13 / 19
感度3000倍を実際に体感してみたくない?
しおりを挟む
そんなこんなで特殊な事情を抱えた兄妹二人組と、すけべスライムを討伐するために村を出たカイザーです。
しかし余りに2人の歩くスピードが遅いので、近くまでは俺が二人を担いで走ることになりました。
「は、早すぎますっ!!ちょっ、ちょっとゆっくり。」
「景色がっ、瞬間移動してる。」
などと話す二人カイザーに必死にしがみついている。まだまだスピードを上げても大丈夫そうだ。
その日、ある地域において走るような赤い流れ星の目撃情報が多数出ていた。
「ここら辺か?」
「は、はい………。」
「吐きたい。」
妹ちゃんが女性にあるまじき言葉を吐くのを軽くスルーしつつ、辺りを見回す。
更地に近いような風景が暫く続き、あちらこちらに多くの崖やクレーターなどが存在する地帯。上から自分たちを焼くかのように照らし続ける太陽、周りに水源や街もないように思える。こんなところで種族単位で生活できるものだろうか?
徐々に息が整ってきたジャガーが話しかける。
「それじゃあ、ここからは俺が案内します。付いてきてください。」
そう言いながら、進み始めたジャガーに付いていった。
あとさっきからしがみついてくるこの娘、どうにかしてくれない?
辺りを警戒しながら進むジャガー。彼の頭の中にあったのは、家族を取り込んだスライムのことだった。
野生のスライムが変異種となる可能性はゼロではない。カイザーやゾルディスに話したことは紛れもない事実だ。しかし彼は一つの可能性を見落としていた。
他の外部の敵からの攻撃。
その可能性もあった。
銀虎族は絶滅危惧種にしてもいいほどには数を減らした。それ故貴重な種族だった。魔王からの勧誘はなかったはずだが、少し前に自分たちの村を尋ねた魔族はいたことを思い出していた。
親父がすぐに追い返したから、何も知らないが一番怪しかったのは奴だ。しかしただの魔族にそんな力があるのだろうか。
ジャガーは多くの可能性を想像しながら進んでいた。
その後ろで妹とカイザーがイチャイチャしているのを気にしないように。(あくまでジャガーの視線です。)
一方その頃、龍に蹂躙された魔王城では、ボコボコにされた元魔王(笑)ルテンと四天王のグルテン。片方は半死半生。もう片方は正座で地べたに座っていた。
龍に睨まれながら、
味方であるはずなのに、こちらまで圧迫されるような空気に鳥肌が立ちっぱなしだった。世界公認の頂点に偽りはないと実感した。
対し、じっと睨まれる二人。先ほど圧倒的な力で蹂躙されたことに加えて、いや遊ばれながらルテンが蹂躙された事実におののきながら、震えていた。恐怖という一つの感情のみによって支配されていた。
「それで、グルテン。申し開きはありますか?」
「あ、ありません。」
これほどの戦力を持つ王女に逆らった自分を心底マヌケではないかと思い始めていた。すでに逆らう気力も無かった。
そして辺りに敵が居ないのを確認した龍は空へと駆けていった。
それが今までの一部始終である。
これから先、まずは城の兵力の確認、民の様子、財政などやることは山ほどある。しかし、既にカイザーに全てを捧げると誓ったエリスは凄まじかった。全ての問題をゾルディスの智慧を借りつつ、直ぐに解決していった。
後に国の英雄の一人として語られるのはまた別の話。
「おぉ。でっかいな。」
今現在カイザーが遠くを見つめるように、その物体を見ていた。それは一切の水源のない更地をゆっくりと進んでいた。周りの断崖絶壁と同じほどの大きさの質量が確実にゆっくりと動いている。
スライムだ。まごうことなきスライムだ。
青色が定番のスライムでは珍しいピンク色。カイザーは見覚えがあるそれに懐かしさを感じた。
ゲームでおなじみの敵キャラもとい、ネタキャラである。
ゲームの戦闘画面で確かにモンスターとして出てくるが、攻撃という攻撃はしてこないおなじみの存在。主に精神攻撃、サービスシーンを暴露する攻撃を繰り出してくる特殊なモンスターだ。
実際にゲームの中でしか見たことがなかったが、おかしい。
流石にこんなにもデカいはずがない。
よく目を凝らして見てみると、そのピンク色の液体の中には多くの人影が見られた。全員が小刻みに震えている様を複雑な表情で見る自分。中に囚われた者がどんな目に遭っているかがたやすく予想できた。
感度3000倍という数値は凄まじい。ある忍者者のエロゲではよく出てきているようなその設定。実際にそんなものは快楽という言葉では言い表せない。
自分が自分でなくなるようなその感覚は実際恐怖を感じる部分も大きい。
なるべく廃人になる前に早く助け出す必要があるようだ。
そんなピンクのスライムを空から見つめる存在が居た。
それには悪魔のような羽があり、尻尾があった。しかし問題はそこではない。老若男女どの年齢層、性別の者が見てもこう答えるだろう。
エロい人が居る、と。
露出の激しい黒の衣装に、褐色の艶やかな肌。無駄に光が反射するようなテカリに興奮をそそられてしまうだろう。それはもうエロエロなお姉さんだった。スライムとスライムに近づく人影を舌なめずりしながら、覗いていたのだった。
「釣れました。」
しかし余りに2人の歩くスピードが遅いので、近くまでは俺が二人を担いで走ることになりました。
「は、早すぎますっ!!ちょっ、ちょっとゆっくり。」
「景色がっ、瞬間移動してる。」
などと話す二人カイザーに必死にしがみついている。まだまだスピードを上げても大丈夫そうだ。
その日、ある地域において走るような赤い流れ星の目撃情報が多数出ていた。
「ここら辺か?」
「は、はい………。」
「吐きたい。」
妹ちゃんが女性にあるまじき言葉を吐くのを軽くスルーしつつ、辺りを見回す。
更地に近いような風景が暫く続き、あちらこちらに多くの崖やクレーターなどが存在する地帯。上から自分たちを焼くかのように照らし続ける太陽、周りに水源や街もないように思える。こんなところで種族単位で生活できるものだろうか?
徐々に息が整ってきたジャガーが話しかける。
「それじゃあ、ここからは俺が案内します。付いてきてください。」
そう言いながら、進み始めたジャガーに付いていった。
あとさっきからしがみついてくるこの娘、どうにかしてくれない?
辺りを警戒しながら進むジャガー。彼の頭の中にあったのは、家族を取り込んだスライムのことだった。
野生のスライムが変異種となる可能性はゼロではない。カイザーやゾルディスに話したことは紛れもない事実だ。しかし彼は一つの可能性を見落としていた。
他の外部の敵からの攻撃。
その可能性もあった。
銀虎族は絶滅危惧種にしてもいいほどには数を減らした。それ故貴重な種族だった。魔王からの勧誘はなかったはずだが、少し前に自分たちの村を尋ねた魔族はいたことを思い出していた。
親父がすぐに追い返したから、何も知らないが一番怪しかったのは奴だ。しかしただの魔族にそんな力があるのだろうか。
ジャガーは多くの可能性を想像しながら進んでいた。
その後ろで妹とカイザーがイチャイチャしているのを気にしないように。(あくまでジャガーの視線です。)
一方その頃、龍に蹂躙された魔王城では、ボコボコにされた元魔王(笑)ルテンと四天王のグルテン。片方は半死半生。もう片方は正座で地べたに座っていた。
龍に睨まれながら、
味方であるはずなのに、こちらまで圧迫されるような空気に鳥肌が立ちっぱなしだった。世界公認の頂点に偽りはないと実感した。
対し、じっと睨まれる二人。先ほど圧倒的な力で蹂躙されたことに加えて、いや遊ばれながらルテンが蹂躙された事実におののきながら、震えていた。恐怖という一つの感情のみによって支配されていた。
「それで、グルテン。申し開きはありますか?」
「あ、ありません。」
これほどの戦力を持つ王女に逆らった自分を心底マヌケではないかと思い始めていた。すでに逆らう気力も無かった。
そして辺りに敵が居ないのを確認した龍は空へと駆けていった。
それが今までの一部始終である。
これから先、まずは城の兵力の確認、民の様子、財政などやることは山ほどある。しかし、既にカイザーに全てを捧げると誓ったエリスは凄まじかった。全ての問題をゾルディスの智慧を借りつつ、直ぐに解決していった。
後に国の英雄の一人として語られるのはまた別の話。
「おぉ。でっかいな。」
今現在カイザーが遠くを見つめるように、その物体を見ていた。それは一切の水源のない更地をゆっくりと進んでいた。周りの断崖絶壁と同じほどの大きさの質量が確実にゆっくりと動いている。
スライムだ。まごうことなきスライムだ。
青色が定番のスライムでは珍しいピンク色。カイザーは見覚えがあるそれに懐かしさを感じた。
ゲームでおなじみの敵キャラもとい、ネタキャラである。
ゲームの戦闘画面で確かにモンスターとして出てくるが、攻撃という攻撃はしてこないおなじみの存在。主に精神攻撃、サービスシーンを暴露する攻撃を繰り出してくる特殊なモンスターだ。
実際にゲームの中でしか見たことがなかったが、おかしい。
流石にこんなにもデカいはずがない。
よく目を凝らして見てみると、そのピンク色の液体の中には多くの人影が見られた。全員が小刻みに震えている様を複雑な表情で見る自分。中に囚われた者がどんな目に遭っているかがたやすく予想できた。
感度3000倍という数値は凄まじい。ある忍者者のエロゲではよく出てきているようなその設定。実際にそんなものは快楽という言葉では言い表せない。
自分が自分でなくなるようなその感覚は実際恐怖を感じる部分も大きい。
なるべく廃人になる前に早く助け出す必要があるようだ。
そんなピンクのスライムを空から見つめる存在が居た。
それには悪魔のような羽があり、尻尾があった。しかし問題はそこではない。老若男女どの年齢層、性別の者が見てもこう答えるだろう。
エロい人が居る、と。
露出の激しい黒の衣装に、褐色の艶やかな肌。無駄に光が反射するようなテカリに興奮をそそられてしまうだろう。それはもうエロエロなお姉さんだった。スライムとスライムに近づく人影を舌なめずりしながら、覗いていたのだった。
「釣れました。」
1
お気に入りに追加
890
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる