星の記憶

鳳聖院 雀羅

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第4証【アダムの結晶】

【アダムの結晶編】ep.0『消去と創造』

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プロローグ

アカデミー礼拝堂にて

ステュクス『ぶつくさ…ぶつくさ…』
『まったく…いつまで待たせるのよ…』『人を待つと言うのは、随分と退屈ね?』
『姉さん達、私、少し気晴らしに外をぶらついてくるわね』
ヒドラ『ほんと落ち着きのない子ね!…』
ニクス『そんな長い時間ぶらつかないでね!…それで、あまり遠くには行かない!良いわね!』
ステュクス『わかってるわょ!…』
ステュクスは二人の姉を残し、鼻歌を歌いながら、アカデミーの礼拝堂をあとにする
外に出たステュクスが 一通りアカデミーの外周を徘徊し
再び、二人の姉の待つ礼拝堂へ戻ろうとした道中
従事者に連行されて行くジュラの姿を目撃する
ステュクス『あれって…たしか、木星のヴァルキュラスよね?』
ステュクスが従事者に気付かれぬよう
その後を追う
従事者によってジュラが連行された場所は、牢獄であった 
従事者の一人が奥から鎖に繋がれた数匹の狼と共に、ジュラが収用された扉の前に現れた 
ステュクス『…狼の?オジサン?…ま、まさか!…アヌビス?』
扉が開き、その従事者がその中に狼の群れを放った瞬間 
ジュラの断末魔が建物内の全てに響き渡る
従事者『掃除が完了、任務遂行に支障なし!…』
従事者が狼の群れと共に、その場を去るのを待ち
ステュクスはジュラが収用された牢の前に向かった 
ステュクス『え?…』
ステュクスの目の前には ジュラの姿はなく、狼の食べ散らかしと血の海の中に
半身狼の少女がいた 
ステュクスは生唾を飲み込み とりあえず気持ちを落ち着かせ 二人の姉に見たこと全てを報告しようと 後ろに一歩下がり
その牢を出ようとした時 
ドンッ!
ステュクスの背中が何かにぶつかる
ステュクスは自分の他に何者かが背後にいることを悟るが…
ステュクス『くっ…ヤバイ!…見つかってしまったか…』
振り向こうにもステュクスの体は何かに拘束されたようにピクリとも動けない
ステュクス『か、体が言うことを効かない…力が…抜けて、い、く』
ステュクスが足もとに目を落とすと
ステュクスの体は不思議な魔方陣の中にすっぽりと入っていた
ステュクス『ま、魔導…力?』
『イレイサー対象物発見…』
『対象物は 未来と断定、引き続き消去に移行する!』
『未来は我々の手で造るものだ』
『先ずは貴様の消去!…case1【タイムパラドックス】これにより、複数の未来が誕生し派生する…これぞ!まさしくパラレル』
ステュクスの体が魔方陣の中に吸い込まれて行く まるで、ブラックホールが星を飲む様に…
ステュクスの体が半分程、魔方陣に吸い込まれた時 ステュクスの持つ断片は激しく燃え、そして粉々に砕け散った
ステュクスは脱力し、軽く目を閉じながら
『ね、姉さん…ご、ごめん、なさ、い…』
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