神さま…幸せになりたい…

柊 奏音

文字の大きさ
上 下
26 / 42

知り合いなの?

しおりを挟む
みんなでご飯屋さんにやって来た?ここは、沙代子さんと、あやちゃんの行きつけで個室もあるので望夢がいても安心してご飯を食べられる場所だ。

「いらっしゃい」いつも元気な女将さんが迎えてくれた。
「あら、のぞくん、また大きくなってぇーますますめんこく(可愛く)なったね」

「ありがとうございます」
「あーい」

「お返事もできるようになったの~いい子だね」頭を撫でてもらって望夢はニコニコだ。

「あれ?あやちゃんの彼氏かい?」
「おばちゃん違うよ!いとこなの」
「あら。そうかい。悪かったねぇ~そういや、いつもの席でいいのかい?空いてるよ」

奥の座敷に行き、抱っこ紐から望夢を降ろすと、すぐにテーブルの上の箸やお皿を触ろうとするので少し困った。望夢が食べれそうなものや、みんなメニューを見て悩んでいると座敷の襖が開いて、おばちゃんがやってきた。

「のぞくん、お待たせ。お腹すいたよね?食べれるかな?」
おばちゃんが持ってきたのは小さいおにぎりと卵焼き、野菜スティック、ミニハンバーグ、いちごがワンプレートに乗っていて、お味噌汁まで持ってきてくれた。

「おばちゃん、ありがとう。ごめんね」

「のぞくんに食べてほしいって、おじちゃん頑張ったんだよ。のぞくんは何が好きかな?」

「望夢よかったね。どれから食べようか?」
ワンプレートに乗ったおにぎりを両手で掴んで嬉しそうに「たぁー」と返事をして食べ始めた。

高林先生は目を細めて「かわいいですね。さっきも遊んでて子供とあまり縁がない生活だったので…」と言い始めた。

話を聞くと高林先生は亘くんの2歳下の31歳ということがわかった。しかも亘くんと同じ大学で後輩になる。もしかしたら、亘くんのことを知ってるのかも知れない…

「俺、凄く尊敬する先輩がいるんです。大学の先輩で…先輩が脳外を目指してるの聞いて、その時は実家を継ぐなんて思ってなかったけど…先輩と仲良くなりたくて俺の実家、脳外科なんで俺も目指しますって…先輩、一緒に頑張ろうって言ってくれて…多分、先輩が外科目指してたら、もしかしたら俺、外科医だったのかな?って思ってるんです」

「あら、大学でいい出会いがあったのね。大河も頑張ったんだ…その先輩とは今でも仲良いの?」沙代子さんが聞くと

「それが…先輩と同じ病院に勤められなくて…違う病院だったんですけど、でも大学の集まりとか、個別でも飲みに連れてってもらったりと可愛がってもらいました。でもここ数年はそういうこともなくて…俺が東京を離れたのは知らないかも知れないです」

「連絡先は知らないの?」

「俺がこっちに来る前に先輩に連絡しようとしたらスマホ変えちゃったみたいで、念のため病院に問い合わせたら、もう辞めたって言われてしまって…だから連絡つかなかったんです。いい先輩だったのに…なんか事件とかに巻き込まれてないといいなって思ってます」

「いつか会えるといいわね。生きていれば、いつかは会えるわよ。今はSNSがあるから探そうと思えば…ね」

「そうですね。おばさん、いつか亘先輩に会いたいです」

「えっ…」
亘くんって言った?
高林先生の亘先輩は私の知ってる亘くんのことなの?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一目惚れ

詩織
恋愛
恋も長くしてない私に突然現れた彼。 でも彼は全く私に興味なかった

私が、良いと言ってくれるので結婚します

あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。 しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

領地経営で忙しい私に、第三王子が自由すぎる理由を教えてください

ねむたん
恋愛
領地経営に奔走する伯爵令嬢エリナ。毎日忙しく過ごす彼女の元に、突然ふらりと現れたのは、自由気ままな第三王子アレクシス。どうやら領地に興味を持ったらしいけれど、それを口実に毎日のように居座る彼に、エリナは振り回されっぱなし! 領地を守りたい令嬢と、なんとなく興味本位で動く王子。全く噛み合わない二人のやりとりは、笑いあり、すれ違いあり、ちょっぴりときめきも──? くすっと気軽に読める貴族ラブコメディ!

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

白衣の下 先生無茶振りはやめて‼️

アーキテクト
恋愛
弟の主治医と女子大生の恋模様

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

恋とキスは背伸びして

葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員 成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長 年齢差 9歳 身長差 22㎝ 役職 雲泥の差 この違い、恋愛には大きな壁? そして同期の卓の存在 異性の親友は成立する? 数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの 二人の恋の物語

処理中です...