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ほんとの家族になれた時
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白ニャンが いなくなってしまった!
まれにみる勢力の
台風15号が上陸する!
と、いう前日のこと
台風に備えるべく
家と外を 何度も出入りしてた時
知らぬ間に
外へ出てしまったんだね
気づいたのは、夕方だった
「ごはんだよ」
呼べば、黒ミーと白ニャン
先を争いながら 駆けてくるのに
黒ミーしか 来ないんだもの
家中を捜した
いない、いない
どこにも いない……
近所を捜した
「白ニャン、どこ? ごはんだよう」
でも、いない、いない
いない……
家へ戻ると、野良ニャンが
友達を連れて 遊びに来ていた
『ニャーン』
『ニャオー』
「白ニャンが いなくなっちゃった。
見かけなかった? 」
聞いて みたけど
『ニャーン』
『ニャオー』
猫語は、
さっぱり わからない……
夜になっても、白ニャンは
とうとう帰って来なかった
おーちゃん いわく
「もともと野良だもんな。
自分の意志で、出て行ったんだよ」
そうなの?
白ニャンとは、家族になれなかった?
そう思うと、悲しかった
『ニャーン、ニャンニャン、ニャア』
ひとりっ子に戻った黒ミーが
やたらと甘えてきた
「よしよし」
抱っこしながら
……悲しかった
翌日
いよいよ 風が強くなってきた
昼過ぎに、雨が降りだした
夕方には、大雨になった
白ニャン、大丈夫かな……
心配しながら
晩ごはんの支度をした
そして、夜
降りしきる 雨の音
強い強い 雨音
おーちゃんが帰ってきた
「ただいまあ。
みるく、来てごらん。
白ニャンも居るよ!
白ニャンが 帰って来たよ」
「えっ! 白ニャンが!?」
呼ばれて大急ぎ
玄関へ行くと
黒ミーも トコトコ付いてきた
『ニャー』
おーちゃんの横に
白ニャンがいた
ちょこんと、お座りしていた
「おいで。おいで。白ニャン!」
『ニャー』
呼ぶと 鳴きながら駆けてきて
早速 抱っこを せがまれた
ずぶ濡れの白ニャン
「どこに行ってたの? 心配したよ」
『ニャーン』
やっぱり 猫語は
わからないや……
・・・
わたしたちが
本当に
家族になれた日だった
・・・・・・
白ニャンが帰ってきた、その夜ふけ
雨と風の うなりを聞きながら
不思議な夢をみた
人には気づかれない
猫しか通ることができない
道があるそうだ
猫道という
外へ帰った白ニャンは
その猫道を うろうろしていた
そこで 野良ニャンと 行き逢った
『家へ お帰り。お母さんが心配してたよ。
ほら、雨も酷くなってきたよ』
(夢の中では私にも、猫語が わかった)
ああ、そうだったの
野良ニャンが、言ってくれたのね
『野良猫には、生き辛い世の中だよ。
でも きみには家があるでしょ。
だから、お帰り』
『うん。わたし、お家に帰るね』
白ニャンは、野良ニャンに諭されて
帰ってきたんだね
わが家へ━━
不思議な不思議な 夢をみた
まれにみる勢力の
台風15号が上陸する!
と、いう前日のこと
台風に備えるべく
家と外を 何度も出入りしてた時
知らぬ間に
外へ出てしまったんだね
気づいたのは、夕方だった
「ごはんだよ」
呼べば、黒ミーと白ニャン
先を争いながら 駆けてくるのに
黒ミーしか 来ないんだもの
家中を捜した
いない、いない
どこにも いない……
近所を捜した
「白ニャン、どこ? ごはんだよう」
でも、いない、いない
いない……
家へ戻ると、野良ニャンが
友達を連れて 遊びに来ていた
『ニャーン』
『ニャオー』
「白ニャンが いなくなっちゃった。
見かけなかった? 」
聞いて みたけど
『ニャーン』
『ニャオー』
猫語は、
さっぱり わからない……
夜になっても、白ニャンは
とうとう帰って来なかった
おーちゃん いわく
「もともと野良だもんな。
自分の意志で、出て行ったんだよ」
そうなの?
白ニャンとは、家族になれなかった?
そう思うと、悲しかった
『ニャーン、ニャンニャン、ニャア』
ひとりっ子に戻った黒ミーが
やたらと甘えてきた
「よしよし」
抱っこしながら
……悲しかった
翌日
いよいよ 風が強くなってきた
昼過ぎに、雨が降りだした
夕方には、大雨になった
白ニャン、大丈夫かな……
心配しながら
晩ごはんの支度をした
そして、夜
降りしきる 雨の音
強い強い 雨音
おーちゃんが帰ってきた
「ただいまあ。
みるく、来てごらん。
白ニャンも居るよ!
白ニャンが 帰って来たよ」
「えっ! 白ニャンが!?」
呼ばれて大急ぎ
玄関へ行くと
黒ミーも トコトコ付いてきた
『ニャー』
おーちゃんの横に
白ニャンがいた
ちょこんと、お座りしていた
「おいで。おいで。白ニャン!」
『ニャー』
呼ぶと 鳴きながら駆けてきて
早速 抱っこを せがまれた
ずぶ濡れの白ニャン
「どこに行ってたの? 心配したよ」
『ニャーン』
やっぱり 猫語は
わからないや……
・・・
わたしたちが
本当に
家族になれた日だった
・・・・・・
白ニャンが帰ってきた、その夜ふけ
雨と風の うなりを聞きながら
不思議な夢をみた
人には気づかれない
猫しか通ることができない
道があるそうだ
猫道という
外へ帰った白ニャンは
その猫道を うろうろしていた
そこで 野良ニャンと 行き逢った
『家へ お帰り。お母さんが心配してたよ。
ほら、雨も酷くなってきたよ』
(夢の中では私にも、猫語が わかった)
ああ、そうだったの
野良ニャンが、言ってくれたのね
『野良猫には、生き辛い世の中だよ。
でも きみには家があるでしょ。
だから、お帰り』
『うん。わたし、お家に帰るね』
白ニャンは、野良ニャンに諭されて
帰ってきたんだね
わが家へ━━
不思議な不思議な 夢をみた
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