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第三章 指切
第三十五話
しおりを挟む「うっ、あっ……も、もう……」
涙を浮かべて遥希が懇願する。
ぐちゅりと淫猥な音をたてる遥希のつぼみから指をひき抜くと、てらてらと光る指を恍惚と眺めながら「もう少し指で遥希を味わいたかったけどな」と高峻がこぼす。
「ばか──」
手で顔を覆い恥じらう遥希。クイーンサイズの高峻が夫婦のベッドが弾み、ゆっくりと身体を移動し正常位に持ち込む。遥希のうえに圧し掛かると、高峻の屹立がつぼみにあてがわれた。
少しばかり陰りを見せる高峻の甘いマスクに見下ろされながら、遥希は強い快楽の期待に支配され「はやく」と急かす言葉を口にする。高峻の腰に足を絡めると、ぎゅうぎゅうと引きよせ挿入を促す。
「挿れるよ」
そう前置くなり高峻の熱い怒張が遥希のつぼみを一気に貫く。
「ああっ──!」
毎日のように龍哉の屹立で攻め立てられているにもかかわらず、遥希の快楽に対する淫奔ぶりは底をつくことはない。本命に見限られてしまった今、更に拍車がかかっているように思う。
触れたくない痛みから背くように、遥希は高峻が齎す悦びを貪る。
「は、あ……っ……遥希の孔、すごくきつい」
温かくて気持ちいいよと熱病のように高峻がつぶやく。激しく打ちつけられる肉同士の音と、ローションの滑りと体液の匂いでふたりは興奮を極める。
噛みつくような口づけを交わして唾液を交換し、舌をねじ込み絡め合う。たまに歯をたて痛みが走れば、それさえも快楽のエッセンスとして脊髄を痺れさせた。
内ももを掴み高く持ち上げると、遥希の腰は浮き高峻の支配下となる。つなぎ支え合うのはつぼみにつき刺さる脈打つ昂りのみ、それを快楽を得るために激しくこすり合うのだ。
高峻の強靭な腰のストロークに快感を極め、遥希は赤く熟れた舌を見せてあえぐ。一切の刺激を受けることなく遥希の屹立は悦びの涙を流す。
「うっ、あっ、も、もう……達く」
「いいよ、達っちゃいな。俺もそろそろ達きそうだ」
「ああっ、高峻……高峻……達く、達く──」
高峻が穿つ怒張にこすられ遥希は高みに駆け上がる。口許近くにまで飛び散る自身の白濁、最後の一滴はへそに溜まって糸を引く。
吐精による孔の痙攣に高峻の怒張が締めつけられ、彼もまた亀頭に強い刺激を受け遥希の奥深くに大量の精液を注ぎ込むのだった。
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