星の記憶

第5証【創世記】

【創世記】ep.14『悪夢』

⇒第5証【創世記】ep.14『悪夢』


メメントモリは、第４の子が、眠るとされる場所へ
海原静流先導の下　天生の後をついて行く

しばらく考え事をして足だけを　ただ導かれるままに動かし

いつの間にか、深い森の中に入っていた
正しく言えば、図書館内の更に奥、書庫の壁でできた長い回廊を越えた空間に映しだされたホログラムの森の中…
その森は、静寂を保ち　不協和音の侵入を拒んでいる様な
ただならぬ空気を発していた


静まりかえった森の中で　突然　海原が声をあげる

海原『メア！…』

メメントモリ『！！…な、なんだよ！…急に…』

天生『メア…、彼女も…また、ムーンチャイルドの１人』
『…失礼、言葉に語弊が、あった！…』
『１人ではなく、一体…』

メメントモリ『一体？…』

天生『先に言ったはずだよ、ドッペルの話は…』
『分かりやすく言えば、彼女も君ら同様　俗に言う　クレイドール』

メメントモリ『クレイドール！？』
（そういや、確か…カイトスの野郎が、「俺らの他にもクレイドールがいる…俺らがデコイか…」とかなんとか　呟いてやがったな…）

森の茂みの中から　１人の少女が姿を現す

メメントモリ(こいつが？…メア？…)
『パン？…パンドラっ！！！』

メア『ん？』
『誰？…あんた？』
『あっ！…』
『フェブにセプ～…』

天生『久しぶりだな…』

メア『ん？、そうでもないよ…』
『ここは、時間の干渉を受けないから…フェブ達が来たのは、ついさっき…』

海原『優に、三千年は空いているけど…ね…』

メメントモリ『さ、三千年！？…』

メア『うっさいわね！！…さっきから…』
『てか、こいつ…誰？…』

海原『こらこら！！…失礼よ…大事な客人に…』

メメントモリ(俺がわからないのか？…気付いていない？…だが、こいつは、間違いなく…パンドラだ…)
(…いや、これが…天生達の言う　ドッペル…)
(パンドラのドッペルゲンガーなのか？…)

天生『メア！…結界を解いてくれ…』

ホログラムである深い森が、ゆっくりと薄れて行く

中心にそびえ立つ大きな望遠鏡…
天井一面に拡がるきらびやかな星空…
壁には、たくさんのモニター…そしてたくさんの機械に囲まれたデスクが数席…

メメントモリ『こ、これは！？…』

天生『スターゲイザー…』
『星を…観る者…』
『即ち！…ここは、天文台…』
『それが、この図書館の本当の姿だ…』

メメントモリ(何故だ！？…まただ…思い出せない！！…)
(記憶…その先を覗こうとすれば、頭にノイズが走る！…)
(誰かが、意図的に俺の記憶を遮断している様だ…)
(く、糞っ！！…だ、誰だ！？…)

メアと呼ばれる少女が、メメントモリを見つめ
目を見開き　静かにほくそ笑みを浮かべる…

天生と海原は、その様子に気付いていない

メメントモリ(あ、天生…！！！…く、糞っ、声が出ねぇ！？…)

メアがメメントモリの脳内に直接話しかける

(まさか、あんたが…邪魔しに来ると思わなかったよ…)
(大人しくしててね…もうすぐ、私の息子が…目を覚ます時間だから…フフフ…)

メメントモリ(パン…ドラ…くっ、く、…な、騎士メア…night mere ！…ナイトメアっ！！！…)