神さま…幸せになりたい…

柊 奏音

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いとこ

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次の日には望夢の熱も下がって保育園に行くことができた。

「ご迷惑おかけしました」職場で謝ると「子供が小さいうちは仕方ないわよ」と言ってくれてホッとした。

昼休みに保育園に連絡を入れると元気に遊んでお昼寝をしていると言ってくれた。よかった。と胸を撫で下ろしてると「ここいい?」と声が聞こえて顔を上げると新しくきた脳外科医の先生がいた。 

「…あっ、はい。どうぞ」
「ありがとう」
なぜここの席に?と思ってると「川原詩織…さんだよね?」と言われて「え?」…なぜ名前?すると先生は「絢の所にいるんでしょ?」と…「へっ?」変な声が出てしまった…なぜこの先生があやちゃんの事を知ってるのか分からず、どう答えていいか目を泳がせてしまった。
「夕方、家にいくから、その時にね!」と笑顔で言われてしまった…あやちゃんの知り合いなのかな?「お先に失礼します」と先に席に立った。

ふと見ると周りの人達がヒソヒソと話してるのが見えた…確かに私とはなんの接点もない。先生と私が話したら何事かと思うよね…どうしよう。なんかあるのかな?

仕事を終え、望夢を保育園に迎えに行くと玄関であやちゃんがいた「あやちゃん」駆け寄ると「迎えにきた。ちょっと会ってほしい人もいるし…」あれ?昼間言ってた先生のことかな?

3人で帰るとマンションの前には昼間見た先生が立っていた。「とりあえず、みんな上がって」

いつもの日課を望夢と写真の家族にあいさつをしてからリビングに行った。
「突然でごめんね。昼間に会ったって?」
「うん」 
「大河は、いとこなの」
「えっ?」
「昼間は急に声をかけてしまってごめんね。高林大河です。よろしくね」
「あっ…はい」
いとこ?今まで沙代子さんやあやちゃんの親戚とかに会ったことがなった私は頭が混乱していた…私がいることはいいんだろうか…

「来てたの?」沙代子さんの声がした。
「詩織ちゃん驚いたでしょ?急にいとこが来るなんて…」
「あっ…はい…」
「大河は姉の子どもなのよ」
「そうなんです…東京から来た奴なんて色々言われてますけど要は親の病院を継ぐんです」

「ご実家も病院なんですか?」

「うん…両親揃って医者なんだよ。大学の頃は反発して東京に行ったけど…やっぱり地元が良くて結局、帰ってきた」

「でもなぜここの病院に?」

「実家の病院の受け入れ先がここの病院なの。だから縁を繋いでおこうと思って…」

「そうだったんですか…ご実家継ぐなんて凄いですね」

「そんなことないよ。東京の空気に疲れただけだから…」
そう言って高林先生は笑った。
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