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第2話
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仮に過去に行けたとして、陛下はどうやって王太子の行動を止めるのだろう...ま、私が考えることでもないしね、どうでもいいか。
そのようなことを考えながら、私は財務長から受け取った公費出庫証書(小切手のようなもの)を持って、王宮公庫(王宮内の銀行のような所)に向かっていると、前方から馬鹿がやってきた。
もちろん愛人もくっついている。
「ごきげんよう王太子殿下」
「フン!」
あれ?今日は何も言わないのかな?
「よこせ」
「は?」
「だから!それをよこせ!と言っている!」
ああ、なんでいちいち怒鳴るのかな。耳がキンキンする。
「また、父上に何か頼まれたのだろ?」
「はい、早急に開発するものを依頼されました」
公費出庫証書が見えたのか。これ、アンタの不始末を揉み消すためのお金だぞ。揉み消しなんてしないけど。
「だったらお前の金だな、だから俺様のものだ」
「これは先ほど陛下より急ぐよう言われたものの開発費なので」
「だったら急げばいいだろ」
イカン言葉が通じん。
「とにかくよこせ」
馬鹿はわかってるのかな。これ恐喝、強奪だぞ。お金を使ったら横領だぞ。
「いや、でも」
「グズグズしてないで、さっさとフィリップ様に渡しなさいよ」
ああ、もうなんでコイツも声がデカいんだ。それに貴女も共犯になるぞ。
「命令なら渡しますが、陛下には報告します。それでもいいですか?」
「ううっそれは」
イケナイ事をしているとは思っているのか。馬鹿だけど。
「お前が黙っていればいいだけだろう」
「そういう訳には参りません」
ああ、しつこいな。...あれ、このままぶっちするつもりだったけど、引っ掻き回してみるかな。面白そうだし。
「それに、これだけの金額を補填するには最低でも1ヶ月はかかります」嘘です。3ヶ月は余裕でかかります。
「そしたら、1ヶ月早く開発すればいいだけだろ」
掛かった!。追い詰めるか。
「...うっでは渡します。でも陛下には報告します」
「何でだ!!」
だから声がデカいんだって。
「この件は開発を早くするために、陛下が直接財務長に指示され、その場で受け取った公費出庫証書です」
「だからそれが何だというのだ」
「ですから、その費用が1ヶ月使われていなければ、横領を疑われ、監査対象になります」
「使ったようにすればいいではないか」
「私に公文書偽造しろ、と?」
「は?こ、こうぶん...」
馬鹿は少し難しい言葉を使えばわからなくなる。馬鹿だから。
「陛下に嘘の報告をしろ、ということです。現在は公費の使用目的が厳しく精査されています。どのように偽装してもバレるのは時間の問題で、そうなれば、最悪極刑となります。私、子爵令嬢に過ぎませんから」
「そ、そんな事は言ってない。分かった、俺様がどうしてもその金が必要だったと言え。それなら文句ないだろ」
チョロい。
「それならいいです」といって公費出庫証書を渡した。
邪魔者は「お、こんなにあるぞ、今日は派手に行くか」などと言い、ニタニタと笑いながら去って行った。
私が豪遊しようと思っていましたが、まあいいでしょう。面白くなってきた。
「何!開発費をフィリップに渡しただと!」
「はい、命令されたのでやむを得ず」
「だったらフィリップの不始末の件と言えばいいだろう」
「グティレス公爵令嬢も同席されておりましたので...」
「そ、そうか」
グティレス公爵は王派閥の筆頭です。王太子の醜聞は絶対マズい。得に現在は。
揉み消すために、いったい何をしたのか根掘り葉掘り聞いてくるに違いない。
子爵令嬢に過ぎない私には絶対任せないはずだ。
そして、もし今回のように国が滅ぶ程の失態を王太子がしでかし、且つ公爵でも対処不能である事がバレれば、恐らく王家を見捨て、自分の身を守ろうとするだろう。下手をすれば対立派閥との内乱になる。
「それで開発の方はどうしましょう?」
「其方の財で補填出来ないだろうか」
「それは構いませんが、少なくとも開発は半年は遅れることになると思います。その頃には既に結界は...」
国王は頭を抱えてしまいました。
「大変言いにくいですが、1つ方法があります」
「構わん申せ」
「王太子殿下を拘束し、王太子費を予算にすれば...あるいは」
「王太子費は分かるが、拘束が必要か?」
「口止めをされておりましたので言いませんでしたが、王太子殿下は今までの開発費用を私の私財と勘違いされ、資金の半分以上を散財なさっています」
「なにぃぃそれは真か!」
「はい、今まで命令には逆らえず、財務長と相談して名目上娯楽費や社交費などに分散させて計上しております」
「あやつめ...」
よしよしよし、普段なら国王は王太子の味方だけど。今回は聖女システムの件という爆弾を抱えている。
絶対王太子のことを邪魔に思うはずた。うまくいったわ。あはは...
「ただ、問題もあります」
「何だ」
「王太子殿下にはいつもグティレス公爵令嬢がご一緒しております。下手に拘束すればご令嬢が騒ぎだしかねません」
「むむむ」
よし!あと一歩。
「其方なら...どうする?」
キターー
「あの...」
「良い、申せ」
「公費横領でお二人を逮捕するしか...証拠は財務長が山ほど持っております」
さあ、王太子を切るかな?まあ切るだろう。そうしないと自分がヤバくなるからね。
「廃嫡か...」
「国か王太子殿下か、でございます」
国王は覚悟を決めたようだ。
「よし!フィリップは廃嫡する。公費横領は余でも庇いきれん」
よっしゃー
現在この国、エキトバキア王国は、王派閥と貴族派閥が激しく対立しており、勢力はほぼ拮抗している。これも王太子のあまりにも酷い行動と、それを放置している国王への不満が大きいからだ。
しかも公費は広大な肥沃した大地と、優秀な商会を多数保有している貴族派閥に頼っているのが現状なのである。
更に必要不可欠な魔法道具の開発費を横領していたのを軽い処分で済ませてしまえば、貴族派閥は完全に反旗を翻して宣戦布告してくるだろう。
よし!婚約破棄だ。慰謝料は…くれないだろうな。でも王太子費はがっぽりだ。がはは
そのようなことを考えながら、私は財務長から受け取った公費出庫証書(小切手のようなもの)を持って、王宮公庫(王宮内の銀行のような所)に向かっていると、前方から馬鹿がやってきた。
もちろん愛人もくっついている。
「ごきげんよう王太子殿下」
「フン!」
あれ?今日は何も言わないのかな?
「よこせ」
「は?」
「だから!それをよこせ!と言っている!」
ああ、なんでいちいち怒鳴るのかな。耳がキンキンする。
「また、父上に何か頼まれたのだろ?」
「はい、早急に開発するものを依頼されました」
公費出庫証書が見えたのか。これ、アンタの不始末を揉み消すためのお金だぞ。揉み消しなんてしないけど。
「だったらお前の金だな、だから俺様のものだ」
「これは先ほど陛下より急ぐよう言われたものの開発費なので」
「だったら急げばいいだろ」
イカン言葉が通じん。
「とにかくよこせ」
馬鹿はわかってるのかな。これ恐喝、強奪だぞ。お金を使ったら横領だぞ。
「いや、でも」
「グズグズしてないで、さっさとフィリップ様に渡しなさいよ」
ああ、もうなんでコイツも声がデカいんだ。それに貴女も共犯になるぞ。
「命令なら渡しますが、陛下には報告します。それでもいいですか?」
「ううっそれは」
イケナイ事をしているとは思っているのか。馬鹿だけど。
「お前が黙っていればいいだけだろう」
「そういう訳には参りません」
ああ、しつこいな。...あれ、このままぶっちするつもりだったけど、引っ掻き回してみるかな。面白そうだし。
「それに、これだけの金額を補填するには最低でも1ヶ月はかかります」嘘です。3ヶ月は余裕でかかります。
「そしたら、1ヶ月早く開発すればいいだけだろ」
掛かった!。追い詰めるか。
「...うっでは渡します。でも陛下には報告します」
「何でだ!!」
だから声がデカいんだって。
「この件は開発を早くするために、陛下が直接財務長に指示され、その場で受け取った公費出庫証書です」
「だからそれが何だというのだ」
「ですから、その費用が1ヶ月使われていなければ、横領を疑われ、監査対象になります」
「使ったようにすればいいではないか」
「私に公文書偽造しろ、と?」
「は?こ、こうぶん...」
馬鹿は少し難しい言葉を使えばわからなくなる。馬鹿だから。
「陛下に嘘の報告をしろ、ということです。現在は公費の使用目的が厳しく精査されています。どのように偽装してもバレるのは時間の問題で、そうなれば、最悪極刑となります。私、子爵令嬢に過ぎませんから」
「そ、そんな事は言ってない。分かった、俺様がどうしてもその金が必要だったと言え。それなら文句ないだろ」
チョロい。
「それならいいです」といって公費出庫証書を渡した。
邪魔者は「お、こんなにあるぞ、今日は派手に行くか」などと言い、ニタニタと笑いながら去って行った。
私が豪遊しようと思っていましたが、まあいいでしょう。面白くなってきた。
「何!開発費をフィリップに渡しただと!」
「はい、命令されたのでやむを得ず」
「だったらフィリップの不始末の件と言えばいいだろう」
「グティレス公爵令嬢も同席されておりましたので...」
「そ、そうか」
グティレス公爵は王派閥の筆頭です。王太子の醜聞は絶対マズい。得に現在は。
揉み消すために、いったい何をしたのか根掘り葉掘り聞いてくるに違いない。
子爵令嬢に過ぎない私には絶対任せないはずだ。
そして、もし今回のように国が滅ぶ程の失態を王太子がしでかし、且つ公爵でも対処不能である事がバレれば、恐らく王家を見捨て、自分の身を守ろうとするだろう。下手をすれば対立派閥との内乱になる。
「それで開発の方はどうしましょう?」
「其方の財で補填出来ないだろうか」
「それは構いませんが、少なくとも開発は半年は遅れることになると思います。その頃には既に結界は...」
国王は頭を抱えてしまいました。
「大変言いにくいですが、1つ方法があります」
「構わん申せ」
「王太子殿下を拘束し、王太子費を予算にすれば...あるいは」
「王太子費は分かるが、拘束が必要か?」
「口止めをされておりましたので言いませんでしたが、王太子殿下は今までの開発費用を私の私財と勘違いされ、資金の半分以上を散財なさっています」
「なにぃぃそれは真か!」
「はい、今まで命令には逆らえず、財務長と相談して名目上娯楽費や社交費などに分散させて計上しております」
「あやつめ...」
よしよしよし、普段なら国王は王太子の味方だけど。今回は聖女システムの件という爆弾を抱えている。
絶対王太子のことを邪魔に思うはずた。うまくいったわ。あはは...
「ただ、問題もあります」
「何だ」
「王太子殿下にはいつもグティレス公爵令嬢がご一緒しております。下手に拘束すればご令嬢が騒ぎだしかねません」
「むむむ」
よし!あと一歩。
「其方なら...どうする?」
キターー
「あの...」
「良い、申せ」
「公費横領でお二人を逮捕するしか...証拠は財務長が山ほど持っております」
さあ、王太子を切るかな?まあ切るだろう。そうしないと自分がヤバくなるからね。
「廃嫡か...」
「国か王太子殿下か、でございます」
国王は覚悟を決めたようだ。
「よし!フィリップは廃嫡する。公費横領は余でも庇いきれん」
よっしゃー
現在この国、エキトバキア王国は、王派閥と貴族派閥が激しく対立しており、勢力はほぼ拮抗している。これも王太子のあまりにも酷い行動と、それを放置している国王への不満が大きいからだ。
しかも公費は広大な肥沃した大地と、優秀な商会を多数保有している貴族派閥に頼っているのが現状なのである。
更に必要不可欠な魔法道具の開発費を横領していたのを軽い処分で済ませてしまえば、貴族派閥は完全に反旗を翻して宣戦布告してくるだろう。
よし!婚約破棄だ。慰謝料は…くれないだろうな。でも王太子費はがっぽりだ。がはは
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