平成讃歌 ~4トントラックで雪山を越えた夜~

田之倉大賀《たのくらおおが》は 丸山運送㈱に勤める長距離トラック運転手。
愛妻の見紅《みるく》と結婚して、ちょうど一年が過ぎた。

ほんとなら、かわいい嫁さんと毎晩団らんできる暮らしがいい。
だが、オレは男だ。意地がある。必ず一旗あげてみせるぜ!
見紅よ、オレを信じて待っていてくれ!

ころは3月の末。桜の花盛り。
大賀は雨のしと降る山道を、一心にトラックを走らせていた。
ところが夜になると、おだやかに降っていた春雨が、冷たい雪に変わり……。
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