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第三章 指切
第四話
しおりを挟むすべてが終わり勝利はしたものの、心を病んだ母親はうつ病を発症。しかも男狂いとなった母親は性質の悪いホストに入れ込み、手に入れた慰謝料を湯水のようにホストにつぎ込んだ。
色恋営業をされ騙された母親は、もはや息子のことなど関知しない。金の切れ目が縁の切れ目だとはよくいったもので、散々母親に貢がせるとホストは高跳び。
今度こそ壊れた母親をまえに、遥希はホストが務めていた店に乗り込む。けれど店の代表の説明に蒼然、素行の悪さでホストは早々と首になっていたのだ。
ホスト界にはご法度が多々あり、いわゆる爆弾といわれる行為をホストはくり返していた。同店内のホスト間で指名客と深い仲になり、店を通さずやり取りをする直引き営業をして干されたようだ。
その直後に運悪く母親が毒牙にかかり、有り金を巻きあげ蒸発した。
父親の両親は今回の離婚騒動で疎遠となり頼れず、母親の両親はすでに他界しており親戚もいない。泣き寝入りするしかない悔しさ、大学に収める金すらなく遥希は途方に暮れる。
狂った母親を抱えこの先どうすればいいか絶望してると、思わぬ救いの手を差し伸べてくれたのがホストが務めていた店の代表だったというわけだ。
すでに切った従業員が犯した事とはいえ、代表は遥希を不憫に思い情をかけてやる。大学にかかる費用を給料一括払いで支給、借金として働きながら返すよう提案。
多大なる温情を受けた遥希は、彼に報いようと必死になって働く。それが今では店のナンバーツーにまでのぼりつめ、永久指名客の多さでも店に貢献するまでになった。
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