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女たちの ないしょ話
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夜の国道○号線。
大量の古雑誌を荷台に積んだワゴン車が、夜道を ひた走る。
以後は、車中の司とつぐみ。
二人の女の会話になる。
・・・・・・
「今日も忙しかったねー。しかし、いい一日だった!
つぐみ、ごくろうさんね。ほんとに ありがとね」
ワゴン車を 運転しながら、司は一日中 我慢していた タバコに火をつけた。
「あああっ、司さん!
あたしにも一本くださいよお。あたしも ずーっと、我慢してたんですからねっ!
……。
……。
ふーっ。うまいっ!
いいコトした後の一服は、ほんと最高っすね!」
「しっかしなあ……。さっきまでの つぐみと、いまの つぐみ……。
オマエ、ほんっとに役者だな。
……。
だが、ほんと助かってるよ。
つぐみは、幼児のサポートが上手だね。
それに、モノ作りが上手い。
ああいうモノ作りは、どこで覚えたんだい?」
「あー。
あたしが していることは、あたしが子どものころに、両親が してくれたことなんです。
母と あたしが絵を描いて、物語を創ったり。それを父と いっしょに 絵本に仕立てたり。
段ボール箱を解体して、あたしと弟たちの、秘密基地を作ったり。
……ビンボーでしたけどね。
ないモノは、家族みんなで作ることが、楽しかったですねー」
「なるほどね。
楽しい家庭に勝るもの無し。ってことだよね。
ははは。
疲れきって寝ていたトマレが、ミコと いっしょに夢中になって、楽しんでいたもんな」
「ですねー。
司さん、おもしろい会社を つくりましたね。家庭コンサルタントかー。
あたしのダンナも、お世話になりました。
しっかり家事を覚えて もらわないと、安心して子どもを産めませんからね。
……。
でもさ、司さんは、昔は学校の教師だったんでしょ?
安定した給料を もらえていたはずなのに。
なぜ それを辞めて、儲からないボランティアみたいな会社を始めたんです?」
大量の古雑誌を荷台に積んだワゴン車が、夜道を ひた走る。
以後は、車中の司とつぐみ。
二人の女の会話になる。
・・・・・・
「今日も忙しかったねー。しかし、いい一日だった!
つぐみ、ごくろうさんね。ほんとに ありがとね」
ワゴン車を 運転しながら、司は一日中 我慢していた タバコに火をつけた。
「あああっ、司さん!
あたしにも一本くださいよお。あたしも ずーっと、我慢してたんですからねっ!
……。
……。
ふーっ。うまいっ!
いいコトした後の一服は、ほんと最高っすね!」
「しっかしなあ……。さっきまでの つぐみと、いまの つぐみ……。
オマエ、ほんっとに役者だな。
……。
だが、ほんと助かってるよ。
つぐみは、幼児のサポートが上手だね。
それに、モノ作りが上手い。
ああいうモノ作りは、どこで覚えたんだい?」
「あー。
あたしが していることは、あたしが子どものころに、両親が してくれたことなんです。
母と あたしが絵を描いて、物語を創ったり。それを父と いっしょに 絵本に仕立てたり。
段ボール箱を解体して、あたしと弟たちの、秘密基地を作ったり。
……ビンボーでしたけどね。
ないモノは、家族みんなで作ることが、楽しかったですねー」
「なるほどね。
楽しい家庭に勝るもの無し。ってことだよね。
ははは。
疲れきって寝ていたトマレが、ミコと いっしょに夢中になって、楽しんでいたもんな」
「ですねー。
司さん、おもしろい会社を つくりましたね。家庭コンサルタントかー。
あたしのダンナも、お世話になりました。
しっかり家事を覚えて もらわないと、安心して子どもを産めませんからね。
……。
でもさ、司さんは、昔は学校の教師だったんでしょ?
安定した給料を もらえていたはずなのに。
なぜ それを辞めて、儲からないボランティアみたいな会社を始めたんです?」
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