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ミーちゃんをかえせ! 〜怖い夢〜
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とても怖い夢を見ました。
まる6日間もの東北出張が始まって、
2日目の夜のことです。
その日は温泉宿に泊まり、
渓流の音を聴きながら
いい気持ちで眠っていた……はずでした。
ところが
しんしんと夜も更けて
真っ暗闇の中
突然
『『『フギャーッ!
シャアアァーッ!』』』
家で留守番しているはずのミーちゃんたちが
何かに怯え、逃げ回っている気配を感じたのです。
『ミーちゃん? どうしたの?』
私は大急ぎでミーちゃんたちのもとへ駆けつけました。
着ているものは浴衣で、裸足のままです。
すると……なんと、ミーちゃんたちは
恐ろしい魔物に追いかけられているではありませんか!
魔物はフード付きの黒いマントをまとっていて
骸骨のような顔だけが見えていました。
骸骨の顔はカチカチカチと歯を鳴らし
笑っているみたいで、めちゃ不気味。
大変! ミーちゃんたちが食べられちゃう。
助けなきゃ!
立ち向かえる武器なんか持っていません。
だから私はミーちゃんと魔物の間に飛び込みました。
『やい魔物め!
ミーちゃんをイジメるな!
ミーちゃんたち、早く逃げなさい!』
そしたら
あああ、まずい。
『ダメよミーちゃん!
やめなさい、ミーちゃん!』
大声で止めたのに
逃げ回っていたミーちゃんたちが
『『『シャアアァーッ!』』』
私の言うことなんか完全無視。
逃げ回るのをやめて、3匹ひとかたまりになって、
魔物に体当たりしたのです。
『だめぇーーー!!!』
どんなに叫んでも、何の役にも立ちません。
カチカチカチ、カカカカカ、
アハハハハハ……
魔物は、してやったり、とばかりに笑いながら
ごくん。ペロリ。
ミーちゃんたちを丸飲みにしてしまいました。
もう怒り爆発、ぶっちぎりの大爆発です!
自分はもちろん、世界がどうなろうと
かまうものですか!
私は魔物に喰らいつきました。
絶対に離すものですか!
そして叫び続けました。
『ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを……』
……
……
『……るく、みるく、
起きろ みるく、だいじょうぶか?』
気がつくと、
ダンナに揺り起こされていました。
そうして私は現実に帰りました。
・・・
なぜこんな夢を見たのか、
理由はわかっているつもりです。
毎年春と秋に、私たち夫婦は一週間もの期間、
家を留守にします。
それは『仕事』だからです。
留守中の猫たちの世話は
これまでは義母に頼むことができました。
でもそれが出来なくなりました。
義母が腰の病気になり、車の運転が出来なくなり
わが家へ通うことが出来なくなったためです。
ペットホテルか、ペットシッターを
頼む選択肢もあったのですが
たっぷり悩んた末、私たちは
『猫たちだけでお留守番してもらう』
ことにしました。
あんな夢を見た原因は、
猫たちのことが心配だったから。
と思います。
猫たちも不安だったに違いありません。
なぜなら猫たちには
人間の仕事の都合とか、
一週間後にはちゃんと帰ってくること
なんて理解出来ないのですから。
『ミーちゃんたち、ただいま』
帰宅して玄関の扉を開けた時から
『『『ミャー』』』
猫たちは、数日間は、子猫に戻りました。
われ先にと抱きつき、ひざに乗り、
ふみふみをしていました。
まる6日間もの東北出張が始まって、
2日目の夜のことです。
その日は温泉宿に泊まり、
渓流の音を聴きながら
いい気持ちで眠っていた……はずでした。
ところが
しんしんと夜も更けて
真っ暗闇の中
突然
『『『フギャーッ!
シャアアァーッ!』』』
家で留守番しているはずのミーちゃんたちが
何かに怯え、逃げ回っている気配を感じたのです。
『ミーちゃん? どうしたの?』
私は大急ぎでミーちゃんたちのもとへ駆けつけました。
着ているものは浴衣で、裸足のままです。
すると……なんと、ミーちゃんたちは
恐ろしい魔物に追いかけられているではありませんか!
魔物はフード付きの黒いマントをまとっていて
骸骨のような顔だけが見えていました。
骸骨の顔はカチカチカチと歯を鳴らし
笑っているみたいで、めちゃ不気味。
大変! ミーちゃんたちが食べられちゃう。
助けなきゃ!
立ち向かえる武器なんか持っていません。
だから私はミーちゃんと魔物の間に飛び込みました。
『やい魔物め!
ミーちゃんをイジメるな!
ミーちゃんたち、早く逃げなさい!』
そしたら
あああ、まずい。
『ダメよミーちゃん!
やめなさい、ミーちゃん!』
大声で止めたのに
逃げ回っていたミーちゃんたちが
『『『シャアアァーッ!』』』
私の言うことなんか完全無視。
逃げ回るのをやめて、3匹ひとかたまりになって、
魔物に体当たりしたのです。
『だめぇーーー!!!』
どんなに叫んでも、何の役にも立ちません。
カチカチカチ、カカカカカ、
アハハハハハ……
魔物は、してやったり、とばかりに笑いながら
ごくん。ペロリ。
ミーちゃんたちを丸飲みにしてしまいました。
もう怒り爆発、ぶっちぎりの大爆発です!
自分はもちろん、世界がどうなろうと
かまうものですか!
私は魔物に喰らいつきました。
絶対に離すものですか!
そして叫び続けました。
『ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを返せ!
ミーちゃんを……』
……
……
『……るく、みるく、
起きろ みるく、だいじょうぶか?』
気がつくと、
ダンナに揺り起こされていました。
そうして私は現実に帰りました。
・・・
なぜこんな夢を見たのか、
理由はわかっているつもりです。
毎年春と秋に、私たち夫婦は一週間もの期間、
家を留守にします。
それは『仕事』だからです。
留守中の猫たちの世話は
これまでは義母に頼むことができました。
でもそれが出来なくなりました。
義母が腰の病気になり、車の運転が出来なくなり
わが家へ通うことが出来なくなったためです。
ペットホテルか、ペットシッターを
頼む選択肢もあったのですが
たっぷり悩んた末、私たちは
『猫たちだけでお留守番してもらう』
ことにしました。
あんな夢を見た原因は、
猫たちのことが心配だったから。
と思います。
猫たちも不安だったに違いありません。
なぜなら猫たちには
人間の仕事の都合とか、
一週間後にはちゃんと帰ってくること
なんて理解出来ないのですから。
『ミーちゃんたち、ただいま』
帰宅して玄関の扉を開けた時から
『『『ミャー』』』
猫たちは、数日間は、子猫に戻りました。
われ先にと抱きつき、ひざに乗り、
ふみふみをしていました。
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