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シーン8 アムール売り場付近

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*葵がきょろきょろしながら売り場にやってくる。

好子    「お疲れ様です。」

葵     「お疲れ。ねぇ、ユウキさん見かけなかった?」

好子    「あ、バックヤードにいらっしゃいましたよ。」

葵     「そう、有難う。」

好子    「はーい。」

SE8 バックヤード扉の開閉音

*照明変化

*葵がユウキに声をかける。

葵     「相変わらずの大人気で。」

ユウキ   「それほどでも。まあ、ここだけだけどね、こんなに頑張るの。なんせ君がいるからね。」

*ユウキ、葵の肩に抱きつこうとするが、葵は軽くいなす。

葵     「誰が入ってきてもおかしくないのよ、ここ。いいの?カリスマ美容部員のユウキさんが

ショー終わりでお店の女の子にちょっかいかけてるなんて、噂が広まっても。」

ユウキ   「そのために呼びだしたんじゃないのかい?」

葵     「私、そういうの嫌いなの。仕事は仕事、プライベートはプライベート。」

ユウキ   「そんな事言って、いつになったらデートしてくれるわけ?初めてだよ、僕の誘いを保留する子は。」

葵     「私は一向にかまわないわよ、嫌いになってもらっても。」

ユウキ   「ふふふふ、たまらないな、君のそういうところ。」

葵     「勿論、デートしてあげてもいいわ。その代わり、一つお願いを聞いてくれない?」

ユウキ   「え・・・・そーーーういうの待ってたんだよー!!!」

*2人、少し嬉しそうにきゃぴきゃぴする。

葵     「良い? 今から、屋上に咲良って子を行かせるから、一緒に写真を撮って欲しいの。」

ユウキ   「は?」

 

BGM6 【 葵の悪巧み 】 CUT IN

 

葵     「顔とかくっ付けたりして、仲良さそうな感じでさ。で、後でみんなに咲良に呼ばれたって言って欲しいの。簡単でしょ? 後は私が上手くもっていくから。」

ユウキ   「へえ・・。」

葵     「何よ。」

ユウキ   「いや、君にそんな事させる子ってちょっと興味あるなってね。

しかもアムールが潰れそうな時にさ。」

葵     「なんか文句ある?それにここが潰れても私はロマンス社に引き抜かれるんだから

関係ないでしょ?」

ユウキ   「まあ、僕は何でもいいさ。君に恩を売れるならね。」

 

*葵、近づくユウキを振りほどくように売り場へ戻る。

SE8 バックヤード扉の開閉音

*照明変化 エリア 売り場

*葵、売り場で商品を整頓する咲良の元へ向かう。

葵     「咲良、さっきのユウキさんのショーで使ったスポンジも洗っておいて。」

咲良    「はい!わかりました!」

*咲良、スポンジを持って元気に屋上へ。それを見送る葵。

葵     「何よ、急に元気になっちゃて・・・じゃあ、頼んだわよ。」

*葵、この後に起こる事態を想像して笑い出す。

葵     「町田さんに幻滅されればいいのよ、あんな奴。」

 

SE8 バックヤード扉の開閉音

*照明変化 バックヤード

*葵が戻ってくる。

*ユウキが待っている。

葵     「じゃあ、お願いね。」

ユウキ   「今度の日曜日、空けておいてね。」

葵     「いいわよ、ちゃんと屋上で仕事してくれたらね。」

ユウキ   「がんばりまーす。」

*葵、出ていく。

SE8 バックヤード扉の開閉音

*葵、にこやかに優や好子へ「お疲れさま」と声をかけ、売り場から嬉しそうに出てゆく。

*照明変化、バックヤード

ユウキ   「追いかけられるより、追いかける方が楽しいとはな。今までモテすぎてて気が付かなったけど・・たまんないねー!!

惚れた女を振り向かせるために頑張るってのは!!!!」

*そこへ、人影が。

ユウキ   「ん?」

BGM6 【 葵の悪巧み 】 CUT OUT

*コスモ君が携帯をユウキの方に向けてやってくる。

ユウキ   「え?」

*コスモ君が携帯の動画再生ボタンを押すと、

SE9 携帯電話の動画音声

 

葵(携帯) 「誰が入ってきてもおかしくないのよ、ここ。いいの?カリスマ美容部員のユウキさんが

ショー終わりでお店の女の子にちょっかいかけてるなんて、噂が広まっても。」

ユウキ(携帯)「そのために呼びだしたんじゃないのかい?」

 

*コスモ君、携帯のストップボタンを押して、じっと見ている。ユウキ、コスモ君に恐る恐る近づく。

ユウキ   「あの?その動画って・・。」

コスモ   「隙あり!」

*コスモ君、ユウキのお腹を殴る。

ユウキ   「ウッ!!」

*コスモ君、気を失ったユウキを運んで消える。
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