヤバめの魔導具やら呪術書やらが見つかったらしいのだ。で、魔導師団や教会が詳しく調査するために隣の空き屋敷は一時的に王国が接収してしまったと。だから銭湯建設の予定を延期してナユハに会いに行っても何の問題もない。
とりあえず鉱山の責任者はまだお爺さまだから、一応報告してから向かおうかな?
ちなみにもう一枚には“ポーション”の作り方が記載されていた。異世界転生ものではおなじみだね。
◇
『もちろん私もついて行くよ! なにせ私はリリアちゃんの使い魔――じゃなくて侍女だものね! あと噂のナユハちゃんにも会ってみたいし!』
お爺さまに許可を取ったあと(リッチ事件の後始末で忙しかったらしく会えるまで三日もかかってしまった)、さっそく小旅行の準備をしていると愛理が自慢げに胸を叩いた。
愛理とじっくり話し合い、この世界でやりたいことが見つかるまでは私の使い魔でいるということで話はまとまった。まぁ、幽霊とはいえ美少女を使い魔と呼ぶのはアレなので侍女という扱いにしてもらったけど。
というわけなので今の愛理(さん付けは悲しそうな顔をするので止めた)はレナード家仕様のメイド服を着用している。この世界の幽霊は触れるからね、メイド服も着られるのだ。
もちろんメイド服はロングスカートだともさ。フレンチメイドは認めない。メイドさんの魅力の二十割はふわりとなびくスカートにある。
ふわふわ浮いている幽霊が侍女、しかも愛理は不吉とされる黒髪黒目なのでかなり悪目立ちする。が、元々私ってば銀髪赤目(&眼帯)で過剰に注目を集めちゃう人間だし別にいいやと開き直ることにした。
「愛理も来るの? じゃあ馬車での旅になるのかな? 転移魔法で移動しようと思ったけど、私はまだ一人でしかできないし」
おばあ様なら数人一緒にできるのだけど、と私が自らの未熟さを嘆いていると愛理が親指を立てた。
『あ、大丈夫。なんか知らないけど私ってリリアちゃんのいるところにテレポート? できるみたいだから。契約したおかげかな?』
「何それ便利」
『昨日なんてマグロを食べに海まで行ったのに一瞬で戻って来れたもん』
一番近くの海でもたぶん馬車で半月はかかると思う。戻るのは一瞬だとしても、むしろどうやって行ったのだろうか? あのリッチ事件からまだ三日しか経っていないのに。
まぁ異世界の幽霊相手に常識でものを考えても無駄かな。
「前世の記憶持ちとしては羨ましいなぁ。というかこの世界にマグロっているの? 食べられているの?」
『マグロはいたけど市場にはなかったから素潜りで取ってきた!』
「何この幽霊アグレッシブすぎる!」
『やっぱり醤油がないとイマイチだね!』
「素潜りする前に気づこうよ!」
おかしい、なぜ私がツッコミ役になっているのだろう? 自分で言うのも何だけど私って天真爛漫で非常識でボケ役のはずなのに……。
というか璃々愛もそうだけど前世組のキャラが濃すぎるんだよなぁ。こんな人間が一億人以上いるとか……日本、恐ろしい国だ……。
とりあえず、お父様にこの子の相手をさせてはいけない。胃が殺されてしまう。固く誓った私であった。
リッチを滅し、愛理さんを救った日の夜。
夢の中で私の前世・璃々愛がそんな世迷い言をほざいていた。あの鼻血は間違いなく愛理さんとの衝突が原因なのだけど……。
……全体的に薄暗く、足下には霧が巻いている謎空間の中。私は気付いたら一人の美人と相対していた。
漆黒の髪は艶やかに腰まで伸び。
白磁のような柔肌に一切の汚れはない。
顔のパーツは呆れるほど見事な黄金比で。
唇は紅牡丹のように華やいでいた。
左目には私と同じく眼帯をしているが、それすらも彼女の美しさを引き立てる一助となっている。
圧倒的な美人。欠点がなさ過ぎて恐ろしさすら感じられる。その美しさは神さまだと紹介されても信じてしまいそうなほど。
綺麗さだけならおばあ様にも匹敵するのでは?
これで彼氏がいなかったとか信じられないのだけど……。よく考えてみたら趣味が合いそうなオタクさんは美人過ぎて近づけないだろうし、女慣れしている人は中二病的な言動からして敬遠するだろう。
(そう考えると彼氏いない歴=年齢にも納得だよ璃々愛)
『あ~、今ちょっと失礼なこと考えたでしょ? ふふ~ん、分かる、分かるよ。なにせ私はリリアちゃんのファン一号なのだからね!』
仮面な一号ライダーの変身ポーズを取りながら宣言する璃々愛。せっかくの美貌が台無しである。
残念美人。言葉では知っていたけど実物は本当に残念な気持ちになるね……。
「あ、はぁ……」
呆れ半分で気の抜けた返事をすると璃々愛はなぜか身悶え始めた。
『あ、いい。その冷たい目最高。我々の業界ではご褒美です。天真爛漫なリリアちゃんも大好きだけどやっぱりクール系も捨てがたいなぁ!』
「……うわぁ」
どん引きである。見た目だけなら『黒髪の女神』なのに口を開けばこれである。ほんとに残念美人という感想しか浮かんでこないよ……。
私がさらに視線の温度を下げると、何が楽しいのか璃々愛はごろごろと床(?)の上を転がっていた。蹴り飛ばしていいだろうか?
璃々愛は体感5分ぐらいたっぷりと床を転がり回り――
『――さて。冗談はここまでにしておいて』
咳払い後に身を起こして正座の体勢となった。
途端、空気が変わった。
どうしようもない変態から、神々しさすら感じさせる淑女へと。
(なるほど、これなら主神の生まれ変わりでもおかしくはない)
さすがは名門武家のお嬢様。中身が中二病でなければ完璧なレディだ。
そんな璃々愛は三つ指をついて私に深々と頭を下げてきた。
『――リリア・レナード様。この度は貴殿のご助力を賜りましたお蔭で、無事に親友を救い出すことができました。誠にお礼の申し上げようもございません』
「あ、いえ、どういたしまして?」
さっきまでのハイテンション・アホーな璃々愛を見ていた私としては、急に礼儀正しくお礼を言われても戸惑うことしかできない。
顔を上げた璃々愛はそんな私を満足げに見つめ、立ち上がってから嬉しそうに私の両手を掴んだ。
『リリアちゃんにはお世話になったから、お礼をしなくちゃね』
「お礼?」
握られた手の中に、何かを掴まされた感覚がする。紙片、だろうか?
『うん、お礼。この情報はきっとリリアちゃんの力になるよ。本当はリリアちゃんの“左目”なら私が教える必要もないんだけど、まだ力を使いこなせていないみたいだから。おねーさんがちょっと協力してあげましょう』
聖母のように微笑んでから璃々愛は私の手を離し、そして――
『――あなたに、力を』
ネタに走っていた。お前はどこの天然ニュータイプだ。思わず『月は出ているか?』と返さなかった私、偉い。
そういえば私のこの知識って元々は璃々愛のもの。彼女がガチのどうしようもない手遅れ廃オタクであるのは自明の理であるのか。
「……璃々愛って、もう少し真面目な空気を持続させられないの?」
『え? 無理無理。私が愛理から付けられたあだ名知ってるでしょう? その名もずばり“末期へ至りし中二病”よ? むしろシリアスな空気は進んで破壊しちゃうわよね!』
「ダメだこいつ手遅れだ」
源平の時代から続く武の名門の娘さんがこれってどうなのさ?
私が呆れかえっていると璃々愛は気安い態度で私の肩を叩いてきた。これは、アレだ。同類を見る目をしている。
『いやぁ、リリアちゃんも中々だったよ? あんなにも重い過去がありそうなリッチを自分語りさせずに退場させちゃうし、そのうえ愛理を救った手段が鼻血とか! ……ぷっ、くふふ、君こそ“末期へ至りし中二病”の名を受け継ぐにふさわしい存在だ!』
「やめて、マジやめて。何そのださいネーミング。いくら私が中二病でも許容範囲から飛び出ているよ?」
『残念ながら手遅れです。すでに“世界樹の智慧”は更新されました!』
「やめて!」
◇
「――どうしてこうなった!?」
叫びながら私は飛び起きた。ちなみに世界樹の智慧とはこの世界のすべての情報が書き込まれるという前世的に言うとアカシックレコードみたいな以下略。
嫌な寝汗に不快感を抱きながら私はベッドから起き上がった。見慣れた天井に、内装。謎空間から無事自分の部屋に戻って来られたみたい。
「…………?」
無意識のうちに握っていた右手を開くと、この世界ではありえないほど上質な紙が折りたたまれていた。前世の言葉で表現するならA4上質紙。
「お礼、力になる、か。璃々愛の言葉は信用できるのかどうか……」
あのハイテンション・アホーの言うことだからなぁと私は期待一割の警戒九割で紙を開いた。二枚。一枚はGo○gleっぽいマップが印刷されていて、もう一枚には文字がびっしり書き込まれていた。
とりあえず地図の上に書かれた文字を読んでみる。
「日本語だよ。気が利かないなぁ。頭の中で翻訳しなくちゃいけないのに……。ええっと、なになに? 『異世界の徳川埋蔵金!? レナード鉱山に前王朝の秘宝を見た!』だって……?」
なんだこの胡散臭いテレビ番組みたいな文章は?
地図の上には赤い『×』が記されていて、順当に考えればこの場所に秘宝とやらが眠っているのだろう。
(うちの鉱山かぁ。ちょっと気になるし、探してみようかな? レナード鉱山ならナユハに会えるし、屋敷の解体は無期限で延期になっちゃったものね)
なんでもあのリッチは本気で王国転覆を狙っていたらしく、かなりヤバめの魔導具やら呪術書やらが見つかったらしいのだ。で、魔導師団や教会が詳しく調査するために隣の空き屋敷は一時的に王国が接収してしまったと。だから銭湯建設の予定を延期してナユハに会いに行っても何の問題もない。
とりあえず鉱山の責任者はまだお爺さまだから、一応報告してから向かおうかな?
ちなみにもう一枚には“ポーション”の作り方が記載されていた。異世界転生ものではおなじみだね。
◇
『もちろん私もついて行くよ! なにせ私はリリアちゃんの使い魔――じゃなくて侍女だものね! あと噂のナユハちゃんにも会ってみたいし!』
お爺さまに許可を取ったあと(リッチ事件の後始末で忙しかったらしく会えるまで三日もかかってしまった)、さっそく小旅行の準備をしていると愛理が自慢げに胸を叩いた。
愛理とじっくり話し合い、この世界でやりたいことが見つかるまでは私の使い魔でいるということで話はまとまった。まぁ、幽霊とはいえ美少女を使い魔と呼ぶのはアレなので侍女という扱いにしてもらったけど。
というわけなので今の愛理(さん付けは悲しそうな顔をするので止めた)はレナード家仕様のメイド服を着用している。この世界の幽霊は触れるからね、メイド服も着られるのだ。
もちろんメイド服はロングスカートだともさ。フレンチメイドは認めない。メイドさんの魅力の二十割はふわりとなびくスカートにある。
ふわふわ浮いている幽霊が侍女、しかも愛理は不吉とされる黒髪黒目なのでかなり悪目立ちする。が、元々私ってば銀髪赤目(&眼帯)で過剰に注目を集めちゃう人間だし別にいいやと開き直ることにした。
「愛理も来るの? じゃあ馬車での旅になるのかな? 転移魔法で移動しようと思ったけど、私はまだ一人でしかできないし」
おばあ様なら数人一緒にできるのだけど、と私が自らの未熟さを嘆いていると愛理が親指を立てた。
『あ、大丈夫。なんか知らないけど私ってリリアちゃんのいるところにテレポート? できるみたいだから。契約したおかげかな?』
「何それ便利」
『昨日なんてマグロを食べに海まで行ったのに一瞬で戻って来れたもん』
一番近くの海でもたぶん馬車で半月はかかると思う。戻るのは一瞬だとしても、むしろどうやって行ったのだろうか? あのリッチ事件からまだ三日しか経っていないのに。
まぁ異世界の幽霊相手に常識でものを考えても無駄かな。
「前世の記憶持ちとしては羨ましいなぁ。というかこの世界にマグロっているの? 食べられているの?」
『マグロはいたけど市場にはなかったから素潜りで取ってきた!』
「何この幽霊アグレッシブすぎる!」
『やっぱり醤油がないとイマイチだね!』
「素潜りする前に気づこうよ!」
おかしい、なぜ私がツッコミ役になっているのだろう? 自分で言うのも何だけど私って天真爛漫で非常識でボケ役のはずなのに……。
というか璃々愛もそうだけど前世組のキャラが濃すぎるんだよなぁ。こんな人間が一億人以上いるとか……日本、恐ろしい国だ……。
とりあえず、お父様にこの子の相手をさせてはいけない。胃が殺されてしまう。固く誓った私であった。
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