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17(ユカ)
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いや、あれで解る方が無理じゃない?
しかし何だろう。あのハヤカワが、20年先の未来の記憶を持っている事。それは、何となく本当の事のように感じてる。何というか…ハヤカワは今まで以上に、私を小娘扱いしているし…まあ、元々ハヤカワはそういうキャラだけど、ほんの少し違う。
とりあえず、今日2回目にお会いするヒゲの店長に目配せしながら、奥の個室の椅子にゆっくりと腰掛ける。アイスティー2つを注文し、小さなコップに入った氷の入った水を飲み干した。
たったの数分で、飲み物とハヤカワは同時に到着した。
「お待たせ…あれ、クリームソーダは?」
「あれれ?本当に頼んだ方が良かった?」
「いや…いい…いらない…」
「なにそれ?」
ハヤカワが、椅子にカバンを乱暴に投げる。何か手に封筒?を持っているみたいだ。
「じゃあ、まあ…話してみるから、信じて聴いてくれよ?」
「うん。聞いてあげる」
テーブルには、封筒から出した、2つに折ったA3の白い紙と、黒、赤、青のボールペンが置かれる。
「俺自身も、整理しながら話したいから…これに書きながら話す」
「さすがに準備がいいねえ、ハヤカワ君」
ハヤカワは、わざとらしく…ふうっ、と息を吐き、続ける。
「まずさ…気になるであろうブランドの10周年イベントだけど、これは大成功したよ。お客様も社員も大喜び。売上高も過去最高って。業界内でも話題になったほどに」
「さすが私達。さっきの未来委員会の効果もあるのかな?」
「ああ。店舗スタッフの働き方を見直し…つまり営業時間の短縮とか、無茶なシフトは全面禁止。これの効果は絶大だった。疲弊しているスタッフがいないチームの強さを感じたよ。後は、色々あるけど、俺たちとお客様の一体感が一番あったのも」
「あったのも?」
「この年が最初で最後だった」
しかし何だろう。あのハヤカワが、20年先の未来の記憶を持っている事。それは、何となく本当の事のように感じてる。何というか…ハヤカワは今まで以上に、私を小娘扱いしているし…まあ、元々ハヤカワはそういうキャラだけど、ほんの少し違う。
とりあえず、今日2回目にお会いするヒゲの店長に目配せしながら、奥の個室の椅子にゆっくりと腰掛ける。アイスティー2つを注文し、小さなコップに入った氷の入った水を飲み干した。
たったの数分で、飲み物とハヤカワは同時に到着した。
「お待たせ…あれ、クリームソーダは?」
「あれれ?本当に頼んだ方が良かった?」
「いや…いい…いらない…」
「なにそれ?」
ハヤカワが、椅子にカバンを乱暴に投げる。何か手に封筒?を持っているみたいだ。
「じゃあ、まあ…話してみるから、信じて聴いてくれよ?」
「うん。聞いてあげる」
テーブルには、封筒から出した、2つに折ったA3の白い紙と、黒、赤、青のボールペンが置かれる。
「俺自身も、整理しながら話したいから…これに書きながら話す」
「さすがに準備がいいねえ、ハヤカワ君」
ハヤカワは、わざとらしく…ふうっ、と息を吐き、続ける。
「まずさ…気になるであろうブランドの10周年イベントだけど、これは大成功したよ。お客様も社員も大喜び。売上高も過去最高って。業界内でも話題になったほどに」
「さすが私達。さっきの未来委員会の効果もあるのかな?」
「ああ。店舗スタッフの働き方を見直し…つまり営業時間の短縮とか、無茶なシフトは全面禁止。これの効果は絶大だった。疲弊しているスタッフがいないチームの強さを感じたよ。後は、色々あるけど、俺たちとお客様の一体感が一番あったのも」
「あったのも?」
「この年が最初で最後だった」
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