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お風呂の大事件
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「お風呂の時間10分前ですよ~。
みなさん支度してくださぁい。
お風呂場の入り口に集合ですよ~」
私はクラスの女子に呼びかけて回る。
こういう雑用が クラス委員の仕事なの。
まあね。誰かが やるしかないのだから、仕方ないわね。
けど ほんとはね、めんどくさいことは避けたい私。
目立つこともイヤ! な私。
かなり抵抗あったわ、これ。
みんなが そろったところで、脱衣室へ。
そして みんなで一気に脱いで、お湯を かけあった。
「はぁい みなさん、みんなで輪になって!
前の人の背中をゴシゴシ洗いましょ~」
呼びかける私に応えて、みんなが輪になり、友だちの背中を洗いっこしたわ。
きゃあきゃあ言いながらね。
「前は自分で洗うのよ。急いでね~」
「はあーい」
「了解でーす」
こんなことでも、みんなでやると、楽しいものよ。
私たちのクラスの女子は、こんなかんじ。
どうお? かわいいでしょう。
━━と、そんな、さなかに━━。
「きゃああぁ! なんなの、あなたたちっ!
向こうへ行きなさいっ!」
非常ベルみたいな叫び声!
百合子先生よ!
そして被せるように、男子の声。
「知ったことかい。行くぜい、みんな。
強行突破だぜい!」
うっそ……。
意識が ぶっ飛んで、空白になったアタマに、無理やり意識を呼び戻し、
佐保里と私は同時に叫んだ。
「みんな! すぐ湯船に入って!」
「きゃあっ」
「いやだあ」
「怪獣だあ!」
「バケモノだぁ!」
湯船の汚さなんか、気にしちゃいられないわよ!
女の子たちは叫びながら、ザブンザブンと湯船に入り……
扉がガラリと、無情に開かれた。
「ひょうひょう」
「うっひゃ~」
「うぉぉぉっ。すげえ」
……Aスケ、Bスケ。ほかのクラスの、Cスケ、Dスケ、Eスケ。
出た出た出たあああ!
みんなの安全を見届けてから、最後に湯船に飛び込んだのが、私。
不覚! 不覚!
なんという不覚!
敵は本能寺にあり!
たしか、最強と うたわれた戦国武将、織田信長さえも、油断しきっていたために、無念の最期を迎えてしまったのでは なかった?
私も……見られてしまったのか?
心臓が、止まったと思った。
みなさん支度してくださぁい。
お風呂場の入り口に集合ですよ~」
私はクラスの女子に呼びかけて回る。
こういう雑用が クラス委員の仕事なの。
まあね。誰かが やるしかないのだから、仕方ないわね。
けど ほんとはね、めんどくさいことは避けたい私。
目立つこともイヤ! な私。
かなり抵抗あったわ、これ。
みんなが そろったところで、脱衣室へ。
そして みんなで一気に脱いで、お湯を かけあった。
「はぁい みなさん、みんなで輪になって!
前の人の背中をゴシゴシ洗いましょ~」
呼びかける私に応えて、みんなが輪になり、友だちの背中を洗いっこしたわ。
きゃあきゃあ言いながらね。
「前は自分で洗うのよ。急いでね~」
「はあーい」
「了解でーす」
こんなことでも、みんなでやると、楽しいものよ。
私たちのクラスの女子は、こんなかんじ。
どうお? かわいいでしょう。
━━と、そんな、さなかに━━。
「きゃああぁ! なんなの、あなたたちっ!
向こうへ行きなさいっ!」
非常ベルみたいな叫び声!
百合子先生よ!
そして被せるように、男子の声。
「知ったことかい。行くぜい、みんな。
強行突破だぜい!」
うっそ……。
意識が ぶっ飛んで、空白になったアタマに、無理やり意識を呼び戻し、
佐保里と私は同時に叫んだ。
「みんな! すぐ湯船に入って!」
「きゃあっ」
「いやだあ」
「怪獣だあ!」
「バケモノだぁ!」
湯船の汚さなんか、気にしちゃいられないわよ!
女の子たちは叫びながら、ザブンザブンと湯船に入り……
扉がガラリと、無情に開かれた。
「ひょうひょう」
「うっひゃ~」
「うぉぉぉっ。すげえ」
……Aスケ、Bスケ。ほかのクラスの、Cスケ、Dスケ、Eスケ。
出た出た出たあああ!
みんなの安全を見届けてから、最後に湯船に飛び込んだのが、私。
不覚! 不覚!
なんという不覚!
敵は本能寺にあり!
たしか、最強と うたわれた戦国武将、織田信長さえも、油断しきっていたために、無念の最期を迎えてしまったのでは なかった?
私も……見られてしまったのか?
心臓が、止まったと思った。
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