神さま…幸せになりたい…

柊 奏音

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入院生活1

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望夢は熱が高いので、入院して点滴することになった。小さい手に針が刺さる瞬間は、目を覆いたくなるほど、痛々しく、泣き叫ばれると変わってあげたいと思っていた。
「早く良くなれ、早く良くなれ」そう言って抱きしめてあげることしかできなかった。

次の日も熱が下がらなく、咳もひどいのでネブライザーをしてもらった。色んな先生や看護師さんが望夢の様子を見に来てくれたが、初めての場所、いつもと違う空気が怖いのか、いつもは人見知りもなく、ニコニコしていて抱っこも平気なのに、私から離れずグズグズと泣いていた。
食欲もなくて、大好きなりんごジュースもあまり受け付けない。抱っこをしないと寝てくれなかった。

入院3日目、担当医の西先生が診察に来てくれた。

「のぞくん、おはよう。ママも疲れちゃうから、先生が抱っこしてあげるよ。おいで」
担当医の西先生が手を広げても、私の胸に顔を埋めていた。

「川原さん、大丈夫ですか?ずっと抱っこじゃ疲れちゃうでしょ?ちゃんと休まれてますか?」

「西先生、ありがとうございます。望夢も頑張ってるのに、私は何もできなくて…」

「川原さん、そんなことないですよ。子供はママが一番です。でもそんなママが倒れたら、のぞくんが悲しみますよ。しんどくなったら必ず声をかけてくださいね。ママと離れたら泣いちゃうかもしれませんが、私達はプロですから、安心して任せてください」

「ありがとうございます」

西先生が寄り添ってくれて嬉しかった。
西先生は、望夢に話しかけながらも聴診器を当てて呼吸や脈拍を図ってくれた。

「昨日よりは少し熱が下がってきたね。あとは咳が落ち着けば、本人も楽になるんだけど…もう少しの辛抱だね。もうちょっと頑張ろうね。あれから、けいれんは起きてなさそうだから、もう少し様子を見ましょう。咳が辛そうなので、ネブライザーしましょう。のぞくん、けむりモクモクしようね」

西先生は、望夢が最初のネブライザーで泣いたからか怖くないように、くまのパペットを取り出してネブライザーを望夢に当てながら、くまさんも動かしていた。くまのパペットに気を取られてるうちに終わっていてホッとした。これで咳が落ち着くと良いけど…

「望夢、夜には、今日より少しだけ元気になるといいね」私も疲れていたのか、そのまま眠ってしまった。

「川原さん、お食事ですよ。あっごめんなさい。起こしちゃいましたか?」

望夢と一緒に寝てしまって、気づいたら夜になっていた。望夢はネブライザーが効いたのか、ぐっすり眠れたようだ。
「のぞくん。起きたばかりだからジュース飲もうか?」看護師さんが手渡してくれたけど寝起きのせいか、なかなか飲んでくれなかった。
「様子見て、ゆっくり食べさせてあげてくださいね」そう言って出て行った。
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