次の風が吹いたら

みるく♪

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停電 Ⅰ

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【2018年10月1日】


『台風24号――非常に強い勢力――
予測のつかない事態も考えられます――』

テレビを点けたまま家事をしていたら
臨時ニュースが流れた

ほぼ同時に町の広報も……
『━ ━ ! ! ━ ━ ━ ━ !』

風が強すぎて  
よく聞きとれない

とにかく、備えをしておこう

防災グッズOK
水と食料品OK
昼間のうちに雨戸を閉めた

夜になると
どんどん風雨が強まってきた

「ただいま~。ああ参った参った。
 風も雨も凄いことになってるぜ」
おーちゃんが帰ってきた

「お帰りー。
 うわあ。おーちゃん、びしょ濡れだぁ」

風雨は ますます
激しさを増していく

ザーザー ビュー
ザザー ビュウウー
ゴゴゴーウ
雨と風が大喧嘩してるみたい

そうして、ご飯を済ませたころ
ものすごい雨風に混ざって

ギシギシ 、ガガッ
ゴトゴトーン!

何かが倒れた? 飛んできた?
イヤな音がして
雨戸に何かが ぶつかった

とても気になったけど
雨戸は開けないほうがいい

おーちゃんと私は家の中
外を気にしながらも
テレビドラマを観ていた

すると突然
プツン!

全ての電気が 切れた

――真っ暗――

「あああ。停電だよ」
「だねえ」

「まあ、明日には復旧するさ」
「とりあえず懐中電灯、点けよう」
「蝋燭もあるだろ? 点けよう」

防災グッズの懐中電灯は
手回し充電式で、手間がかかるけど
ラジオも付いてる
古いタイプの携帯電話の充電もできる
(けどこれは、スマホの時代となり
役立たなくなってしまった)

おーちゃんが 
手回し充電しながら電灯を点け
その灯りを頼りに私は  
蝋燭を灯した

ポウ ポポポッ
蝋燭の火は
なんて小さく、弱い光

「スマホで音楽でも聴く?」
「スマホは充電できないから
 後で困らないかな?」

「じゃあ、ラジオだね」
「だね。そら、回せ回せ充電器」
交代で、手回し充電 手回し充電

停電の第一夜は
ラジオを聴いて過ごした

音楽リクエスト番組
次々に流れてきた曲は
昭和の歌だった

「あ!  この歌ならわかる。歌えるよ」

山口百恵さんの コスモス
おーちゃんと いっしょに歌った

番組は、時々中断して
臨時ニュースが流れた

台風の通り道になった地方の
あちこちで停電したとのこと
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