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第2章
第53話 世界と人間のあり方
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「……この時間帯の空ってきれいだよね」
「そう……ですね」
ふと空を見上げたセシルさんがその色について、口を開く。
夜明け前と夕焼けの後、昼と夜の入れ替わる狭間の時間に見られる空。天気がよく、更には空気が良く澄んだ日に数分間、長くても十数分ほどだけ見られる幻想的な光景。
蒼の瞬間……ブルーモーメントととも呼ばれる空。
彼方から顔を出し始めている日の光による、そんな自然のグラデーションは思わず立ち止まってみてしまう美しさだ。
「この空……レンちゃんの瞳の色に似てるよね~」
「なんですかそれ。もしかして……口説いてるとか?」
「ん~ほんの少しだけ」
「……実は僕もそう思ったことありますよ」
「へ~そうなの?」
ちょっとした冷やかしを込めながら、珍しく照れ気味のセシルさんに返す。
「今度は僕の方から聞いてもいいですか」
「何かあるの~何でもいいよ」
「セシルさんは……この世界好きですか?」
一拍おいてそう問いかける。自分がかつて住んでいた世界、そんな場所が多くの世界を渡り歩いてきたセシルさんの目にはどのように映っているのか、純粋に興味があったから。
「そうだね……大好きかな! 私の今まで行ってきた世界の中でもかなり上位に入るくらいね」
思っていた以上に明るく、にこやかな笑顔と共にそう返答をした。
そんなによかったのか……これはちょっとだけ予想外かも。
「へえ……魔術がないのにですか? そういう研究はこっちじゃ基本できませんよ?」
「まあ私の唯一の取り柄なわけだしそこはちょっと残念だけど……それ以外に大きな理由があるからね」
「理由? それはどんな?」
魔術がない世界だとセシルさんはつまらないのかと思っていたけど……そんな感じではなさそうだ。
まあ僕たちとは違った天才、先人たちが進めた科学のことをのんびりと勉強して、その産物を他の世界に持ち込んだり、また別の世界に行ったとき魔術へと活かしたりそういったことはできるからなあ。
そういうことでいいのだろうか? それとも……
「もしかして、便利なものがたくさんあるからとかですか? 治安がよくて住みやすいからとか?」
「そういうのも理由の一つではあるけど……一番はみんなが頑張ってる世界だからってことかな」
「みんなが……頑張ってるですか~」
ん~なんかいまいちピンとこないな。
「私はこれまで何十もの世界を見てきた。すぐに移動した世界もたくさんあったけど、そういった中で特に気に入った世界では二十年、三十年と滞在し続けたこともあった」
「ふむ……」
「そのうち気づいたんだけど、自分はさっきも言ったように魔術でも科学でも、とにかくみんなで支えて頑張ってる世界が好きなんだって」
「なるほど……もうちょっと詳しく教えてくださいよ」
なんとなく言わんとしていることはわかったけど、まだまだ理解するには言葉が不足している。
「例えば、今私たちが拠点にしている向こうの世界も、私はここと同じくらい気に入ってる。あの世界は魔力の影響こそ、それほど強い方ではないけど、人類みんなが魔術を使うことができる」
「ふむふむ……」
「そしてその中でこちらには及ばない早さとはいえ、みんなの中で熱意と才能を持つ魔術師たちが技術を……文明を少しずつ進めている」
「こっちがだいぶ早いだけかもしれないですけど……そうではない世界も結構あるんですよね?」
「結構あったね。特に魔力が濃いめでかつ一部の人間しか魔術が使えないような世界は一番よく見る上、進まないタイプの典型かな。科学の世界だってほんのわずかな人がその恩恵を独占しているような場合も見たことあるし」
一部の人間が科学の恩恵を独占かあ……ディストピアしてそうだ。あんまり住みたいとは思わないな。
「魔術を使える人と使えない人で、差別とかそういうのが結構あるとか?」
「そういうのはあったりなかったり……それ以上に一部に偏ってるとかえって進みが遅いんだよね。あと争いごとも多い傾向ありかも」
「魔力の影響が強いからって、天才が多いわけでも、極端に強い生き物がいるわけでもないんでしたっけ」
「そう、どんなに世界が変わろうと、個で全てを凌駕するような人知を超えた生き物はいない。私たちみたいのだって、会ったのはレンちゃんが初めて。でも何よりそういうところは私自身が得るものも少ないし、大体はそんな世界に長く留まらないね。もちろんいい人はたくさんいるんだけど……」
「あんまり、居心地よくなかったってことですかね」
そういった僕の言葉に、一瞬悩ましそうな表情を見せたセシルさん。そして再び空を見上げ、一つため息をして口を開いた。
「そうかな……そういうことになっちゃうかな。私たちが世界に善悪とか順位をつける権利なんてないけど、そういった感情を持つくらいなら別に構わないでしょ。気に入らなければ、また次に行けばいいんだから」
「うん……それでいいんじゃないですか? みんなが仲良く頑張ってる世界が一番好きなのは僕も同感です。好きも嫌いもそんな隠すことじゃないと思いますよ」
「ありがとね……なんか吹っ切れさせてもらっちゃったな。たまにこういうことで悩むんだよね」
そんなにたいしたこと言ったつもりないけどな……
「それなら、この世界の人みたいに欲望マシマシな人々はどう思ってるんですか? ヤバそうだとか、そういうこと考えたり?」
「いやいや~むしろこれでガンガン進んでって欲しいよ。私自身がこっち側だと自覚してるのもあるけど、そういうのも含めて応援してる」
あ、そうなんだ……
「なんかこっちはこっちで環境問題とか色々面倒なことになってるみたいですけど……」
「ん~まあ少しは心配かも。でもだからといって欲望や好奇心を止められはしない。豊かに自由になればさらにね。さっきの動画とかも小さなものとはいえ、そんな人間のあり方の産物の一つじゃない?」
「それじゃまずくないですか?」
確かに世界の流れを、これからの人々の進む道を今更変えるなんてことは相当に困難だろう。
だけど僕もここに住んでいたものとして、そういうのもどうなのかな~と、心の隅に思う気持ちはある。
「私だって凶暴な魔力入ってるような生物の住処まで開拓していった結果、人里降りてきて村滅ぼされたりとか、街中まで入ってきたりとか見たことあるし……」
「それで? どうなったんですか?」
「ああ……本腰入れた大国の軍隊にその生物は狩り尽くされちゃった」
「…………」
なんだか……悲しい話だ。
「今のは一例だけど別に文明の進みに関係なく、大なり小なり余計なことをやらかしてしまうことは、けっこうあるもんだ」
「その場合は仕方ないのかもしれませんが、人間は生きるために何やってもいいって事ですかね?」
「そういうことでもないけど……やっぱ誰かが止めようと思っても、これはよくないと思ってても、結局他の誰かがやっちゃうのが人間だよ私たちも含めて欲深くて自分勝手なもの」
「…………」
「だから何か過ぎたことをやれば、当然それは自分たちに返ってくる」
「その通りだと思います」
「だけど……最後にはその因果応報すら、なんだかんだで乗り越えてしまう」
そうか……そういうものなのかも。
「人間って……強いですね」
「強いよ~だからこの世界だって大丈夫。うまくやっていくに違いない。何より……」
「何より?」
「私たちが未来を予測するには今を基準にするしかないけれど、それじゃ決して当たらないよ。明日には、一月後には、一年後には今は想像もできないようなものが作られて、どんどん進歩してるんだから」
「人知を超えられるのは……人間ってことですね」
「上手いこと言うね~」
「だって一番それを実感するのはこっちの世界の進歩じゃなくて、普段の僕たちの日常ですから」
「ふむ……なるほどね。一理あるかも」
「あっ、レンちゃん、何か飲む? 散歩につきあってくれたし、私がおごってあげるよ」
「そうですか。じゃあ遠慮なくお願いしま~す」
そうして近くのコンビニでホットコーヒーを買った僕たちは、それを飲みながらすぐそばのベンチへと腰掛けた。
「日が上がってきたね~」
「綺麗ですね」
湯気の立つ暖かいコーヒー、僕はブラックでセシルさんは砂糖とミルクを一つずつ。じっくりと味わいながら、街を照らし始める日を眺める。
普段飲んでいるコーヒーでもこういった場所、シチュエーションで飲むとなるとそのおいしさもまたひとしおだ。
「これ飲んだら、ホテルに戻りますか」
「そうしよう。また荷物の整理の仕上げをしなくちゃならないしね」
「ごちそうさま」
そうして数分後、カップをゴミ箱へと捨てた僕たちは同じ道を辿りながらホテルへと向かった。来たときは閉まっていたシャッターが開き始め、人々の生活の始まりを感じさせる。
この通りも数時間後には多くの人で行き交うだろう。
そして僕たちもひとまずこの世界で過ごす最後の一日が始まるのだ。
「そう……ですね」
ふと空を見上げたセシルさんがその色について、口を開く。
夜明け前と夕焼けの後、昼と夜の入れ替わる狭間の時間に見られる空。天気がよく、更には空気が良く澄んだ日に数分間、長くても十数分ほどだけ見られる幻想的な光景。
蒼の瞬間……ブルーモーメントととも呼ばれる空。
彼方から顔を出し始めている日の光による、そんな自然のグラデーションは思わず立ち止まってみてしまう美しさだ。
「この空……レンちゃんの瞳の色に似てるよね~」
「なんですかそれ。もしかして……口説いてるとか?」
「ん~ほんの少しだけ」
「……実は僕もそう思ったことありますよ」
「へ~そうなの?」
ちょっとした冷やかしを込めながら、珍しく照れ気味のセシルさんに返す。
「今度は僕の方から聞いてもいいですか」
「何かあるの~何でもいいよ」
「セシルさんは……この世界好きですか?」
一拍おいてそう問いかける。自分がかつて住んでいた世界、そんな場所が多くの世界を渡り歩いてきたセシルさんの目にはどのように映っているのか、純粋に興味があったから。
「そうだね……大好きかな! 私の今まで行ってきた世界の中でもかなり上位に入るくらいね」
思っていた以上に明るく、にこやかな笑顔と共にそう返答をした。
そんなによかったのか……これはちょっとだけ予想外かも。
「へえ……魔術がないのにですか? そういう研究はこっちじゃ基本できませんよ?」
「まあ私の唯一の取り柄なわけだしそこはちょっと残念だけど……それ以外に大きな理由があるからね」
「理由? それはどんな?」
魔術がない世界だとセシルさんはつまらないのかと思っていたけど……そんな感じではなさそうだ。
まあ僕たちとは違った天才、先人たちが進めた科学のことをのんびりと勉強して、その産物を他の世界に持ち込んだり、また別の世界に行ったとき魔術へと活かしたりそういったことはできるからなあ。
そういうことでいいのだろうか? それとも……
「もしかして、便利なものがたくさんあるからとかですか? 治安がよくて住みやすいからとか?」
「そういうのも理由の一つではあるけど……一番はみんなが頑張ってる世界だからってことかな」
「みんなが……頑張ってるですか~」
ん~なんかいまいちピンとこないな。
「私はこれまで何十もの世界を見てきた。すぐに移動した世界もたくさんあったけど、そういった中で特に気に入った世界では二十年、三十年と滞在し続けたこともあった」
「ふむ……」
「そのうち気づいたんだけど、自分はさっきも言ったように魔術でも科学でも、とにかくみんなで支えて頑張ってる世界が好きなんだって」
「なるほど……もうちょっと詳しく教えてくださいよ」
なんとなく言わんとしていることはわかったけど、まだまだ理解するには言葉が不足している。
「例えば、今私たちが拠点にしている向こうの世界も、私はここと同じくらい気に入ってる。あの世界は魔力の影響こそ、それほど強い方ではないけど、人類みんなが魔術を使うことができる」
「ふむふむ……」
「そしてその中でこちらには及ばない早さとはいえ、みんなの中で熱意と才能を持つ魔術師たちが技術を……文明を少しずつ進めている」
「こっちがだいぶ早いだけかもしれないですけど……そうではない世界も結構あるんですよね?」
「結構あったね。特に魔力が濃いめでかつ一部の人間しか魔術が使えないような世界は一番よく見る上、進まないタイプの典型かな。科学の世界だってほんのわずかな人がその恩恵を独占しているような場合も見たことあるし」
一部の人間が科学の恩恵を独占かあ……ディストピアしてそうだ。あんまり住みたいとは思わないな。
「魔術を使える人と使えない人で、差別とかそういうのが結構あるとか?」
「そういうのはあったりなかったり……それ以上に一部に偏ってるとかえって進みが遅いんだよね。あと争いごとも多い傾向ありかも」
「魔力の影響が強いからって、天才が多いわけでも、極端に強い生き物がいるわけでもないんでしたっけ」
「そう、どんなに世界が変わろうと、個で全てを凌駕するような人知を超えた生き物はいない。私たちみたいのだって、会ったのはレンちゃんが初めて。でも何よりそういうところは私自身が得るものも少ないし、大体はそんな世界に長く留まらないね。もちろんいい人はたくさんいるんだけど……」
「あんまり、居心地よくなかったってことですかね」
そういった僕の言葉に、一瞬悩ましそうな表情を見せたセシルさん。そして再び空を見上げ、一つため息をして口を開いた。
「そうかな……そういうことになっちゃうかな。私たちが世界に善悪とか順位をつける権利なんてないけど、そういった感情を持つくらいなら別に構わないでしょ。気に入らなければ、また次に行けばいいんだから」
「うん……それでいいんじゃないですか? みんなが仲良く頑張ってる世界が一番好きなのは僕も同感です。好きも嫌いもそんな隠すことじゃないと思いますよ」
「ありがとね……なんか吹っ切れさせてもらっちゃったな。たまにこういうことで悩むんだよね」
そんなにたいしたこと言ったつもりないけどな……
「それなら、この世界の人みたいに欲望マシマシな人々はどう思ってるんですか? ヤバそうだとか、そういうこと考えたり?」
「いやいや~むしろこれでガンガン進んでって欲しいよ。私自身がこっち側だと自覚してるのもあるけど、そういうのも含めて応援してる」
あ、そうなんだ……
「なんかこっちはこっちで環境問題とか色々面倒なことになってるみたいですけど……」
「ん~まあ少しは心配かも。でもだからといって欲望や好奇心を止められはしない。豊かに自由になればさらにね。さっきの動画とかも小さなものとはいえ、そんな人間のあり方の産物の一つじゃない?」
「それじゃまずくないですか?」
確かに世界の流れを、これからの人々の進む道を今更変えるなんてことは相当に困難だろう。
だけど僕もここに住んでいたものとして、そういうのもどうなのかな~と、心の隅に思う気持ちはある。
「私だって凶暴な魔力入ってるような生物の住処まで開拓していった結果、人里降りてきて村滅ぼされたりとか、街中まで入ってきたりとか見たことあるし……」
「それで? どうなったんですか?」
「ああ……本腰入れた大国の軍隊にその生物は狩り尽くされちゃった」
「…………」
なんだか……悲しい話だ。
「今のは一例だけど別に文明の進みに関係なく、大なり小なり余計なことをやらかしてしまうことは、けっこうあるもんだ」
「その場合は仕方ないのかもしれませんが、人間は生きるために何やってもいいって事ですかね?」
「そういうことでもないけど……やっぱ誰かが止めようと思っても、これはよくないと思ってても、結局他の誰かがやっちゃうのが人間だよ私たちも含めて欲深くて自分勝手なもの」
「…………」
「だから何か過ぎたことをやれば、当然それは自分たちに返ってくる」
「その通りだと思います」
「だけど……最後にはその因果応報すら、なんだかんだで乗り越えてしまう」
そうか……そういうものなのかも。
「人間って……強いですね」
「強いよ~だからこの世界だって大丈夫。うまくやっていくに違いない。何より……」
「何より?」
「私たちが未来を予測するには今を基準にするしかないけれど、それじゃ決して当たらないよ。明日には、一月後には、一年後には今は想像もできないようなものが作られて、どんどん進歩してるんだから」
「人知を超えられるのは……人間ってことですね」
「上手いこと言うね~」
「だって一番それを実感するのはこっちの世界の進歩じゃなくて、普段の僕たちの日常ですから」
「ふむ……なるほどね。一理あるかも」
「あっ、レンちゃん、何か飲む? 散歩につきあってくれたし、私がおごってあげるよ」
「そうですか。じゃあ遠慮なくお願いしま~す」
そうして近くのコンビニでホットコーヒーを買った僕たちは、それを飲みながらすぐそばのベンチへと腰掛けた。
「日が上がってきたね~」
「綺麗ですね」
湯気の立つ暖かいコーヒー、僕はブラックでセシルさんは砂糖とミルクを一つずつ。じっくりと味わいながら、街を照らし始める日を眺める。
普段飲んでいるコーヒーでもこういった場所、シチュエーションで飲むとなるとそのおいしさもまたひとしおだ。
「これ飲んだら、ホテルに戻りますか」
「そうしよう。また荷物の整理の仕上げをしなくちゃならないしね」
「ごちそうさま」
そうして数分後、カップをゴミ箱へと捨てた僕たちは同じ道を辿りながらホテルへと向かった。来たときは閉まっていたシャッターが開き始め、人々の生活の始まりを感じさせる。
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