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5 4ヶ国軍事同盟国際会議
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エルクラド王国にて4ヶ国による軍事同盟国際会議が開催された。
軍事会議と言っても、軍関係者だけで会議が成り立つわけではない。
当然軍需物資の調達や政治的な思惑、今後の外交を踏まえての話し合いになる。
位置的には。
西から、エルクラド王国、オルレア王国、ルシランド王国、マロン王国、となる。
この中で一番強力な軍事力を保有しているのがオルレア王国である。
位置的に3方が仮想敵国となるためである。
次点がエルクラド王国。ルシランド王国とマロン王国はそれに比べれば脆弱である。
侵略が始まるとして、南から侵攻して来るアクレシア帝国軍の侵攻場所、侵攻ルートを推測する必要がある。
まず、ルシランド王国とマロン王国を経由するのは、戦線が伸びるだけで意味がない。
オルレア王国に侵攻すれば、エルクラド王国軍とルシランド王国軍に挟撃される。
エルクラド王国とルシランド王国の同時侵攻。戦線を2つにするのも愚策である。
従って、侵攻してくるのなら、西端のエルクラド王国であろうと結論づけた。
そうすると、位置的にエルクラド王国以外の3国と共同で対抗するのはとても難しい。
そうすると、考えられる対策は2つ。
一つは、エルクラド王国南部に4国合同の軍事拠点を建設し、兵力を集結させる。
もうひとつは、アクレシア帝国に逆侵攻して、守りやすく、攻めにくい場所を確保する。
これらをアクレシア帝国の動向と作戦、時期を考慮して実施しなければならない。
敵の陽動作戦に備えて、オルレア王国の兵力も本国に残しておかなければならないだろう。
エルクラド王国への侵攻が陽動で、そちらに引き付けている間に、本隊または、少数精鋭部隊がオルレア王国に侵攻して来る可能性もあるからだ。
このことから、エルクラド王国の立場が一番低く、他国にお願いするという立ち位置となった。
エルクラド王国の事を考えないのなら、アクレシア帝国が西端のエルクラド王国に侵攻してくるのだから、他の3国は静観すればいいだけなのである。
そして、エルクラド王国軍との戦いに疲弊したアクレシア帝国軍に3国の連合軍が追撃を仕掛ければ、大きな損害を与えることが出来るだろう。
シュナイダー侯爵もこの会議に出席していた。
物資の調達はシュナイダー商会がこの中で一番であり、他の3国も認めているのである。
最悪、隣国のオルレア王国との補給路が寸断されても、北方からの調達が可能である。
北方といえばルシランド王国も可能ではあるが、シュナイダー商会ほどの太いパイプがあるわけでもない。
売って下さい、はい分かりました、という世界ではないのである。
それだけ物資の調達というのは、そことの関係と距離は重要なファクターとなるのである。
その夜、各国の親交を深めるための、パーティーが開催された。
他の3国にお願いする立場のエルクラド王国は、ここで全力で歓迎し、関係をよくしなければならない。
シュナイダー侯爵は悩んだ末に、知識、語学の優秀なローズを参加させることにした。
このパーティーは社交場ではなく、エルクラド王国にとっては戦場なのである。
これがきっかけで、他国からの縁談の話が来るのもやむを得ないと判断し、ローズにも説明して理解を得られたのである。
しかし、実はローズは、少しワクワクしていた。
出しゃばるつもりはないが、他国へ少しご奉仕する。つまりある意味メイドの仕事だからである。
どこまでもブレないローズである。
軍事会議と言っても、軍関係者だけで会議が成り立つわけではない。
当然軍需物資の調達や政治的な思惑、今後の外交を踏まえての話し合いになる。
位置的には。
西から、エルクラド王国、オルレア王国、ルシランド王国、マロン王国、となる。
この中で一番強力な軍事力を保有しているのがオルレア王国である。
位置的に3方が仮想敵国となるためである。
次点がエルクラド王国。ルシランド王国とマロン王国はそれに比べれば脆弱である。
侵略が始まるとして、南から侵攻して来るアクレシア帝国軍の侵攻場所、侵攻ルートを推測する必要がある。
まず、ルシランド王国とマロン王国を経由するのは、戦線が伸びるだけで意味がない。
オルレア王国に侵攻すれば、エルクラド王国軍とルシランド王国軍に挟撃される。
エルクラド王国とルシランド王国の同時侵攻。戦線を2つにするのも愚策である。
従って、侵攻してくるのなら、西端のエルクラド王国であろうと結論づけた。
そうすると、位置的にエルクラド王国以外の3国と共同で対抗するのはとても難しい。
そうすると、考えられる対策は2つ。
一つは、エルクラド王国南部に4国合同の軍事拠点を建設し、兵力を集結させる。
もうひとつは、アクレシア帝国に逆侵攻して、守りやすく、攻めにくい場所を確保する。
これらをアクレシア帝国の動向と作戦、時期を考慮して実施しなければならない。
敵の陽動作戦に備えて、オルレア王国の兵力も本国に残しておかなければならないだろう。
エルクラド王国への侵攻が陽動で、そちらに引き付けている間に、本隊または、少数精鋭部隊がオルレア王国に侵攻して来る可能性もあるからだ。
このことから、エルクラド王国の立場が一番低く、他国にお願いするという立ち位置となった。
エルクラド王国の事を考えないのなら、アクレシア帝国が西端のエルクラド王国に侵攻してくるのだから、他の3国は静観すればいいだけなのである。
そして、エルクラド王国軍との戦いに疲弊したアクレシア帝国軍に3国の連合軍が追撃を仕掛ければ、大きな損害を与えることが出来るだろう。
シュナイダー侯爵もこの会議に出席していた。
物資の調達はシュナイダー商会がこの中で一番であり、他の3国も認めているのである。
最悪、隣国のオルレア王国との補給路が寸断されても、北方からの調達が可能である。
北方といえばルシランド王国も可能ではあるが、シュナイダー商会ほどの太いパイプがあるわけでもない。
売って下さい、はい分かりました、という世界ではないのである。
それだけ物資の調達というのは、そことの関係と距離は重要なファクターとなるのである。
その夜、各国の親交を深めるための、パーティーが開催された。
他の3国にお願いする立場のエルクラド王国は、ここで全力で歓迎し、関係をよくしなければならない。
シュナイダー侯爵は悩んだ末に、知識、語学の優秀なローズを参加させることにした。
このパーティーは社交場ではなく、エルクラド王国にとっては戦場なのである。
これがきっかけで、他国からの縁談の話が来るのもやむを得ないと判断し、ローズにも説明して理解を得られたのである。
しかし、実はローズは、少しワクワクしていた。
出しゃばるつもりはないが、他国へ少しご奉仕する。つまりある意味メイドの仕事だからである。
どこまでもブレないローズである。
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