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5 かくし玉
第5話
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「向ちゃん、私たちは幸せだよねえ?」
向希は、何の躊躇もなしに、うんと頷いた。
「親が離婚したって、死んだって、親が再婚したって、もっと不幸な子はいるし、贅沢だよね」
「俺、そういうの嫌い」
「そういうの?」
「そう。誰かと比較すんの。あれよりマシ、これよりマシ。みたいなの。誰かと比較して満足してる幸福なんて下らないよ。金持ちでも完璧な親でも、有ちゃんが嫌だって思ったら嫌でいいんだよ」
「うん。そうだよね。うち、特殊だもん。複雑な家庭の子はずっと複雑な過程を過ごさなきゃならにのかな?」
「うーん、複雑な家庭の出身者から幸せになりましたーっていう前例が欲しい?」
「そうじゃなくてさ。幸せだと思ってるんだよ、思い込もうとしてるんじゃなくてさ。適度なストレス範疇なのかもね」
「人並みの幸福があっても日々ストレスは溜まるさ」
この清流のような向希に言われても、と思う。
「吐き出し方がわかんない。だって、これも一種の現実逃避なんだから。家に帰ったら窮屈でさ、欲求がどんど溜まって欲求不満になる」
「ああ。んじゃあ、水に流そう」
向希は何かをすくいとるように、手で椀を作り、そこに水を溜めた。それをぽいっと遠くへ投げた。
「向ちゃん、流すたって穏やかな流れだよ。ふよふよ浮遊するだけ」
「じゃあ、水面にぶつけて割ってしまおう」
向希は子供みたいに笑うと、岩の方へ走って行った。割ってしまうってどういうことだろうか。
「シャーペン返せバーカ! 廃盤でもう売ってねんだよ! あれより書きやすいのないんだからなー! メーカーも後続ブランドで可愛いデザインにしてんじゃねーよ!」
「へ?」
向希は岩の上から言葉を水面にぶつけるように大きな声で叫ぶと水しぶきを四方に散らして飛び込んだ。
浮き上がって平泳ぎで私のところまでくると、髪を後ろに撫で付けた。
「はあ、すっきりした。はい、次は有ちゃん」
「へえ、しょぼい、ストレスがしょぼいよ向ちゃん!」
「しょぼくても、毎日使うものだぞ? 俺はもう三年くらいこれ!っていうシンデレラシャーペンに出会えてないんから」
「あはは、あはは、言い方!」
向希は私からスポッと浮き輪を抜き取ると、川岸へと押し出した。
「中辛のカレーが食べたい!! うっひっ、ひょわっ」
思ったより高くて、変な悲鳴がでた。飛び込むと深く沈んだ。浮かび上がるのを向希が付き合ってくれる。
「ここ、足着かないよ、向ちゃん!」
「そうだよ。深くないと飛び込んだら逆に危ないだろ」
私は向希が渡してくれた浮き輪に必死にすがりつきながら、息を整えた。怖いな、岩を見上げるとそんなに高く見えないのに。
「ぶっ、有ちゃんあんなに不満がありますって言い方しといて、カレーかよ!」
「出てこなかったのよ、足がすくんで」
「中辛は、言おう。父さんの顔見たらすぐに言おう」
「そうします……」
向希はすいっと滑らかに泳いで、また岩へと上って行った。
ヤバい。向希が次に何を叫ぶのかわくわくする。
「猫大好きなのに、何でアレルギーなんだよ!」
それは知らなかった。向希の水しぶきを浴びながら、私は私の不満を探した。
「向希との仲を取り持たないから性格悪いって何だよ!!」
向希が浴びた水しぶきを払いながら、「なんかすまん」と軽く言った。私たちは順番も待てないくらい次から次へと不満を叫んだ。
「いつも使ってる皿がまだプラスチックだ」とか「弁当箱二段は恥ずかしいからやめて」とか。
「俺のサロン専売品のワックス使うな」とか。小さなことから
「今は日陰なんだから、パーカー脱げよ」というセクハラまがいのことまで。
「向希がモテるからややこしいだよ!」
とか、理不尽なことまで。変なテンションで叫びまくった。「俺に下着を畳ませるなー!」
は、その通りで恥ずかしくて死んだ。
「お父さんの子に産まれたかった!!」
こう叫んだのは、自分でも驚いて少し泣けた。それまでゲラゲラ笑ってた向希も眉を下げてしまったけど、
「同い年の父さんに言いたい。女の趣味が悪い!」
さすがに、これは私は笑っていいのか躊躇したが、向希は「笑って」って言った。
あと「俺も本当の子だったらって思ったことあるなあ」と惚けた調子で言った。
「向希だけ何で泳げるんだよー!」
私はいちいち浮き輪で岸まで脱出しなきゃならないのに。
「俺は離婚してからもスイミング続けさせてもらったから」
と、真面目に答えてくれた。二人でスイミングの幼児教室に通っていたが、離婚を機に私はやめてしまった。なるほど、そうだったのか。
「それ、叫ぶほどのことか?」
「ネタが失くなっちゃって」
「そっか、んじゃあ、そこで浮いといて」
どうやら、向希にはまだまだあるらしかった。そりゃあそうだなって思う。向希はずっと一人で抱えて大人でいなくちゃならなかったのだから。
「俺は高校卒業後に言うつもりだったのに、夏のせいだー!」
私に告白したことか。さすがに恥ずかしいのか、私を見ずにさっさと岩へと行く。
「何で彼氏いたことあんだよ!! 何で俺だけ保留なんだよ!!」
……保留。って、あれは返事がいるやつなのか、そうなのか。ポカーンとしている私を横目に向希は「これ、最後だからな」と前置きして岩へと向かった。
言葉たちが水面にぶつかって割れるように、ずっと水面に向かって叫んでいた。だけど、最後だけは私を指さすと聞けよって言った。
そのホームラン宣言みたいなジェスチャーに私はゲラゲラ笑った。私も応えるように「格好いいぞ、向希ー!」なんて奇声を上げた。
「有希、愛してる」
向希の作った水しぶきが、キラキラ下からも上からも散ってくる。反射的に目を閉じて、開けるとそこには向希がいて、驚いて、嬉しいのか、ただびっくりしたのか、私は降ってきた愛に笑って、泣いた。
たくさんの不満が、粉々になって川に流れていった。向希は大事なものだけ流れてしまわないように掬い上げてくれた。
水面が眩しいくらいに光っていた。
「庄司向希、18歳、愛を叫ぶ」
向希が自分の行動に注釈を付けたから、私は笑いすぎて、浮き輪がすっぽ抜けて、慌てて伸ばした手を向希が掴んでくれた。
私たちは夏の暑さと叫びすぎで酸欠になったのだと思う。湿った空気の中、ぼーっとした頭でどちらともなく顔を近づけた。
ゆっくり、ゆっくり。ものすごい磁力の弱いSとNみたいなキスをした。唇には最後まで戸惑いがあった。
今度は向希が泣きそうな顔をするから、「何でだよ」って、顔に水をかけてやった。
「どうだった?」
って、聞くから正直に
「磁力のものすごい弱い磁石みたいなキスだった」と言うと向希は気分を害したのか、私を強引に引き寄せて、もう一度キスをした。
今度は強すぎて前歯をぶつけて、もはや事故チューで、私たちは気まずい思いをした。そのうち向希が吹き出して、二人でお腹を抱えるくらい笑った。
石に座って、一枚しかないバスタオルで頭を拭いた。その横で向希がシューと浮き輪の空気を抜いていた。
帰り道、どちらともなく手を繋いだ。家に着くまで交わした言葉は「暑いね」だけだった。
愛してるって言うけど、家族としてでしょう?だとか、もう一度言ってだとか、そんな無粋な事を言うつもりはなかった。
ちゃんと、わかってる。
向希と手を繋いで歩きながら、私は道路に引かれた白い線の上だけを歩いた。落ちたら負けって小さな頃にしたみたいに、ずっと道路から逸れるまで白い線の上だけを歩いた。
私たちはもう、落ちてもどうにもならないことをことを知っている。
向希は、何の躊躇もなしに、うんと頷いた。
「親が離婚したって、死んだって、親が再婚したって、もっと不幸な子はいるし、贅沢だよね」
「俺、そういうの嫌い」
「そういうの?」
「そう。誰かと比較すんの。あれよりマシ、これよりマシ。みたいなの。誰かと比較して満足してる幸福なんて下らないよ。金持ちでも完璧な親でも、有ちゃんが嫌だって思ったら嫌でいいんだよ」
「うん。そうだよね。うち、特殊だもん。複雑な家庭の子はずっと複雑な過程を過ごさなきゃならにのかな?」
「うーん、複雑な家庭の出身者から幸せになりましたーっていう前例が欲しい?」
「そうじゃなくてさ。幸せだと思ってるんだよ、思い込もうとしてるんじゃなくてさ。適度なストレス範疇なのかもね」
「人並みの幸福があっても日々ストレスは溜まるさ」
この清流のような向希に言われても、と思う。
「吐き出し方がわかんない。だって、これも一種の現実逃避なんだから。家に帰ったら窮屈でさ、欲求がどんど溜まって欲求不満になる」
「ああ。んじゃあ、水に流そう」
向希は何かをすくいとるように、手で椀を作り、そこに水を溜めた。それをぽいっと遠くへ投げた。
「向ちゃん、流すたって穏やかな流れだよ。ふよふよ浮遊するだけ」
「じゃあ、水面にぶつけて割ってしまおう」
向希は子供みたいに笑うと、岩の方へ走って行った。割ってしまうってどういうことだろうか。
「シャーペン返せバーカ! 廃盤でもう売ってねんだよ! あれより書きやすいのないんだからなー! メーカーも後続ブランドで可愛いデザインにしてんじゃねーよ!」
「へ?」
向希は岩の上から言葉を水面にぶつけるように大きな声で叫ぶと水しぶきを四方に散らして飛び込んだ。
浮き上がって平泳ぎで私のところまでくると、髪を後ろに撫で付けた。
「はあ、すっきりした。はい、次は有ちゃん」
「へえ、しょぼい、ストレスがしょぼいよ向ちゃん!」
「しょぼくても、毎日使うものだぞ? 俺はもう三年くらいこれ!っていうシンデレラシャーペンに出会えてないんから」
「あはは、あはは、言い方!」
向希は私からスポッと浮き輪を抜き取ると、川岸へと押し出した。
「中辛のカレーが食べたい!! うっひっ、ひょわっ」
思ったより高くて、変な悲鳴がでた。飛び込むと深く沈んだ。浮かび上がるのを向希が付き合ってくれる。
「ここ、足着かないよ、向ちゃん!」
「そうだよ。深くないと飛び込んだら逆に危ないだろ」
私は向希が渡してくれた浮き輪に必死にすがりつきながら、息を整えた。怖いな、岩を見上げるとそんなに高く見えないのに。
「ぶっ、有ちゃんあんなに不満がありますって言い方しといて、カレーかよ!」
「出てこなかったのよ、足がすくんで」
「中辛は、言おう。父さんの顔見たらすぐに言おう」
「そうします……」
向希はすいっと滑らかに泳いで、また岩へと上って行った。
ヤバい。向希が次に何を叫ぶのかわくわくする。
「猫大好きなのに、何でアレルギーなんだよ!」
それは知らなかった。向希の水しぶきを浴びながら、私は私の不満を探した。
「向希との仲を取り持たないから性格悪いって何だよ!!」
向希が浴びた水しぶきを払いながら、「なんかすまん」と軽く言った。私たちは順番も待てないくらい次から次へと不満を叫んだ。
「いつも使ってる皿がまだプラスチックだ」とか「弁当箱二段は恥ずかしいからやめて」とか。
「俺のサロン専売品のワックス使うな」とか。小さなことから
「今は日陰なんだから、パーカー脱げよ」というセクハラまがいのことまで。
「向希がモテるからややこしいだよ!」
とか、理不尽なことまで。変なテンションで叫びまくった。「俺に下着を畳ませるなー!」
は、その通りで恥ずかしくて死んだ。
「お父さんの子に産まれたかった!!」
こう叫んだのは、自分でも驚いて少し泣けた。それまでゲラゲラ笑ってた向希も眉を下げてしまったけど、
「同い年の父さんに言いたい。女の趣味が悪い!」
さすがに、これは私は笑っていいのか躊躇したが、向希は「笑って」って言った。
あと「俺も本当の子だったらって思ったことあるなあ」と惚けた調子で言った。
「向希だけ何で泳げるんだよー!」
私はいちいち浮き輪で岸まで脱出しなきゃならないのに。
「俺は離婚してからもスイミング続けさせてもらったから」
と、真面目に答えてくれた。二人でスイミングの幼児教室に通っていたが、離婚を機に私はやめてしまった。なるほど、そうだったのか。
「それ、叫ぶほどのことか?」
「ネタが失くなっちゃって」
「そっか、んじゃあ、そこで浮いといて」
どうやら、向希にはまだまだあるらしかった。そりゃあそうだなって思う。向希はずっと一人で抱えて大人でいなくちゃならなかったのだから。
「俺は高校卒業後に言うつもりだったのに、夏のせいだー!」
私に告白したことか。さすがに恥ずかしいのか、私を見ずにさっさと岩へと行く。
「何で彼氏いたことあんだよ!! 何で俺だけ保留なんだよ!!」
……保留。って、あれは返事がいるやつなのか、そうなのか。ポカーンとしている私を横目に向希は「これ、最後だからな」と前置きして岩へと向かった。
言葉たちが水面にぶつかって割れるように、ずっと水面に向かって叫んでいた。だけど、最後だけは私を指さすと聞けよって言った。
そのホームラン宣言みたいなジェスチャーに私はゲラゲラ笑った。私も応えるように「格好いいぞ、向希ー!」なんて奇声を上げた。
「有希、愛してる」
向希の作った水しぶきが、キラキラ下からも上からも散ってくる。反射的に目を閉じて、開けるとそこには向希がいて、驚いて、嬉しいのか、ただびっくりしたのか、私は降ってきた愛に笑って、泣いた。
たくさんの不満が、粉々になって川に流れていった。向希は大事なものだけ流れてしまわないように掬い上げてくれた。
水面が眩しいくらいに光っていた。
「庄司向希、18歳、愛を叫ぶ」
向希が自分の行動に注釈を付けたから、私は笑いすぎて、浮き輪がすっぽ抜けて、慌てて伸ばした手を向希が掴んでくれた。
私たちは夏の暑さと叫びすぎで酸欠になったのだと思う。湿った空気の中、ぼーっとした頭でどちらともなく顔を近づけた。
ゆっくり、ゆっくり。ものすごい磁力の弱いSとNみたいなキスをした。唇には最後まで戸惑いがあった。
今度は向希が泣きそうな顔をするから、「何でだよ」って、顔に水をかけてやった。
「どうだった?」
って、聞くから正直に
「磁力のものすごい弱い磁石みたいなキスだった」と言うと向希は気分を害したのか、私を強引に引き寄せて、もう一度キスをした。
今度は強すぎて前歯をぶつけて、もはや事故チューで、私たちは気まずい思いをした。そのうち向希が吹き出して、二人でお腹を抱えるくらい笑った。
石に座って、一枚しかないバスタオルで頭を拭いた。その横で向希がシューと浮き輪の空気を抜いていた。
帰り道、どちらともなく手を繋いだ。家に着くまで交わした言葉は「暑いね」だけだった。
愛してるって言うけど、家族としてでしょう?だとか、もう一度言ってだとか、そんな無粋な事を言うつもりはなかった。
ちゃんと、わかってる。
向希と手を繋いで歩きながら、私は道路に引かれた白い線の上だけを歩いた。落ちたら負けって小さな頃にしたみたいに、ずっと道路から逸れるまで白い線の上だけを歩いた。
私たちはもう、落ちてもどうにもならないことをことを知っている。
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