泣いて謝っても許してあげない

あおい 千隼

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第三章 指切

第三十四話

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「や、んっ、あっ……んっ……ぅ」

 逞しい腕に開かれた白く細い足。

 下肢の中心でしずくを垂らしてそそり勃つものに舌を這わせる高峻と、艶めかしい声をあげながら身悶える遥希を支えるベッドの軋む音が静かな部屋に響く。

「気持ちいい?」

「あっ……う、うん、気持ち、いい」

 高峻の問いに息を切らせながら遥希が返す。

 間接灯に照らされた遥希は今にも消えそうなほどに儚く、けれど網膜に焼きつくほどに美しい。水晶湖のようにしっとり輝く瞳、妖美な牡丹を思わせる火照った頬。

 細い首筋から鎖骨にかけ視線を落とし、なだらかな胸で健気に膨らむ尖りで止まると高峻の欲望は大いにかき立てられた。どこに舌を這わせても吸いつくようで、きめ細かな美しい肌はどんな女をも凌駕する。

 鈴口から溢れるしずくを舐め取り、そのまま微かに触れるほどの距離を保ち舌先を下げていく。昂りの麓で重たげにさがる双球を口に含むと、ゆっくり優しく愛撫をしてやった。

 すると放置された屹立が切なそうに刺激を欲する。それを高峻の手が包み込み柔く上下に扱いてやれば、甘やかな嬌声を洩らして遥希は快楽を示す。

「ああっ、あっ、うっ……あっ……っ」

 舌に感触を楽しんでいた双球を解放すれば、つつと唾液が銀の糸となって口唇につたう。それを手で拭うと、今度は隘路に舌を這わせて双丘の奥まで下りていく。

 固く窄むつぼみを舌と指をつかって解してやるのだ。唾液を注ぎ滑りをよくして、徐々に孔を柔らかくしていく。それからローションを追加して、蜜壺となるよう更に慣らす。
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