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入院生活2

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ご飯は少しだけ食べてくれるようになってホッとした。あと何日入院しないといけないんだろう。暗くなり消灯の時間になると心細くなっていく…望夢がかわいそうで付き添い入院を希望したけど、本当によかったんだろうか?自分の食事もお風呂もままならない…そんな生活が続いている。看護師さんに大泣きするわが子をお願いして売店に行ったりシャワーするだけで、いっぱいいっぱいだ。しかも面会もできないので、沙代子さんやあやちゃんが来てくれても荷物の交換だけで、ほぼ話ができていない。このまま入院が長引いたら私の方が参ってしまいそうだった…

「ゴホッ、ゴホッ…ふぇーん」
「望夢、ママはここだよ。ちゃんといるよ。大丈夫。大丈夫。良くなるからね」

夜中になると咳が酷くなる望夢を抱える。腕の中なら少したつと寝てくれるが、ベットに降ろすと、また泣きだしてしまう。その繰り返しをしているうちに朝日が昇ってくる。そんな生活だ。

疲れた…付き添い入院を希望したのに今更、断ることはできない。けどゆっくり眠りたい…温かいご飯が食べたい…過去にいた病院で付き添いをしていた家族はだいたいお父さん、お母さんもしくは家族がいて交代で付き添いしていた…仕事をしている方や、シングルの人はほとんどが付き添いはせず、お見舞いに来ていたっけ…お母さんが来なくて食欲が落ちる子、お母さんが帰ると大泣きしちゃう子もいたけど…私には家族がいない。沙代子さんや、あやちゃんとは家族同然でいるけど付き添いを代わってもらうことはできない。あと何日、この生活が続くんだろう…

「川原さん、おはようございます。のぞくん今日はどうかな?夜中の咳はどう?」

「夜中になると咳が酷くて、抱っこしないと寝ないんです」

「そうか…お母さんもしんどそうだけど大丈夫かい?」

「はい。まだ大丈夫です」

「無理だけはしないでね。熱は昨日より下がってきたね。食欲がもう少し出てきたら点滴も外せるんだけど…もう少しの辛抱だね。じゃあ、のぞくん今日もモクモクしようね。今日はね」
そう言って先生は今日はうさぎのパペットを取り出した。
望夢はうさぎさんに夢中で嫌がることなくネブライザーを受けてくれた。

もう少し、もう少し…わかってる。でも私の精神的な負担は大きく、今にも心が折れそうだった。でも助けて欲しいとは言えなかった。シングルマザーという負い目があるのかもしれない。
 
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